「この手が外れたら矢内さんを諦めます」

2017-12-09 13:59:39 | 将棋
12月5日第30期竜王戦第5局が行われました。

戦型は角換わり腰掛け銀の最新型(△6二金 8一飛車型+端歩を受けない)になりました。

1日目の37手目に、先手の羽生が指した▲4五銀と言う銀ぶつけは、今までの定跡では成立しないと言われていた手でしたが、結果的に「この手は成立する。」と結論付けられました。

この手を採用した理由は「やってみないと解らない」からだそうです。
この大一番で「アレやってみよう!」と考える探求心が凄いなぁと思います。

渡辺棋王のブログを読んだら「1日目からすでに悪く、2日目の午後からはずっと投了のタイミングを考えていた」という様な事を書かれていました。  

最初から最後まで攻めきった羽生さんはこの対局も制し、竜王を奪取。

長い将棋界で前人未到の永世七冠を達成しました。

しかも現役タイトルホルダーの中で唯一の二冠王、序列も6位から1位への大幅アップとなりました。

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去年1月の時点で四冠王だった羽生さんは、今年の夏には棋聖の一冠だけに後退していました。

名人、王位、王座を失った時は「こうやってだんだん第一線から退いて行くんだろうなぁ」と失礼な考えが頭を過る程でした。

正直、竜王戦挑戦者決定戦まで残れたのも意外に感じましたし、第3局は最終盤まで捻りあいが続き、「ひょっとしてダメかも」と思いました。それだけに応援しているだけの身としても、この竜王奪取は喜びも一際大きいです。

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永世七冠の他に、獲得タイトルも99期になりました。もし王位か王座を防衛して、竜王奪取していたら、「永世七冠王+タイトル100期」という大偉業達成だったんですけど、タイトル100期は来期に持ち越しですね。

あと羽生さんのタイトル一冠いじょうの保持日数が9700日らしく1万日の記録も確定しているそうです。

ここまでくると次元が違い過ぎて可笑しくない恐ろしいですね。

前回の竜王挑戦時(2008年)は、第一期安部政権で「もし永世七冠が達成されたら、国民栄誉賞を」と安部さんは考えていたそうです。今回永世七冠が達成されましたが、菅官房長官が言うには「現時点でその予定はない」そうです。

もしかしたらタイトル100期で栄誉賞かもしれないですね。そうなると早くても来年の夏あたりでしょうか。

佐藤先生も仰有っていたように、「少しでも長くタイトルを保持して欲しい」と思います。

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本日の名言
「将棋という物の本質をまだ全く理解していない」by 羽生善治竜王棋聖

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