僕はネコのタイ
赤ちゃんのときにおうちに連れられてきてから今年9歳になる
僕がケンカ好きだからって、おうちから出かけさせてもらえない
この9年近くの間におうちから出られたのはたった数回
だからおうちが僕のお城 階段の昇り降りがだいすき
よそのおうちの子はパパとママに愛されてるらしいけど
僕のおうちはおにいたまとおねえたまと弟の僕の3人暮らし
どうもよそのおうちと事情が違うらしい
よその子はネコジャンプやネコパンチをよくするらしいけど
僕はネコジャンプはしないし、ネコパンチもおにいたまとおねえたまには負ける
なんでもこの町には18万匹も僕と同じようにおうちにいる子がほとんどなんだってね
それで僕はおうちにいることに納得したんだ
僕はおねえたまと母子のポーズでベッドで寝るのがだいすき
いっしょに寝るから「寝子」っていうんだよ
おねえたまへの僕からの愛情表現はぺろぺろ舐めることと甘嚙み
僕はおうちへきてから人用のトイレを観察したり、エアコンというものを知ったり、どうも電気?というものがあることを知っている
おかげで僕は暑い夏も寒い冬も快適
おにいたま、おねえたま、ありがとう
よその子のおうちもネコのお城なのかな
ずっとおうちにいるだけだから、僕はすっかりおうちの主(ぬし)
死ぬまでずっとおうちにいる
ずっとおにいたまとおねえたまの弟だよ
きっと長生きして、ずっとおにいたまとおねえたまの弟だよ
おにいたまとおねえたまが2本足で作業してるのを僕は座って眺めてる
おにいたまとおねえたまのおうちはタイが主(ぬし)のお城なんだ