昨日のブログとは打って変わって、こちらはマスマーケティングの成功事例です。この記事も面白かったので紹介します。性能は良いが販売不振だったFOMAの新製品を開発するに当たり、ドコモの夏野さんという執行役員の方が技術陣に対し「ドラクエが動くこと」とだけ要求したことが紹介されています。開発当初からどういう風に宣伝するかを考えて製品開発に対する要求条件を突きつけるこのやり方は、単なる思いつきならば困ったものですが、市場を見極め、顧客のニーズを見極めた上であるならば非常にリーズナブルな方法であり、マスマーケティングの基本とも言えるでしょう。
これは、研究者や「オタク」にしか理解できない技術をスタート地点として徐々に適用領域を増やしてゆく「オタクマーケティング」とは対極にあるアプローチです。オタクマーケティングだけだと大きな利益が出るまでに時間がかかりすぎるので、体力が持つかどうかわかりません。一方マスマーケティングだけだと大きな利益を生むが破壊的な技術が登場したときに対応できません。両方のアプローチを使い分けることで、企業は継続的に便益を提供することができるようになると考えます。