やあよのブログ

コツコツと詩を書いています。楽しく読んでいただければうれしいです。

リトル・タク、キング・タイに負けて出る

2024-05-30 05:52:42 | ポエム
 子ネコの男の子の拓ちゃんがうちに来て、1週間経ちました。拓ちゃんは7か月。先住ネコの男の子の太ちゃんはそろそろ11歳です。人の年齢で言うと拓ちゃんは2歳、太ちゃんは43歳です。拓ちゃんはまず、里親のわたしに慣れるより、太ちゃんに慣れました。最初、太ちゃんの立派な体格に負けて出て、太ちゃんがちょっかいを出してもじっとしていました。賢い拓ちゃんは負けず嫌いではないのです。さらに、太ちゃんの堂々たる運動神経に敬服し、太ちゃんに憧れている様子でした。
 その日から拓ちゃんの太ちゃんへのストーキングがはじまりました。子ネコらしい愛らしさで太ちゃんを追いかけまわし、すり寄るのです。太ちゃんは追いかけられて多少迷惑で、逃げるようにいなします。太ちゃんがあしらっても、子ネコの拓ちゃんは大人の太ちゃんの気持ちがわかりません。太ちゃんは太っ腹で、そんな拓ちゃんの相手をしてあげることにしました。ビッグ・ダディ・タイです。リトル・タクは元気がよすぎて、ビッグ・ダディ・タイも大変です。「太ちゃん、ビッグ・ダディはやめれば?」とわたしは太ちゃんに言いました。ビッグ・ダディなんて、太ちゃんの穏やかな生活が損なわれますし、家ネコの王者たる個性も失われます。
 太ちゃんはわたしの助言を聞いて、ビッグ・ダディをやめました。リトル・タクをキリのいいところでまたたびを置いたケージに入れて、同じリビング内で隔離します。タフなキング・タイがO.K.なようだと、ケージの扉を開けてリトル・タクをリビングに出します。
 キング・タイは感情の出し惜しみがないので、リトル・タクの顔中を舐めて、平伏してお腹を見せたリトル・タクの脇腹を軽く噛みました。これで師弟関係の成立です。ソクラテスとプラトンのように、兄弟や親子というより師匠と弟子でやっていくのでしょう。リトル・タクもキング・タイのような立派なネコになりたいのです。


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