やさしい声は甘い月

ほろほろと　口に入れたら　溶けそうな

　　　　　　　甘い香りの　朧月飴

遠恋

燃えている　夕焼け空の　向こうには

　　　　　　　　私の好きな　月が待ってる

浮遊

目覚めると　夜が全てを　閉じ込めて

　　　　　　　逢いたい気持ち　ぽつんとひとり

海が好きな月

今日わたし　海月になって　漂って

　　　　　　　濃い藍の波　身を任せ揺れ

赤だったンですケド

お喋りを　すれば自然に　馴染む赤

　　　　　　　夜中に光る　ベルベットの赤

毎日明日が来るといいのに

君の頬　薄く色付く　桃色が

　　　　　　まだ明日への　道を見つめる

お口ぱくぱく♪

金魚鉢　くるくる泳ぐ　赤い花

　　　　　　あなたに逢えた　喜び歌って

まわり全部が花になる

上からも　足元からも　迫る花

　　　　　　　甘い香りが　残された場所

食べて

あなたから　美味しそうだと　突付かれる

　　　　　　　食べて欲しいの　赤く熟すわ

アルんですねぇ

誰にでも　笑顔を向ける　大輪の

　　　　　　蓮の花にも　ヒミツの夢が

嬉しい一日

首伸ばし　遠く遠くを　見たいから

　　　　　　あの雲の下　君の影見た

リンネ草

俯いて　ひとつのことを　思う花
　
　　　　　名前をくれた　彼だけ思う

スローモーションで

あなたから　ココロ切り分け　貰う度

　　　　　　　私の胸に　打ち上げ花火

わたし忘れない

耳元を　かすめ流れた　風の息

　　　　　蕾の頃の　長い一瞬

シロップの雨

梅雨の夜　ポタポタ落ちる　雨粒は

　　　　　　　私の花を　甘く震わせ