二宮正治の世界2です。

悩める人達のためのブログです。

二宮正治小説:心の旅路の果て:第50回

2014-11-27 13:12:16 | 日記

「死にたい」

 啓二はため息混じりにこう言った。

かおるは今はやりのギャグ、

「ダメよダメダメ」

 こう言ってみたが啓二は笑わない。

それどころか、

「ぼくは生ける屍になってしまった」

 こう言ってまたため息をついた。

「もうぼくの記憶は蘇らないのだろうか」

 啓二は首をうなだれる。

「自分の娘も思い出せないなんて」

 かおるは啓二の背中をさすりながら、

「必ず思い出せるから。私がついている」

 かおるのこの言葉に初めて啓二は笑みを浮かべて、

「ありがとう」

 こう言葉を返した。

 

*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして描いています。


二宮正治小説:心の旅路の果て:第49回

2014-11-25 05:38:24 | 日記

 ある日啓二はかおるの家を訪ねて来た。かなりお酒に酔っている。

「どうしたの、何かいやな事があったの」

 かおるが心配そうに聞くと、

「ぼくは今日『おとうさん元気』と知らない子供に言われたんだ。その女の子はぼくの娘だった。全然思い出せない、情けない」

 啓二は大粒の涙をこぼし始めた。

「あなたは大きな事故に遭って記憶を失っているんだもの、思い出せないのも無理はないわよ」

 こう言うとかおるも大粒の涙をこぼし始めた。

「ぼくに毒を盛ってくれないか」

「何を言うの急に」

「もう死にたい」

「だめよそんな事言ったら」

 二人は抱き合って声をあげて泣いた。

「生き地獄だ」

「がんばらないとダメ」

 かおるは必死で啓二をなぐさめる。

 

*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして描いています。


二宮正治小説:心の旅路の果て:第48回

2014-11-17 05:43:08 | 日記

 ひろ子とかおるはしばらくにらみ合っていたが、

かおるは、

「啓二さんは私の彼氏です。手を出してもらっては困る」

 こう言って席を立った。

「勝手な事言わないでよ」

 このひろ子の言葉に、

「勝手な事言ってるのはどっちよ」

 とかおるは大声で言い返した。

「この勝負は私の勝ち」

 こう言うかおるの背中から、

「さあ、それはどうだか」

 とひろ子が言葉を投げかけた。

かおるはもう何も言わず、その場を後にした。

ひろ子は自分に言い聞かすように、

「ふん、負けるもんか」

 こう言うのだった。

 

*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして描いています。


二宮正治小説:心の旅路の果て:第47回

2014-11-16 04:14:00 | 日記

「かおるさんって魅力的だからすぐ彼氏ができるわよね」

 ひろ子は微笑んでかおるにこう言った。

「それどういう意味」

 かおるは鬼のような形相でひろ子に詰め寄った。

「そんなに怒らないで。あなたが魅力的だってほめたんだから」

「だから啓二さんから手を引けっていうの。冗談じゃない、絶対に引かないわよ」

「そんな事言ってないわ」

「言ってんじゃないのよ」

 かおるはまた激しくひろ子を睨んだ。

そして、今度は静かに、

「ひろ子さんこそ私よりずっとずっと魅力的だわ。啓二さんと別れてもすぐ彼氏が出来るわよ」

 こう言葉を返す。

今度はひろ子がかおるを激しく睨んだ。

二人は無言のまま睨みあった。

 

*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして描いています。


二宮正治小説:心の旅路の果て:第46回

2014-11-15 06:46:28 | 日記

 かおるはひろ子を激しく睨んだ。

ひろ子も睨み返す。

二人とも負けてはいない。

「啓二さんは私のもの」

 このひろ子の言葉に、

「ふん、ほざくな」

 かおるがこうやり返す。

「かおるさんって男性にもてそうだから別に啓二さんじゃなくてもいいわよねえ」

「何を勝手な事を」

「私は啓二さんを愛しているのです」

「私だって啓二さんを愛していますよ」

 ひろ子とかおるはまた睨みあった。

「私はこれからも啓二さんを愛しますので」

 このひろ子の言葉に、

「私だって」

 かおるが激しくやりかえす。

 

*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして描いています。


二宮正治小説:心の旅路の果て:第45回

2014-11-08 08:39:58 | 日記

「必ず、かおるさんは反撃に出てくる。私が先に仕掛けよう」 

ひろ子は勝負に出る事にした。

 啓二には黙ってかおるを呼び出した。

そして単刀直入に、

「啓二さんは私のものです。納得してくれますよね」

 こう切り出したのだ。

この言葉を聞いたかおるの顔はこの世のモノとは思われないほどの恐ろしい顔になった。

「何をいきなり言い出すのです」

 かおるは物凄い形相でひろ子を睨んだ。

「啓二さんは私を好きだと言っている」

「うそばっかり」

「私じゃないとダメと言っている」

「作り話はやめて」

 二人は激しくにらみ合った。

 

*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして描いています。


二宮正治小説:心の旅路の果て:第44回

2014-11-07 07:06:48 | 日記

かおるの、

「啓二さんに逢いたい」

 この申し出を断り続けてた啓二はこの時、

毎日のようにひろ子に逢っていた。

「ああ啓二さんは私のもの」

「うんそうだ」

 ひろ子は今や完全に啓二の心をつかんでいた。

「もうあなたを誰にも渡さない」

 ひろこは全裸の啓二の上にまたがって、

啓二の上半身を愛撫し始めた。

「うん、うーん、うーん」

 啓二が激しくあえぎ始めた。

その声を聞いてひろ子も激しくあえぎ始めた。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」

 激しい声だ。

 

*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして構成しています。