よろず放談

日頃見聞きする種々の事柄に対しての独断と偏見による辛口批評

横文字遍歴(ローマ字,英語)

2005-05-07 12:59:13 | 外国語
生来横文字が好きである。それは物心がついた幼時から始まる。

父は岐阜県の農家の長男に生まれたが、農夫の生活にあきたらず

同郷の親戚で一宮市に出て織物商で成功した人を頼って丁稚奉公をつとめ、

一人前になって独立し自前の織物商店を開いた。小学校しか出ていないが

どこで覚えたのかいろんなことを知っていた。習字も得意で、巻紙片手に

毛筆ですらすら手紙を書いた。新しがり屋で今でいう七半のAceという

オートバイを乗り回していた。外国産のオートバイのカタログがあったらしく

ハーレーダビットソン、インディアン、エースなどという名前を何時とはなしに

聞き覚え、得意になってしゃべりまくったらしい。”毛唐だ毛唐だ”とからかわれて

真顔になって否定したそうだ。

昭和二年小学校に入学。一年生のときは石版に石筆で字を書いた。二年生から鉛筆

で紙に字を書いた。下敷きはこのごろのようなプラスチックではなくて、ブリキ

製で縁取りがしてあり、長方形の両面にはいろんなことが印刷してあった。

掛け算九九、割り算九九、各種の度量衡単位の変換、そしてヘボン式ローマ字。

割り算九九は算盤をやらない者にはチンプンカンプンでついに覚えなかった。

しかしローマ字は何の抵抗もなく頭に入った。高学年になると日本語の文章を

自由自在にローマ字で書くことができた。

中学校に入って初めて英語に接したが、ローマ字の下地のお陰で少しも違和感

がなかった。英語の時間は楽しくて、進度の遅さにいらいらした。

四年生のときだったか、副読本にジャガイモの話がのっていて、その中に

pomme de terre ポムドウテルというフランス語とErdapfelエルダッペル

というドイツ語が出てきて、その目新しい綴りと発音に興味をそそられ

早くいろいろな外国語を習いたいと思ったことを、しみじみ思い起こす。