goo blog サービス終了のお知らせ 

いろはにぴあの

メッセージ欄を設けました。

tenuto(テヌート)、sostenuto(ソステヌート)、ritenuto(リテヌート)

2010年02月03日 | ピアノ・音楽
 写真の楽譜は即興曲2番前半の展開部が始まるところで、「sostenuto(ソステヌート)」と書かれている。「sostenuto」と言えば、そういう機能を持つペダルの存在に遅かりしながら感激した間抜けな思い出があるのだけど、そもそも「sostenuto」ってどういう意味なのだろう。そして「tenuto(テヌート)」、「ritenuto(リテヌート)」との共通点と違いはどこにあるのだろう? 
 まず最初に共通点からいこう。どの言葉も「保持する」という意味を持つ「tenuto」で終わっている。
 では違いは?
 そう思っていたら、「これで納得!よくわかる音楽用語のはなし」という本に、かなりくわしく書かれていた。結論から行くと

tenuto 上から保持する
sostenuto 下から保持する
ritenuto 再び保持する

 まず「tenuto」から行こう。「tenere(テネーレ)」という動詞が原形で、「保つ」「逃げないように、落ちないように手で押さえる」「何かを保持する」という意味だ。
 「sostenuto」の原形の動詞は「sostenere (ソステネーレ)」で「下から支える」という意味で、語源はラテン語の「substinere (スブスティネーレ)」から来ている。接頭辞の「sub」は、英語で言うと下付き文字「subscript」の略語になっていることからも分かるように、「下の」という意味を持つ。例えば「subway」は「地下鉄、地下道」、「submarine」は「潜水艦」、「subtitle」は「副題」、「support」は「下から支える」となる。だれかを後押しする、援助する、高い品格、気高さ、ものものしさ、傲慢という意味も持っている「sostenuto」。。。今までとらえていたのとかなり違う感じがしてきた。「tenuto」が音符をしっかりつかみ、しがみついている様子を表す一方、「sostenuto」は下から音を大事に支えるという意味になる。大事に支えるのだから、テンポもずんずん突き進んではいけない、注意深くしないといけないのだ。ちなみに即興曲のこの部分、いつの間にかずんずん突き進むように弾きそうになっていた。。。まずいまずい、非常にまずい。もっと大切に支えるように弾かなくちゃ。たとえ左手のオクターブのところは弾くだけで大変だとしても。
 「ritenuto」は「ただちに速度を緩める」という意味とされているが、「tenuto」がついていることから、「保持する」という意味が含まれている。それに「ri」がつくことによって、「強調」の意味が加わる。「自制して慎みを持って、思慮分別に欠けることなく控えめに」となると、速度も遅くなる。徐々にではなくてその部分だけ遅くなる、というのが加わるけれど。(なぜ徐々ではなくてその部分だけなのか、というのは今の時点では不明。分かったら書きます)徐々に遅くなる「ritardando(リタルダンド)」とは違い、急ブレーキをかけるように遅くなる、ということから、遅い状態を一気に保持、ということなのだろうか。

注 )ritenutoのスペルと意味を修正しました。気をつけたいです(^^;)

最新の画像もっと見る