能を観に

 宝生会月並能  平成20年3月9日(日曜日) 1時


能「西王母」 (せいおうぼ)

シテ;三川泉 子方;山内晶 ワキ;宝生閑
ワキヅレ;殿田謙吉 宝生欣哉
大鼓;柿原崇志 小鼓;観世新九郎
太鼓;三島元太郎 笛;小野寺竜一
間;山本則孝 地頭;今井泰男
桃の枝を肩にした美しい女が皇帝の前に出て、その枝を捧げます。それは三千年に一度だけ花咲き実生る桃で、女は西王母という仙女だったのです。やがて侍女に桃の実を持たせて現れ、その実も捧げて舞を舞います。

どうしたのかな・・いつもは美しいと思う三川泉師の舞、
今日は慌しい動きのように感じました。輝いて見えない
し声も拾えなかったのです。 後シテの面が傾いている
ようにも見えましたが、そんなことあります? 
寝不足で私がおかしいのかしら。

袖も裳裾もたなびきたなびく。雲の花鳥春風に和しつつ
雲路にうつれば ・・ 行くへも知らずぞなりにける

                 

狂言「鎌腹」 (かまばら)

山本則俊 山本則秀 若松隆
怠け者の亭主に業を煮やした女房が、鎌を結びつけた棒で追い回すところから始まり、仲裁人が入って亭主は山へ木を伐りに行こうとしますが、自分に嫌気のさした彼はその鎌で首を切ろうか腹を切ろうかひと思案。そこへ自殺を心配した女房が駆けつけて・・・狂言特有の「わわしい女」と「気弱な男」の典型。

「けなげな死によう」を考えて試そうとするところで笑う 


能「田村」 (たむら)

シテ:中村孝太郎 ワキ:高井松男 
ワキヅレ:梅村昌功 則久英志
大:亀井実 小:住駒匡彦 笛:槻宅聡
間:山本則秀 地:亀井保雄
 
清水寺を訪れた僧が出会った少年は、清水寺の縁起を語り、辺りの名所を教えて、田村堂の中に消え失せた。その夜の僧の夢に坂上田村丸が現れ、鈴鹿の鬼神平定を仕方話に語る。時代を古代にとった異色の修羅能。

美しい童子の面です。 謡と舞にめりはりがあって心地
よく感じました。 

白妙に雲もかすみも埋もれて いづれ桜の梢ぞと
見渡せば 八重一重げに九重の春の空 四方の山なみ
おのづから 時ぞと見ゆる景色かな

名にしおう 。花の都の春の空~
 

と、すてきな詞のつづく謡です。


能「野守」 (のもり)

シテ:朝倉俊樹 ワキ:安田登 
大:國川純 小:森澤勇司 太:金春國和 笛:寺井久八郎
間:若松隆 地:三川淳雄

春日野を訪れた僧は一人の老人に会う。老人は野守の鏡といわれる池の事を語り、本当の野守の鏡とは此塚に住む鬼が持っていると言って塚に入る。その夜野守の鬼が現れ、その鏡に天地を映し、僧に与えて去って行く。

美しくしっかりと舞われました。 大小の音が弱いように思
いました。笛方は少しお痩せになったような・・音が良くな
りました。

恐ろしや打ち火かがやく鏡の面 うつる鬼神の眼の光
面を向くべきようぞなき
   と、旅僧(ワキ)が言うと
 
恐れ給はば帰らんと 鬼神は塚に入らんと

・・・優しい鬼神です。
 
               5時40分終る

やわらかな色の夕雲のなかを帰りました 
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