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メヌエットとワルツ

2009年05月27日 | ピアノ・音楽

 コメント、前回の記事から再び入れられるようにしました。 

 3拍子の演奏が苦手だという方がピアノを弾かれる方には多いようです。でも聴くだけでもわくわくとして弾むような気持ちになる曲も多いですよね。ウィンナ・ワルツを聴くだけで幸せな気分になれたり。そのわくわく感が好きなので、私は3拍子は好きだし、演奏も苦手じゃないような気分になっていました。しかし、それは単なるうぬぼれだということが判明。苦手な3拍子があったことに気づきました。
  その名は

メヌエット

 そうなのです、3拍子=わくわくだとは限りません。ゆったりと優雅でありながらどっしりと存在感のあるメヌエットがあるのを忘れてはいけません。
 メヌエットといえば私には苦い出会いと思い出があります。バイエルにも載っている有名なメヌエットト長調が最初に出会ったメヌエットでした。『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』にも載っていて、作曲者はバッハではなく、バッハの友人であるクリスティアン・ベッツォルト(ドレスデンのオルガスト)かもしれないという説もながれているあの曲。幼稚園のときに習ったのだけど、何ができていないのかもわからず叱られつづけ、最後は合格できないまま先生が交代した苦い思い出のある曲です。
 そして今も、優雅な曲だというのは分かるのだけど、演奏してもどうもしっくりこないというか。。。あまりにも自分の実態とかけ離れているからかしら。
 でも気を取り直して、メヌエットの定義を調べてみました。

メヌエット(Wikipedia)
 ヨーロッパの舞曲のひとつ。4分の3拍子で、各小節の1拍目にアクセントが置かれる。比較的ゆったりしたリズムで優雅に踊られる宮廷舞踏である。

演奏のための楽典」 より
 16世紀頃に、フランスの田舎の踊りとして起こったものです。 Menuettは「小さいステップの踊り」を意味しています。踊るときのステップが小さいことから名付けられたもので、フランス語の形容詞、menu(小さい)がその語源です。 17世紀の中頃、ルイ14世によって宮廷の公式舞踏として採用され、ルイ14世が自ら踊って以来、上流社会の典雅な円舞として、急速にヨーロッパ全土に広まったと伝えられます。 テンポとしては、かつらが滑り落ちる心配がなく、ロングスカートの裾を踏んでつまずくこともなく、小さなステップで優雅に踊れる、比較的ゆったりしたテンポが最もふさわしいものです。

チェンバロの教材より
 一連のメヌエット・ステップは6拍からなり、2拍目と6拍目に少しひざを曲げる動作(プリエ)をします。貴族たちは宮廷で開かれる祝祭や婚礼に伴う舞踏会で踊らなければなりませんでした。

 というわけで、宮廷で踊られるゆったりとした優雅で上品な踊りなのですね。ステップは小さく、3拍のように思えて実は踊りの面から考えたら6拍からなっていると。ロングスカートのプリエつきの踊りのイメージを思い浮かべる必要がありますね。

 でも3拍子にはわくわくする曲もあります。演奏のことは度外視してやっぱりこの曲は楽しいです。

ワルツ

ワルツ(Wikipedia)
 ワルツまたは円舞曲とはテンポの良い淡々とした舞曲、及びそれに合わせて踊るダンスのことである。舞曲としてのそれは3拍子であるのが一般的である。西オーストリア・南ドイツ(ハプスブルク帝国)起源で、13世紀頃から今日のチロル州とバイエルン州の農民が踊っていたヴェッラー(Weller)というダンスから成立した。(言葉自体はフランス起源という説もある)。

演奏のための楽典」 より
 ワルツの前身レントラーから発展しました。レントラーはゆったりとしたテンポの曲で、オーストリア、バイエルン、ベーメンなどの地方で踊られていた田舎風の素朴な舞踏です。19世紀半ばまでレントラーはハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンをはじめとして書かれていたが、ワルツの流行によって、急速にすたれてしまいました。 初期のワルツは、比較的速度の遅い優雅な舞曲でしたが、その後19世紀後半から20世紀にかけて、さまざまなワルツが誕生しました。比較的速いテンポで、独特なニュアンスを持ったウィンナー・ワルツは、1811年に初代ヨハン・シュトラウスによって作られました。

 聞き捨てならない情報がありました。ハイドンの時代にはいわゆるワルツらしいワルツはなくて、もっとゆったりとしたレントラーが書かれていたのです。ワルツらしいワルツが書かれるようになったのは、それこそ19世紀はじめ、ヨハン・シュトラウスが登場してからだったのですね。そうなると、ハイドン時代に書かれていたレントラーというものがどういうものか気になってきました。レントラーとメヌエットを比べてみたいです。メヌエットは優雅でかっちりしている一方、レントラーは躍動感がありそうな感じ。そういえばチェンバロ演奏のレントラーってあるのでしょうか。
 メヌエットとワルツ、同じ3拍子でありながら、由来も誕生した時期も全く違います。比較するのはあまりにも乱暴かもしれないのですが、どちらも弾くことになりそうなので、この機会にと思って比較してみました。  

追記)
モーツァルトが作曲したメヌエット、レントラー、ワルツが入っている興味深いCDがあるのを見つけました。楽器もユニークです。
モーツァルトと民衆の音楽(1) トビアス・ライザー・アンサンブル

レントラーですが、シューベルトもレントラー舞曲集D378というのを作っています。


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