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一日一生

2009年04月09日 | 読書
一日一生」という本。著者は比叡山に千日回峰行を二回成し遂げた超人的な僧侶、酒井雄哉師だけど、書かれていることばが本当にやさしい。勉強もできなかったし、戦時中は予科練に入隊したものの優秀でなかったために生き延びたし、いじめもしたし、仕事もいまいちだったし、結婚生活も悲劇で終わったりと、悪いことばかりだったけど、縁があって比叡山に登ったことが運命のはじまりだったという。語り口もやさしくユーモラスで、酒井さんはえらい僧侶というよりも気さくなおじいちゃんのように思えた。
 そこから得た人生訓には「一日が一生、と思って生きる」「身の丈に合ったことを毎日くるくる繰り返す」「足が疲れたなら、肩で歩けばいい」「人からすごいと思われなくたっていいんだよ」「ゆっくりと、時間をかけて分かっていくことがある」などがあった。なんだか元気付けられそう。
 今の季節にぴったりだと思えたのが「桜は、精いっぱい咲いている」だ。酒井さんは、「今年も桜が咲いたな」と思ったら、「明日また来ます」って桜に言いながら歩くそうだ。桜には、日本人独特の悲壮感のようなものがあるのだけど、桜にしてみたらそんなふうに思われたくないのではないか、という気が酒井さんはしたそうだ。散ったからといって、寂しがることはない。桜は、いい花にさいて、みんながお花見に来てくれて「今年も咲いた咲いた」って、みんなに喜んでもらうことに、咲くっていうことに意味を感じて、誇りを持っているんじゃないかって。よし、来年はもっといい花を咲かせましょうってね。
 いつの間にか本文の引用になってしまいました。すみません、酒井さん。でも本当にいい本でした。ここまで悟る境地には、私はまだまだ至っていないけど、元気が沸きました。他の方のブログを見て気づいたのだけど、今日(昨日)はお釈迦様の誕生日だったのですね。いいタイミングでであえました(^^)

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