やぎの宇宙ブログ

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1月下旬のニュース

2009-02-01 22:49:56 | 最新ニュース
1月下旬の宇宙関連ニュースです。

★の数は私の勝手な注目度です。






★★若かったモスクワの海

モスクワの海(1/3)
http://wms.selene.jaxa.jp/selene_viewer/jpn/observation_mission/tc/tc_025.html

モスクワの海(2/3)
http://wms.selene.jaxa.jp/selene_viewer/jpn/observation_mission/tc/tc_026.html

モスクワの海(3/3)
http://wms.selene.jaxa.jp/selene_viewer/jpn/observation_mission/tc/tc_030.html



月面ではクレーターが風化を受けにくいので、年代が古い地表程長期間隕石衝突にさらされるため、クレーターの密度が高いのが特徴です。
逆に、クレーターの密度を測定すれば、地表の年代を推定することができます。
日本の月探査機「かぐや」による月の裏側にあるモスクワの海の詳しい観測で、モスクワの海の形成時期はこれまで考えられていたよりもずっと新しい約25億年前であったことが発見されました。
これは、マグマの噴出がその時期まで続いていたことを示しており、その研究成果は昨年「サイエンス」にも掲載されました。



★★★褐色矮星が豊富に存在する可能性

すばるの赤外線観測で進む、星の「人口調査」:見えてきた軽い構成員たち
http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2009/01/29/j_index.html



星形成領域で恒星が誕生する際、重い恒星、軽い恒星がそれぞれどのくらいの割合で形成されるのか、質量ごとの恒星数の分布を「初期質量関数」と呼びます。
重い恒星程寿命が短いため、時間が経つと重い恒星の数は減少してしまいます。
また、恒星になりきれなかった天体である褐色矮星は、生まれて間もない間は赤外線で明るく輝きますが、時間が経つと暗くなり見えなくなってしまいます。
そのため、「初期質量関数」を求めるには、恒星や褐色矮星が誕生して間もない星形成領域を観測しなければなりません。
銀河系内の多くの恒星は大質量星形成領域で誕生したと考えられますが、詳しい観測は比較的近距離にあるオリオン座星形成領域に限られていました。
今回、すばる望遠鏡は大質量星形成領域であるW3メインの高精度赤外線観測に成功しました。
その結果は、恒星は軽い程数が多く、さらに軽い褐色矮星が最も豊富に存在するというものでした。
これは、恒星は軽い程数が多いものの、褐色矮星は非常に少ないオリオン座星形成領域とは異なります。
重い恒星の割合は、銀河系内の異なる場所でも、他の銀河でもほとんど同じことが分かっていましたが、軽い天体、特に褐色矮星に関しては場所によって割合に大きな差がある可能性が出てきました。



★★★タイタンに新しい湖が出現

Cassini Finds Hydrocarbon Rains May Fill Titan Lakes
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/newsreleases/20090129Titan/



NASAの土星探査機カッシーニによるこれまでの観測で、土星の衛星タイタンの極地方に数多くの湖と思われる地形が発見されています。
時間を追ってみていくと、それまで湖がみられなかった場所にも新たに出現していることが分かりました。
この地域には白い雲が頻繁に発生しており、メタンなどの炭化水素の雨が大量に降って、新しい湖を形成したと考えられます。



★ケンタウルスA銀河中心からのジェットを、サブミリ波で初めて撮影

Centaurus A: Black Hole Outflows From Centaurus A
http://chandra.harvard.edu/photo/2009/cena/

Black hole outflows from Centaurus A detected with APEX
http://www.eso.org/public/outreach/press-rel/pr-2009/pr-03-09.html



APEX望遠鏡で活動銀河ケンタウルスAを観測し、銀河中心の超巨大ブラックホールから放出されるジェットをサブミリ波では初めて撮影することに成功しました。
画像は、ヨーロッパ南天天文台2.2m望遠鏡の可視光画像に、X線観測衛星チャンドラのX線画像(青)、APEXのサブミリ波画像(橙)を合成したものです。



★★★★温度が激変する系外惑星の気象現象を初めて観測

Astronomers Observe Planet with Wild Temperature Swings
http://www.spitzer.caltech.edu/Media/releases/ssc2009-02/release.shtml

Rapid heating of the atmosphere of an extrasolar planet
http://www.nature.com/nature/journal/v457/n7229/full/nature07649.html



HD 80606 bは恒星HD 80606の周りを回る巨大ガス惑星です。
遠星点距離0.85AU(金星軌道と地球軌道の間辺り)、近星点距離0.03AU(水星軌道よりも10倍以上内側)の長楕円軌道を回る特殊な惑星です。
NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡による赤外線観測が行われ、惑星が恒星の背後に隠れる食現象によるわずかな明るさの減少が捉えられました。
惑星は恒星のすぐ近くにあるため直接観測することはできません。
しかし、食による明るさの減少分が惑星自体の明るさなので、間接的に惑星の光を分析することができます。
さらに惑星の公転に伴う明るさの変化から、惑星の温度変化を測定することに初めて成功しました。
その結果は、たった6時間で800K(約530℃)から1500K(約1230℃)まで上昇するという、驚くべきものでした。
それをもとに、HD 80606 bの大気のシミュレーションが行われました。



★チャンドラが星形成領域NGC604をX線撮影

NGC 604: Wall Divides East and West Sides of Cosmic Metropolis
http://chandra.harvard.edu/photo/2009/n604/






★SDS-1、クリティカルフェーズ終了

小型実証衛星1型(SDS-1)の飛行状況について
http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090123_sds-1_j.html

小型実証衛星1型(SDS-1)のクリティカル運用の終了について
http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090127_sds-1_j.html




★水星のクレーター中央に謎の黒い物質

A Patch of Black
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=289






★月探査機チャンドラヤーンのX線カメラが月地表を分析

European lunar X-ray camera more sensitive than expected
http://www.esa.int/esaSC/SEMTOJWPXPF_index_0.html



インドの月探査機チャンドラヤーン1号に搭載されたヨーロッパのC1XS X線カメラで、月表面の成分分析が行われました。
太陽フレアの際に、月面のX線観測を行ったところ、マグネシウム、アルミニウム、珪素を検出しました。
上の写真はチャンドラヤーンの別のカメラが撮影した月です。



★「いぶき」クリティカルフェーズ運用を無事終了

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の衛星状態について
http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090123_ibuki_j.html

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)のクリティカル運用期間の終了について
http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090124_ibuki_j.html

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)のクリティカルフェーズ運用の結果について
http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090128_sac_ibuki.pdf



写真は、太陽電池パドル展開の様子です。



★ジェミニ北天文台のレーザーガイド星を使った観測で超新星発見

First Supernova Discovered with Laser Guide Star Adaptive Optics
http://www.gemini.edu/node/11226



発見された超新星SN 2008csは2億5000万光年離れたIRAS 17138-1017銀河で発見されました。
手前に塵が存在するため、赤く見えています。



★すばる望遠鏡が捉えた、M33銀河の詳細画像

渦巻銀河M33の高解像度画像 -- 銀河の星形成史の全容解明にむけて --
http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2009/01/22/j_index.html



すばる望遠鏡で渦巻銀河M33全体を非常に高い精度で撮影した画像です。
銀河中心部や、NGC604を初めとした星形成領域も、個々の恒星を識別できる程の解像度で捉えられています。
また、通常の球状星団よりも広がった矮小銀河の残骸と思われる天体も発見されました。



★二酸化炭素はどこに吸収されているのか?

The Orbiting Carbon Observatory and the Mystery of the Missing Sinks
http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=2009




★★H2Aロケット15号機打ち上げ成功

H-IIAロケット15号機による温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の打上げ結果について
http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090123_h2a-f15_j.html

H-IIAロケット15号機による温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」及び小型副衛星の打上げ結果について(速報)
http://www.jaxa.jp/press/2009/01/20090128_sac_h2a-f15.html



1月23日12時54分、H2Aロケット15号機の打ち上げに成功しました。
三菱重工業株式会社と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力による打ち上げは今回が3回目となります。
メインの温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の予定軌道への投入に成功しました。
また、7基の相乗り小型衛星のうち、航空高専衛星KKS-1「輝汐」、小型実証衛星1型(SDS-1)、スプライト観測衛星「雷神」、まいど1号(SOHLA-1)、KUKAI(STARS)、PRISMの分離が確認されました。



★★「かぐや」の月地形図から、極域の日照時間が判明

月の極域で太陽光が当たる日数が判明
http://risewww.mtk.nao.ac.jp/files/20090123.pdf



日本の月探査機「かぐや」のレーザ高度計(LALT)を使った観測で、詳細な月の地形データが得られました。
その地形データは、これまでの観測結果と非常によく一致することが確認されました。
それを元に、北極と南極における日照時間が計算したところ、最大日照率は北極で89%、南極で86%であり、永久日照は存在しないことが初めて発見されました。



★★★冷たいガス流が、若い銀河の星形成を加速

Cold streams in early massive hot haloes as the main mode of galaxy formation
http://www.nature.com/nature/journal/v457/n7228/full/nature07648.html

Astrophysics: Galaxies in from the cold
http://www.nature.com/nature/journal/v457/n7228/full/457388a.html



約100億年前、ビッグバンから約30億年後の宇宙では、既に銀河系のような大型の銀河が誕生していました。
当時の銀河では、1年間に太陽約150個分の質量の星形成が起こっており、現在の銀河系の約50倍のスピードで星形成が進んでいたことが分かっています。
これまで、銀河同士の衝突がその原因と考えられてきました。
研究グループはコンピューター・シミュレーションにより、冷たいガスの流入によって爆発的な星形成に必要な物質を獲得した可能性が示されました。



★水星の火山活動

Volcanism on Mercury
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=288




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