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地球の5.5倍―最も軽い系外惑星を発見

2006-01-31 23:55:16 | 最新ニュース
ニュース#89

名古屋大学の太陽地球環境研究所のMOA実験グループが、OGLEグループ、PLANETグループ等、各国観測チームとの共同観測で、地球の5.5倍程度の質量を持つ太陽系外惑星を発見しました。
これはこれまで発見された中で最小で、地球のように固い地面を持つ地球型惑星だと考えられます。
今回使われた方法は重力マイクロレンズ現象といって、惑星の重力によって背後の星が増光する現象を観測するというものです。
点状にしか見えない恒星が、他の恒星の前を横切る確率は非常に低く、100万個の星を毎晩観測してようやく1つ見つかる程度で、その恒星が持つ惑星によって小さな重力マイクロレンズ現象が起こる確率はさらに低くなります。
過去に同様の方法で発見された惑星は2つしかありませんが、現在の技術で小さな惑星を発見する方法は、この重力マイクロレンズ法以外にありません。
MOA実験グループは、一昨年ニュージーランドに新望遠鏡を建設し観測を開始していましたが、惑星が発見されたのは今回が初めてです。

上の画像は、実際に観測された星の明るさの変化です。
横軸が時間、縦軸が明るさです。
手前を通った恒星の重力がレンズのように働き、星の明るさが増しているのが分かります。
山の下り坂の途中で、再びわずかに明るくなっていますが、これが惑星の重力によるものです。
明るさの変化から、重力の強さ、つまりは惑星の質量が推定できるというわけです。



下は恒星及び惑星のデータです。

恒星
名称        OGLE-05-390L
距離        6600 (± 1000) pc
スペクトル型   M
質量        0.22 (± 0.1) Msun
赤経        17 54 19
赤緯        -30 22 38

惑星
名称        OGLE-05-390L b
質量        0.018 (± 0.01) MJ
軌道長半径    2.6 AU
公転周期     3800 days

重力マイクロレンズによる地球質量の5.5倍の低温の惑星の発見
http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/div3/moa/o390/

Discovery of a Cool Planet of 5.5 Earth Masses Through Gravitational Microlensing (Nature Free-test)
http://arxiv.org/ftp/astro-ph/papers/0601/0601563.pdf

Discovery of small, rocky, extrasolar world suggests such planets may be common
http://planetquest.jpl.nasa.gov/news/rocky_planet.cfm


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1 コメント

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TB (tatsushi)
2006-02-01 17:42:38
はじめまして、おもしろかったのでTBさせて頂きました。
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