山形からの生地問屋さんへ買い物に行った。麻の3種類の生地を買った。
薄茶色の生地でパンツを作った。
これは、レーヨン70%、麻30%で、すこしヨレッとしている。
白い麻地は、友達にパジャマを作るつもり。自宅でバラをたくさん育てていたので、胸のポケットにバラを刺繍したものを作りたい。
彼女は長いこと東京の郊外に暮らしたが、ご主人の定年で、ふるさと熊本に帰ることにしたという。高校の同窓生同士なので、彼も熊本がふるさとだ。彼女の実家が空き家になり、売れるような場所じゃないので、新しく建て直してすむという。
眺めのいいところだという。訪ねてみたい。
新築祝いにパジャマとは、おかしいかもしれないが、きっと彼女は喜んでくれるに違いない。
もうひとつ、黒地のはなもようの生地を引っ張り出して見ている。これは夫がボローニャに行ったとき、老舗の仕立て屋でおみやげにかってきてくれたもの。
「黒い髪に黒い目」と言ったら、この生地をすすめられたと言っていた。日本人だもの。外国の人は目の色や髪の色で洋服を選ぶんだね。
もう30年も前のこと。肌触りのいい上等なもめんだが、残り少ない人生、パジャマを作って着ようと思った。
あっというまに駆け抜けた月日。
縫物のすきな、私のことを思い出しただけでもうれしい。汗をかきながらしどろもどろの英語で分不相応な買い物に四苦八苦している夫がおかしい。でも丁寧に対応してくれたらしい。