時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

晩秋の四国瀬戸内巡り-6~小豆島・醤油蔵見学

2013-02-11 12:50:31 | 四国/日本
 景勝地・寒霞渓(かんかけい)からの絶景を楽しんだ後は、再び海辺へと山を下り、伝統的な製法を続けている醤油蔵を見学しました。

 島巡りにチャーターしたタクシーの運転手さんの話から、小豆島は醤油の醸造が盛んな「醤油の島」でもあることを、初めて知りました(^^;

 そんな「醤油の島」でも、昔ながらの樽でじっくり仕込む伝統的な製法を続けている醸造蔵はとても少なくなってしまったとのこと…そんな蔵の1つに案内していただき、見学後にさせていただいたテイスティングで、大切に作られた醤油達の衝撃的な美味しさに目を丸くしました!

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 寒霞渓からの眺めを存分に堪能し、再び海沿いの町へと山を下りてきました。

 車窓からは、見頃を迎えた紅葉に覆われた岩場を有する、壮大な山並みを望むことができました。



 狭い路地を通り抜けて、醤油を醸造する大きな樽が出迎えてくれた、ヤマロク醤油に到着しました。



 昔ながらの伝統的な製法で醤油を作り続ける、小豆島でも数少なくなった醸造所です。

 こちらで、醤油を仕込んでいる樽を見学させていただきます。



 建物に入ると、醤油等の販売コーナーがあり、そのすぐ奥が蔵となっていました。
 蔵へは、五代目ご主人自ら、説明を交えながら案内してくださいます。

 高さが大人の背丈よりも高い、大きな木のもろみ樽がいくつも並ぶ蔵の中は、既に食欲を擽る醤油の良い香りが充ちていました^^
 素人目にも、長年にわたってここで醤油を仕込み続けてきたことが分かる、歴史を感じる古い蔵でした。



 樽の上部へと渡された木の階段を上って、樽の上へと案内されました。

 下から見ていたたくさんの樽のさらに奥にも、同じ位多くの樽があることにビックリ!

 仕込み中の醤油に満たされている樽を見て、その大きさを改めて実感しました。
 上記リンク先のヤマロク醤油さんのサイトによれば、この樽1つは容量が三十二石(約6,000リットル)の大杉樽とのこと。
 既に150年は経過しているのではないかといわれているそうです!



 樽によって、まだいっぱいに満たされているもの、かなりの量が汲み出されたもの…様々でした。



 完全に底が見える状態となった樽もありました。

 この樽にも、長年仕込まれてきた醤油が染み込んでいるのでしょうね^^



 古い蔵の壁、梁、天井は、醤油の醸造に欠かせない酵母菌や乳酸菌等の菌類でビッシリと覆われています。
 酒蔵と同じですね。

 この蔵も、建てられたのは明治初期とのこと(ヤマロク醤油さんのサイトより)で、長い年月を閲してきた蔵や樽に同じように棲み着いてきた、たくさんの菌達が醤油を作り上げてきたのですね^^



 このように、樽の側へ近寄って見ると、表面はボロボロのように見えますが、この中に菌が棲み着いていて、触るとフンワリとした感触でした。



 蔵の土間にも、もちろん菌がたくさん生息しているとのこと。

 長年培われてきた環境を保ち続ける、素敵な醤油蔵の見学でした(^o^



 見学を終えると、ヤマロク醤油さんで作られている醤油達の、利き酒ならぬ利き醤油をさせていただきました♪

 丹波黒豆を贅沢に仕込んだ「菊醬(きくびしお)」、出来上がった生醤油に塩以外の原料を加え再び仕込む再仕込みの「鶴醬(つるびしお)」、旨味成分を100%保つために無殺菌無濾過で冬季限定生産である「搾ったまんまの鶴醬」等々、味見をさせていただきます!

 …小指の先ですくった程の量だけでも口に入れた瞬間、その濃厚なコクのある美味しさに驚愕とすら言える程の衝撃を覚えました!
 今まで日常的に使ってきたものとはまるで別物、同じ「醤油」と呼ばれる名称であるとは信じ難い味、コク、香り…全てが際立つ美味しさでした!!

 「何にもつけずにこの醤油だけ味わってもいい!」とすら感じた、素晴らしい醤油達です!

 ほんの一滴程の量でしたが、このテイスティングで空腹感が一気に高まりましたw



 その醤油をベースにしているのですから、美味しくないわけがない「ちょっと贅沢なぽん酢」と「菊つゆ」。

 すだちとゆずの果汁を多めに含ませた「ちょっと贅沢なぽん酢」のスッキリとした風味も、これだけで飲んでもみたい衝動に駆られる美味しさで、「菊つゆ」もこれを使った煮物やうどん等を想像するだけで益々お腹が空いてくる、円やかな風味がもう堪りませんでした!



 テイスティングだけで済ますには余りに惜しい醤油達…もちろんお買い上げです♪

 この先まだまだ旅を続けるので、開栓前も要冷蔵(濾過で菌を除去していないので発酵が止まっていない「生きた醤油」であるため)な「搾ったまんまの鶴醬」(販売コーナーでも冷蔵ケースに入れられていました)は泣く泣く諦め(TT)、「鶴醬」と「ちょっと贅沢なぽん酢」のそれぞれ小瓶を購入しました。

 大満足の、夢のような醤油蔵の見学でした!

 思っていた以上の素晴らしさを次々と披露してくれる小豆島、益々好きになってしまいました^^



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6 コメント

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Unknown (プー太郎)
2013-02-11 18:32:13
スーパーで売っている市販のお醤油は薄味を買っても味が強いです。普段お醤油をあまり使わないので日本に行くと初めの三日間は平気なのですがその後いただくもの全てにお醤油味がしてお醤油の入っていないもの(サンドイッチ等)がむしょうに食べたくなってしまいます。
お醤油といっても色々異なるのですね。ヤマロク醤油だったらまろやかな味と香りで私でも楽しめそうです。鶴醬をぜひ味わってみたいです。
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プー太郎さん。 (taろう)
2013-02-11 19:50:03
醤油は日本でも最もポピュラーで毎食のように摂取する調味料なので、おそらく私達の体には醤油の香りが染付いていて、外国在住の方からは醤油くさく感じられるかもしれませんねw
醤油は日本の中にいると、空気のように意識するまでもない位のポピュラーな調味料なので、その風味に特段気に留めることもないのですが、ヤマロク醤油さんがお作りになった醤油達のコクの凄まじさに、これまで使っていた大量生産の醤油がまるで別物に思えてしまいました!
本当に、プー太郎さんにも是非機会を設けて小豆島へお越しになっていただきたい位にお勧めしたい、素晴らしいお醤油でした^^
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Unknown (kiki)
2013-02-11 22:31:08
たかが醬油と思っては大間違いですよね。お醤油ってピンキリで大衆安価醬油とこだわりのお醤油はまるっきり別物。我が家も以前小豆島のお醤油を頂いた事があるのですがそのコクとまろやかさに家族一同「全然違う!」と叫んだことがあります(笑)あれはどこのお醤油だったのか記憶がありませんが、生きた醬油、試してみたいです!
直売所、買わずに帰れるはずは無いですよね~^^
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kikiさん。 (taろう)
2013-02-12 06:58:35
全くkikiさんの仰るとおりで、同じ「醤油」と呼んではいけないように思えた位の、私のような素人の舌でもその差は明らかな、全くの別物でした!
食品関係であまりの美味しさにここまで驚きの域に達したのは、多分この醤油達が初めてではないか、とすら思えました。
生きたお醤油は冬季&直売限定ですが、機会があれば是非小豆島をお訪ねになって、その風味をお試しになってみてください^^
他の醤油等は、ヤマロク醤油さんのサイトから取り寄せ可のようですね♪
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Unknown (タヌ子)
2013-02-15 08:33:01
醤油蔵、かなり香りが強そうな気がしますが、良い香りなのですね。
きっと木の香りと混ざって、お醤油独特の強い匂いが緩和されてるのでしょうね。
最近はワインも木の樽ではなく、金属製の樽で作られることが多くなり、味に丸みがなくなってきた気がします。
美味しいなと感じるものを見ると、樫の木の樽で寝かされたと書かれているので、木は発酵物には欠かせないものなのでしょうね。
こんな蔵を訪れたら、絶対手ぶらでは出られませんよね(笑)
お寿司屋さんで醤油をお皿から溢れんばかりにドボドぼと入れるフランス人には、こんな美味しいお醤油は勿体なくて食べさせられません!
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タヌ子さん。 (taろう)
2013-02-15 23:19:05
流石にお醤油を醸造する蔵だけあって、醤油の香りに満ちていましたが、子供の頃に見学した大きな醤油工場の大豆臭いにおいとは違って、香りからも円やかさやコクが感じられるように思えた、良い香りでした!
蔵に入ってこの香りをかいで、まずお腹が空きましたw
後のテイスティングで、空腹感が更に増幅されました;
ワインもお醤油も、共に金の力を借りて醸造するものなので、樽の木からも良い影響が及ぶのを、昔の人は経験で知っていたのでしょう。
金属では、確かに衛生管理等優れているのでしょうが、感性で感じる味わいを出すには、やはり長年の経験から選ばれた天然の素材には及ばないのかもしれませんね。
こちらのお醤油達はとても風味豊かなので、少量だけで十分美味しいと、蔵のご主人も仰っていました。
フランスの方々には、タヌ子さんが「お醤油大使」として適量を伝授する必要がありそうですね(^^;
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