家の庭に上がると全く濡れていない。木に吊るしたままの洗濯物が何事もない様に、憎たらしいぐらいにそのままだった。
玄関付近も水が来ていない。玄関前の階段の所ギリギリでおさまったようだった。
周りの家の人には悪いが、正直助かった、良かったと安堵した。
外回りを一見すると私の家の被害は、どこへ流されてしまったのか、見えなくなった車だけのようだ。
家の中に入り玄関先で濡れた重い服を全部脱ぎ、風呂場へ直行した。
風呂の残り湯をみると温かい。(水に比べればの話だが)一瞬入ろうかと思ったが、そんな事をしている時間はなく、手早く必要なものを用意する事にした。
家の中は静まりかえっていたが、そのうちなんだか妙な雰囲気になってきた。
耳を澄ますとミシッというか、何かの圧力がかかったような音がする。
雰囲気としては潜水艦が出て来る映画で操縦不能になり、圧壊深度にまで達してしまった時のような感じ。
と、突然台所の床下収納がボコッと大きな音を立てて飛び出した。
急いで玄関の方を見ると、さっきは来ていなかった水が、玄関戸のガラス越しにじわじわ上がって来るのが見える。
しまった、油断した、失敗した。正直終わると思った。
何をどうしていいかわからず、パンツ一丁のまま廊下を行ったり来たりウロウロした。
落ち着こうとしたが自分ではどうする事も出来ず、肩でゼェゼェと息をして、とにかく空気をたくさん吸おうとする状態になった。(恐らく過呼吸だったのだと思う)
このままじゃ死ぬと思い、とりあえず高い所へと二階へ駆け上がった。
二階の窓から線路の方を見ると、線路の上の人達にはまた水位が上がってきていることはわからないみたいで、(今更水位が50cm上がろうが気付きようもないし、大差はないのだが)私がパニックになっていることを知る訳もない。
役立たずと化した電話をとったり、地震で落ちているものを拾ったりと、何の意味もないことをしてみたがパニックはおさまらない。
色々とジタバタしながらまた下へ降りて、玄関越しに水位を確認したりしたと思う。
しばらくして水も落ち着いてきたように感じられたので、親父の薬をリュックに詰め、二階からプラスティックの衣装ケースを持ってきて、ヘッドライト、ドックフード、スキーウェアやその辺にあった防寒着、厚手のソックス、お菓子、携帯カイロ一袋、バスタオルなど、訳もわからずとにかく手当り次第に詰め込んでしっかりと蓋を閉めた。
相変わらず肩でゼェゼェと息をしていたが、一刻も早く家を脱出したかったので玄関で水位が下がったのを確認し、衣装ケースの上に長靴を乗せて家を出た。
ちょっと躊躇したが、どうせ濡れるしと思いパンツ一丁のままだ。
(しかも青のブリーフというかっこ悪いローテーションだった。)
外に出ると玄関付近は濡れてはいたが水はなかった。(水位変動の間隔は、思っている以上に早かった)急いで庭からよう壁を降りようとすると、やはりさっきより水位が上がっているのか、頭ぐらいまで沈みそうな気配だった。
衣装ケースを頭の上に乗せて行こうとしたが、とてもじゃないが重くてバランスをとれそうもない。
来る時見つけた椅子みたいなものがあるはずだったので、それを足で探ってよう壁を降り、衣装ケースをビーチ板のようにしてゆっくりと、上に乗せている長靴が濡れないようにつま先で地面を蹴って、ちょっと泳ぐように進んだ。
今度は裸だったので、水の冷たさは油断すると死ねるぐらいのダイレクト感だった。
玄関付近も水が来ていない。玄関前の階段の所ギリギリでおさまったようだった。
周りの家の人には悪いが、正直助かった、良かったと安堵した。
外回りを一見すると私の家の被害は、どこへ流されてしまったのか、見えなくなった車だけのようだ。
家の中に入り玄関先で濡れた重い服を全部脱ぎ、風呂場へ直行した。
風呂の残り湯をみると温かい。(水に比べればの話だが)一瞬入ろうかと思ったが、そんな事をしている時間はなく、手早く必要なものを用意する事にした。
家の中は静まりかえっていたが、そのうちなんだか妙な雰囲気になってきた。
耳を澄ますとミシッというか、何かの圧力がかかったような音がする。
雰囲気としては潜水艦が出て来る映画で操縦不能になり、圧壊深度にまで達してしまった時のような感じ。
と、突然台所の床下収納がボコッと大きな音を立てて飛び出した。
急いで玄関の方を見ると、さっきは来ていなかった水が、玄関戸のガラス越しにじわじわ上がって来るのが見える。
しまった、油断した、失敗した。正直終わると思った。
何をどうしていいかわからず、パンツ一丁のまま廊下を行ったり来たりウロウロした。
落ち着こうとしたが自分ではどうする事も出来ず、肩でゼェゼェと息をして、とにかく空気をたくさん吸おうとする状態になった。(恐らく過呼吸だったのだと思う)
このままじゃ死ぬと思い、とりあえず高い所へと二階へ駆け上がった。
二階の窓から線路の方を見ると、線路の上の人達にはまた水位が上がってきていることはわからないみたいで、(今更水位が50cm上がろうが気付きようもないし、大差はないのだが)私がパニックになっていることを知る訳もない。
役立たずと化した電話をとったり、地震で落ちているものを拾ったりと、何の意味もないことをしてみたがパニックはおさまらない。
色々とジタバタしながらまた下へ降りて、玄関越しに水位を確認したりしたと思う。
しばらくして水も落ち着いてきたように感じられたので、親父の薬をリュックに詰め、二階からプラスティックの衣装ケースを持ってきて、ヘッドライト、ドックフード、スキーウェアやその辺にあった防寒着、厚手のソックス、お菓子、携帯カイロ一袋、バスタオルなど、訳もわからずとにかく手当り次第に詰め込んでしっかりと蓋を閉めた。
相変わらず肩でゼェゼェと息をしていたが、一刻も早く家を脱出したかったので玄関で水位が下がったのを確認し、衣装ケースの上に長靴を乗せて家を出た。
ちょっと躊躇したが、どうせ濡れるしと思いパンツ一丁のままだ。
(しかも青のブリーフというかっこ悪いローテーションだった。)
外に出ると玄関付近は濡れてはいたが水はなかった。(水位変動の間隔は、思っている以上に早かった)急いで庭からよう壁を降りようとすると、やはりさっきより水位が上がっているのか、頭ぐらいまで沈みそうな気配だった。
衣装ケースを頭の上に乗せて行こうとしたが、とてもじゃないが重くてバランスをとれそうもない。
来る時見つけた椅子みたいなものがあるはずだったので、それを足で探ってよう壁を降り、衣装ケースをビーチ板のようにしてゆっくりと、上に乗せている長靴が濡れないようにつま先で地面を蹴って、ちょっと泳ぐように進んだ。
今度は裸だったので、水の冷たさは油断すると死ねるぐらいのダイレクト感だった。