『みんなはなにかを目指して必死に走っていた。目の見えないなにかにむかって必死に手をのばしていた。そこにゴールがなかったとしても。手が届かないと気付いていたとしても。歯をくいしばりながら必死に前に進んでいた。なのに僕はなにをしていたんだろう。ただじっとみてるだけで。手をのばそうともしなかった。ただ結果を怖がるだけで。足を踏み出すことさえもできなかった。皆が一生懸命に見つけた道をただ羨ましいそうにみてるだけだった。みんなとはちがうんだと自分にいい訳をしていただけで。傷つくのを恐れていただけだ。地図がなければ、どこにむかえばいいのかわからない。どこに向かうかを決めるのは地図を見てからだと思っていた。でも、それは違っていた。地図がないかららまよってるんじゃい。僕には目的地がないんだ。もっと早く進みたくて、もっと前に進みたくてペダルを踏み続けた。』 . . .
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