稽古

稽古  先月の分を記さなかったので、あわせて書きとめ
ます。

《謡の稽古》

6月18日(木)
 
『鵜飼』 6回目   
6回に分けて習いまして、この日最後まで。

その前に、1回から5回までを一人で謡います。肩や咽喉
に力が入ってしまいます。途中で低音になりすぎて、声が
出なくなってしまったところもありました。

「鵜飼」はわかりやすい話ですし、テンポよくとても面白か
ったです。

特に『鵜ノ段』
湿る松明振り立てて。藤の衣の玉襷。鵜籠を開き取り出し。島つ巣おろし荒鵜ども。この川波に。ばっと。放せば。

おもしろの有様や。おもしろの有様や。底にも見ゆる篝火に。驚く魚を追い回し。潜きあげ掬いあげ。隙なく魚を食う時は。罪も報いも後の世も。忘れ果てて面白や。

みなぎる水の淀ならば。生け簀の鯉やのぼらん。玉島川にあらねども。小鮎さ走るせぜらぎに。かだみて魚はよもためじ。

不思議やな篝火の。燃えても影の暗くなるは。思い出でたり。月になりぬる悲しさよ。鵜舟のかがり影消えて。闇路に迷うこの身の。名残をしさを如何にせん。名残をしさを.如何にせん。


7月13日(月)

『鵜飼』 7回目 中入り後から最後までを謡う。前回と合
わせて1本のテープに録音して保存しておきます。

『紅葉狩』 1回目  
「時雨を急ぐ紅葉狩。〃。深き山路を尋ねん。 これは此あたりに住む女にて候。げにやながらへて浮世に住むとも今は早。誰しら雲の八重葎。茂れる宿の淋しきに。人こそ見えね秋の来て。庭の白菊。移ふ色も。うき身の類と哀なり。

あまり淋しき夕まぐれ。しぐるゝ空を眺めつゝ。四方の梢もなつかしさに。伴ひ出づる道のべの草葉の色も日に添ひて。 下紅葉。夜の間の露や染めつらん。〃。

あしたの原は昨日より。色深き紅を分け行くかたの山深み。げにや谷河に。風のかけたる柵は。流れもやらぬもみぢ葉を。渡らば錦。中絶えんと。まづ木の本に立ちよりて。四方の梢をながめて暫く休み給へや。

♪時雨をいそぐ紅葉狩り~♪と、シテが謡うところなのに、
宝生閑師のお声がなぜか頭の中でグルグル?
美しい詞です。特に「朝の原は昨日より・・からが好きです。
節も面白いのです。


《仕舞の稽古》

6月18日(木)

『玉葛』
旅の僧が奈良の社寺を巡拝、初瀬の長谷観音へ出かけます。初瀬川あたりに来ると、舟を漕いで一人の女がやってきて、自分も長谷寺に参詣する者です言い、僧を二本の杉へ案内します。女は「源氏物語」の玉葛の話をして聞かせ、自分こそその玉葛であるとほのめかして消え失せます。

哀れに思った僧が読経していると、玉葛の亡霊が現れます。そして、今も妄執の苦しみから抜け出せない身であると嘆き舞いますが、やがて昔のことを懺悔して成仏します。そして僧も夢から覚めたのでした。

仕舞の部分は・・
げに妄執の雲霧の。げに妄執の雲霧の。迷いもよしやうかリける。人を初瀬の山おろし。烈しく落ちて、露も涙も散りぢりに秋の葉の身も。朽ちはてね怨めしや。怨みは人をも世をも。怨みは人をも世をも。思い思わじただ身ひとつの。報いの罪やかずかずの、浮き名に立ちしを懺悔の有様。あるいは湧きかえる、岩もる水の思いにむせび。或いはこがるるや身より出ずる、玉と見るまで包めども。ほたるに乱れつる。影もよしなや恥ずかしやと、この妄執をひるがえす。心は真如の玉葛。心は真如の玉葛。長き夢路は覚めにけり

恨めしやと、「シオリ」(涙を押える仕草で悲しむ)まで。


7月13日(月)

『玉葛』

先月のおさらい。先ず、師の謡に合わせて教えていただ
いたところを舞います。 お直し2箇所!これは珍しいこ
とであります。
 ・シオリ 左手の親指を閉める
 ・両手を張るとき、開きすぎ。拳一つ分。


新しい箇所は、玉と見るまでつつめども」と、扇を左肩に
のせかけるまで。 廻り込み、廻り返しがあり、足取りな
ど不安。頼りのテープは「ここは、こう・・」「ここで、こう」
~その時はなんとか真似しましたが、これがちっとも覚
えていないんだなあ~

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

雑談の時間、面「節木増」について伺っていると、師は突然
「おばあさまはあのようなお顔をしていらっしゃいました」と、
昔昔の少年の頃、憧れの存在であったらしい祖母の「面影
回想のモード」に入ってしまわれた。

時々師のお話しに出てきます祖母~しかしう~む、それは
あまりにも美化しすぎでしょうとアキレ~
~~孫はこんなでわるうござんしたねぇ~~

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