ホタル

暗い夜　沈む葉っぱに　灯が燈る

　　　　　　　憧れていた　花になれた日

　　　　　　

ゼリーな私

初夏の風　暑い日差しに　撫でられて

　　　　　　　赤い身体は　透き通り揺れ

取り込む

山奥の　深い谷間で　ひっそりと

　　　　　　澄んだ陽を浴び　ただ呼吸して

熔け行く空

雨上がり　様々な色　氾濫し

　　　　　　　境目のない　マーブルな空

Tears

梅雨の朝　赤い私に　雫落ち

　　　　　　　涙のように　頬を伝った

時間が止まる

暑い陽を　さえぎる紅の　野点傘

　　　　　　　揺れる葉っぱと　お喋り弾む

何処まで行ける？

空高く　そびえる君の　肩を借り

　　　　　　　胸に光りを　浴びて昇るの

捕獲

薄雲が　覆い被さる　梅雨の空

　　　　　　柔らかな陽の　虜になって

もっと赤く

鮮明な　赤を天から　授かって

　　　　　　君に逢う度　その色を増す

Memory

池の中　逆さに映るは　内に住む

　　　　　　私の中の　あなたの記憶

何故そんなに綺麗なの？

ちらちらと　天舞う金粉　浴びていた

　　　　　　　天使になった　心は空へ

一緒なら走り出せる

棄てられた　あなたに乗って　走る夢

　　　　　　　　ペダルを踏んで　風になりたい

雨が降る日は

梅雨の空　降り続く雨　眺めては

　　　　　　　身体に纏う　雨粒選び

蝶になる日

ひとつずつ　花開かせて　次を待つ

　　　　　　　　この花びらは　何時しか羽に

ひとつになりたい

透き通り　輝く空に　恋をして

　　　　　　　誰より蒼く　染まりたい水