FAR SKY (遠い空) 世の中の本質を自分なりに・・・

遠い空には何が見えるのだろう。若者には輝く未来が。関西弁おっさんにはオネーチャンの優しい笑顔。遠いあの空はどこに行った。

いこかもどろか(14) 死ぬほど苦しくなってきた

2016年01月18日 03時25分22秒 | 日記


週末ともあって台中の町は賑わっていた。バイクの狂った爆音。こえがママチャリならぬママバイなのが悔しい。中国は自転車からいきなり自動車に変わっていった。経済開放とともに日欧米の自動車メーカーがその広大な市場を求めた。中国企業も軍事産業から民需への転換を図り国産セットメーカーも成長し、ママバイの時代はスルーとなった。一方、ベトナムや台湾はその限定的な市場のため自動車の国産化がなされず、自家用車の高額なままの存在が継続され、いまだにママバイの天下が続いているのかもしれぬ。
そんなことを考えながら、俺は台中駅のプラットフォームのベンチでマックの袋を開けていた。




俺が食べようとすると傍らに何か動くものが居る。慌てて横を向くとそこには犬が俺のマックを狙っている姿があった。げっ。反射的に立ち上がった俺はマック袋を地面に落としてしまった。犬は袋に飛びついた。気味悪く光る舌をうごめかせて犬は袋を食いちぎった。俺は犬から袋を奪い返す気力もなく犬から立ち去った。

くそう、どうするべ!
先ほどくじいた左足が痛む。痛む。
医者にかかるか? 今から?
どこで? 




そうだ。清水へ行こう。
あそこには確か医者がいた。水虫治療の看板を出していたあの医者だ。

わたしは空腹と足の痛みを抱え、夜汽車に乗った。




つづく


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