『シノハユ』 5巻 感想
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もう1ヶ月前になってしまったけれど、『シノハユ』第5巻が発売された。表紙は1巻から慕ちゃん→閑無ちゃん→はやりん→悠彗ちゃんと朝酌女子の制服を着た4人が続いていたからてっきり5巻も朝酌女子の5人目となる少女が表紙を飾るのかと思いきや、ここで赤土さんが来るとはちょっと意外。まぁ、朝酌女子の5人目が杏果ちゃんなのだろうかとあれこれ考えを巡らせる余地が残ったのは読者としては楽しい側面もあるし、6巻の表紙が誰になるのかも楽しみなところだね。
裏表紙は慕ちゃんと閑無ちゃん。慕ちゃんはおさげでもかわいいね。清楚さが3割増しくらいになる。我らが清澄高校の久部長のおさげが大好きな僕としては、おさげ女子がもう少し増えてもいいんじゃないかと思う。「ポニーテール」・「おさげ」・「咲さんの髪型」は三大かわいいヘアスタイルだからね。つまり咲さんはかわいい。
さて、今巻もそれぞれの店舗で特典がついてきた。
ゲーマーズは丹羽さんの土下座ブロマイド、アニメイトは高橋さんのミニ色紙。文教堂が基本無敵な閑無ちゃんのイラストカード、とらのあなは心ちゃんのつらよごしクリアファイル。WonderGooは例によって表紙のイラストカードだった。
今回はそれぞれの店舗特典でキャラとともに各キャラの印象的なセリフが入っているのが良いね。こういう統一感は特典を集めたくなるだろうし、良い試みだと思う。優勝者の心ちゃんがサイズ的に優遇されているのも内容に即しているようでおもしろい。
メロンブックスは慕ちゃん&赤土さんブックカバー。ずっと思っていたんだけど、格好も含めて小学生時代の赤土さんはともすれば少年に見えなくもないくらいボーイッシュだね。
また、ビッグガンガン創刊4周年を記念して各店舗でフェアが開催されていた。アニメイトでもらえる慕ちゃんのクリアファイルもかわいいが、とらのあなでもらえる清澄1年生トリオの『咲日和』クリアファイルがとてもかわいい。咲さん宇宙一かわいいよ。
さて、今巻は第20話「全国①」~第24話「全国⑤」を収録。全国から集まった小学生雀士たちがその頂点を競いながら、友情を育み、成長していく様子はまさに青春そのもの。友情を通して人は成長し、成長することで友情は深まる。『シノハユ』を読んでいると強くそう思う。
準決勝で遂に慕ちゃんと対峙した赤土さんの強さは小学生にして後に「阿知賀のレジェンド」と呼ばれるのも納得と言える程のものだった。小学生とは思えない分析力とゲームメイクで卓をコントロールし、南4局明らかに喰いタンのみの手を張っていた2着の慕ちゃんにを差し込んで、トップで終局を狙うというところまではまさに完璧の一言。純粋な卓上の心理戦においては少なくとも同世代では赤土さんを凌ぐものはいないだろうと思うほどだった。
だが、慕ちゃんの信条は赤土さんの想定を超える。この展開の熱量が凄い。そこにあるのは打算的な駆け引きではなく、純粋に母を慕う少女の想いだった。
「おかーさんは可能性がある限り1位を目指す だから私も 笑顔で 私らしい麻雀を――!!」
母の後ろ姿を追いかけるように母の「可能性がある限り1位を目指す」スタイルを踏襲する慕ちゃん。そして、母を思う慕ちゃんの顔には笑顔が浮かんでいた。お母さんが好きだと言ってくれたキラキラした笑顔を。
今ここで闘っているのも、決勝を目指すのも、全ては母に自分の姿を見てもらうため。だからこそ、2着で和了り止めはない。一羽の鳥が高い空を目指して羽ばたくようにトップを目指す。それが白築慕の麻雀なのだろう。この準決勝は第1話で強い決意と共に走り出す慕ちゃんの一連のシーンを思い出す回だった。熱い。
そして、日本一の小学生を決める決勝戦もなかなかどうして心が躍るものだった。前評判に違わぬ高火力で他を圧倒する咏さんによって、心ちゃんがトバされた!と思ったのも束の間。
索子の染め手を匂わせる咏さんの捨て牌と心ちゃんが索子を掴んだのを見抜き、待ちを変え頭ハネで咏さんの和了りを潰す善野さん。速攻だけでなくテクニカルな和了りを魅せる善野さんの強さは未だこの決勝戦では底が知れないといった感じで、これからの再登場に期待がかかる。
そして、心ちゃんが準決勝の後、赤土さんに「決勝で勝つ方法!」を教えてもらうために、素直に下級生に頭を下げている姿が印象的だった。「つらよごしだよ」に始まり、登場当時は掴みどころがなく不遜な面もあるキャラだと思っていたが、赤土さんの力を認め、真剣な表情で赤土さんに教えを乞う一面は確かに彼女の素直さが見て取れて良かった。心ちゃんの優勝は『シノハユ』が友情と成長を一つのテーマとしている表れでもあったのかもしれない。
そして、母の手紙を見た慕ちゃんが走り出すところで5巻は終了。初めて掴んだ母への手がかりを見て涙を浮かべる慕ちゃんの姿は心を締め付けるね。単行本派の方のためにネタバレは伏せるけれどここから更に物語が動き出す予感を覚えさせての引きは憎らしい(笑)。
ここ最近は『シノハユ』の感想記事が追いついていないので、何とか頑張ろうと思います。
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赤土晴絵
もう1ヶ月前になってしまったけれど、『シノハユ』第5巻が発売された。表紙は1巻から慕ちゃん→閑無ちゃん→はやりん→悠彗ちゃんと朝酌女子の制服を着た4人が続いていたからてっきり5巻も朝酌女子の5人目となる少女が表紙を飾るのかと思いきや、ここで赤土さんが来るとはちょっと意外。まぁ、朝酌女子の5人目が杏果ちゃんなのだろうかとあれこれ考えを巡らせる余地が残ったのは読者としては楽しい側面もあるし、6巻の表紙が誰になるのかも楽しみなところだね。
裏表紙
裏表紙は慕ちゃんと閑無ちゃん。慕ちゃんはおさげでもかわいいね。清楚さが3割増しくらいになる。我らが清澄高校の久部長のおさげが大好きな僕としては、おさげ女子がもう少し増えてもいいんじゃないかと思う。「ポニーテール」・「おさげ」・「咲さんの髪型」は三大かわいいヘアスタイルだからね。つまり咲さんはかわいい。
さて、今巻もそれぞれの店舗で特典がついてきた。
つらよごしだよ
ゲーマーズは丹羽さんの土下座ブロマイド、アニメイトは高橋さんのミニ色紙。文教堂が基本無敵な閑無ちゃんのイラストカード、とらのあなは心ちゃんのつらよごしクリアファイル。WonderGooは例によって表紙のイラストカードだった。
今回はそれぞれの店舗特典でキャラとともに各キャラの印象的なセリフが入っているのが良いね。こういう統一感は特典を集めたくなるだろうし、良い試みだと思う。優勝者の心ちゃんがサイズ的に優遇されているのも内容に即しているようでおもしろい。
ブックカバー
メロンブックスは慕ちゃん&赤土さんブックカバー。ずっと思っていたんだけど、格好も含めて小学生時代の赤土さんはともすれば少年に見えなくもないくらいボーイッシュだね。
BIG 4 YOU
また、ビッグガンガン創刊4周年を記念して各店舗でフェアが開催されていた。アニメイトでもらえる慕ちゃんのクリアファイルもかわいいが、とらのあなでもらえる清澄1年生トリオの『咲日和』クリアファイルがとてもかわいい。咲さん宇宙一かわいいよ。
さて、今巻は第20話「全国①」~第24話「全国⑤」を収録。全国から集まった小学生雀士たちがその頂点を競いながら、友情を育み、成長していく様子はまさに青春そのもの。友情を通して人は成長し、成長することで友情は深まる。『シノハユ』を読んでいると強くそう思う。
準決勝で遂に慕ちゃんと対峙した赤土さんの強さは小学生にして後に「阿知賀のレジェンド」と呼ばれるのも納得と言える程のものだった。小学生とは思えない分析力とゲームメイクで卓をコントロールし、南4局明らかに喰いタンのみの手を張っていた2着の慕ちゃんにを差し込んで、トップで終局を狙うというところまではまさに完璧の一言。純粋な卓上の心理戦においては少なくとも同世代では赤土さんを凌ぐものはいないだろうと思うほどだった。
だが、慕ちゃんの信条は赤土さんの想定を超える。この展開の熱量が凄い。そこにあるのは打算的な駆け引きではなく、純粋に母を慕う少女の想いだった。
準決勝(第23話「全国④)
「おかーさんは可能性がある限り1位を目指す だから私も 笑顔で 私らしい麻雀を――!!」
母の後ろ姿を追いかけるように母の「可能性がある限り1位を目指す」スタイルを踏襲する慕ちゃん。そして、母を思う慕ちゃんの顔には笑顔が浮かんでいた。お母さんが好きだと言ってくれたキラキラした笑顔を。
今ここで闘っているのも、決勝を目指すのも、全ては母に自分の姿を見てもらうため。だからこそ、2着で和了り止めはない。一羽の鳥が高い空を目指して羽ばたくようにトップを目指す。それが白築慕の麻雀なのだろう。この準決勝は第1話で強い決意と共に走り出す慕ちゃんの一連のシーンを思い出す回だった。熱い。
そして、日本一の小学生を決める決勝戦もなかなかどうして心が躍るものだった。前評判に違わぬ高火力で他を圧倒する咏さんによって、心ちゃんがトバされた!と思ったのも束の間。
決勝(第24話「全国⑤)
索子の染め手を匂わせる咏さんの捨て牌と心ちゃんが索子を掴んだのを見抜き、待ちを変え頭ハネで咏さんの和了りを潰す善野さん。速攻だけでなくテクニカルな和了りを魅せる善野さんの強さは未だこの決勝戦では底が知れないといった感じで、これからの再登場に期待がかかる。
そして、心ちゃんが準決勝の後、赤土さんに「決勝で勝つ方法!」を教えてもらうために、素直に下級生に頭を下げている姿が印象的だった。「つらよごしだよ」に始まり、登場当時は掴みどころがなく不遜な面もあるキャラだと思っていたが、赤土さんの力を認め、真剣な表情で赤土さんに教えを乞う一面は確かに彼女の素直さが見て取れて良かった。心ちゃんの優勝は『シノハユ』が友情と成長を一つのテーマとしている表れでもあったのかもしれない。
母は見ていた
そして、母の手紙を見た慕ちゃんが走り出すところで5巻は終了。初めて掴んだ母への手がかりを見て涙を浮かべる慕ちゃんの姿は心を締め付けるね。単行本派の方のためにネタバレは伏せるけれどここから更に物語が動き出す予感を覚えさせての引きは憎らしい(笑)。
ここ最近は『シノハユ』の感想記事が追いついていないので、何とか頑張ろうと思います。