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世界遺産 福建土楼を巡る旅 (その2)

2011年01月08日 22時54分52秒 | -旅日記-

■永定土楼民俗文化村の土楼

福建土楼は、龍岩市永定県を中心とした福建省南部の山岳地帯に点在しています。
かなり山奥にある土楼も多く交通の便が良くないため、効率よく土楼を見て回るのはなかなか難しい。

そのような土楼群の中でも、永定県南東部、洪坑村にある永定土楼民俗文化村は、龍岩市内やアモイからの
バスの発着地点となっていて、村内は観光地として整備されています。

永定土楼村には、比較的狭い範囲に明清代に築かれた46もの方楼や円楼などの土楼があります。
それら土楼の多くは今も客家の人々が暮らしていて、彼らの日常生活を垣間見ることができます。

この永定土楼民俗文化村を日帰りでも1日見学すれば、土楼を効率よく見たい、土楼というものがどういうものかを知りたい、
といった程度であれば、十分に土楼を堪能できる便利な場所となっています。

2008年に世界遺産に登録後は、土楼村周辺の開発が進められていて、今後、新しい宿泊施設や観光施設などが
どんどん建設されるようです。




さて、朝7時30分にバスで龍岩市内を出発したわたくしnew-beatleは、午前10時前には永定土楼民俗文化村に到着。
さっそく土楼巡り開始です。

まだ朝早いためか、観光客はほとんどいない。
入り口付近では車、バイクチャーターの客引きがたまに寄ってくるけれど、冬のオフシーズンの今、
彼らもあまりやる気が無いようで、一言二言声をかけてきてもこちらが丁重にお断りするとすぐに去って行った。

まずは土楼村の入り口で入村チケットを購入。70元。やっぱり高い。。



村の入り口は2つあり、
一つは観光客用のチケット売り場がある道で、もう一つは村人用道路で入り口では保安員が見張っている。
観光客がそこを通ろうとすると保安員たちに止められる。

正直にチケットを買って村の中に入ります。
道は観光地化されているためか、きれいに整備されています。


道路沿いに、中国国家主席の胡錦鋳がこの土楼村を訪れた時の写真がいくつか飾られていた。


■慶成楼と、土楼王子 振成楼

まず最初に見えてきたのが「慶成楼」という土楼。


長方形をした「方楼」という種類の土楼で、約70年前に建てられた。

初めて土楼の中に入ってみる。

四方を3、4階建ての建物に囲まれていてちょっと威圧感があるけども、外にいる時より土楼の中は驚くほど静か。
外部から隔離された土楼の内側は、一つの小世界を形成しているように感じました。


前方が3階建てで後方が4階建ての慶成楼。


今も普通にこの土楼で生活している人たちがいて、土楼の中は生活感で溢れていました。


慶成楼を出ると、巨大な丸い土楼が目に入ります。
これが、土楼王子と呼ばれる「振成楼」です。


1912年に、この辺りで盛んなタバコ栽培の商売で儲けた林氏三兄弟が建てた丸い形の「円楼」と言われる土楼です。
土楼王子と呼ばれるぐらいの永定土楼民俗文化村を代表する土楼で、観光客も一番多いところです。


さっそく中へ入ってみる。


まず最初に目に飛び込んできたのが、土楼の中心にある廟。
土楼には先祖を祀る祖廟があって、先祖崇拝と土楼に住む一族の団結の象徴となっているといいます。


振成楼の1階部分にはお土産屋が並んでいて、ここはいわゆる「観光地化」された土楼ですね。


福建省といえば烏龍茶。茶葉がたくさん売られていた。


土楼の上の階に上がってみる。
下から見上げる景色とはまた違った景色です。


巨大な振成楼には、220もの部屋があるそうです。


たくさんのランタンが均等に吊るされています。



振成楼の上の階は宿泊できる部屋が整備されているようで、振成楼の住人らしきおばちゃんらがしきりに
今日の夜はどこに泊まるのか?ここに泊まれるよ。的な誘いをけっこう受けたがお断りさせていただく。



この日の夜は、ここ永定土楼民俗文化村ではなく、初渓村へ行ってそこの土楼に泊まる予定なのだ。

土楼の通路は歩くとミシミシ…と音がする木の板。

 

■方楼の福興楼と慶陽楼

振成楼を出て次に向かったのは、振成楼の裏にある方楼「福興楼」。


今から200年近く前に建てられた古い土楼です。


この土楼も中はとても静かな土楼でした。
時折り聞こえるのは子供たちの遊ぶ声とニワトリなどの家畜の鳴き声ぐらいです。




四角い形の方楼である福興楼。


福興楼を出て、しばらく村内の道路を道なりに歩いていきます。


崩れかけた土楼も見かけました。


川の向こう側に大きな方楼が見えてきました。
「慶陽楼」という土楼です。


扉に「興家」と書かれた赤い札が貼られていました。
ここは興さん一族が住んでいるのかな?


土楼の中央部分には、祖廟のほか、井戸や家畜小屋、厨房などがあります。


お昼の時間が近くなって、厨房の建物から煙が上がり、ご飯の支度が始まっているようです。

厨房の建物の前に置かれた、近くの畑で採ってきたであろう野菜。


子供も土楼内を元気に走り回っていました。

 

■U字型の奇妙な土楼、朝陽楼

慶陽楼を出て隣の土楼に向かうと、なんと壁が途中で切れている土楼があるではないか!


「朝陽楼」という土楼で、かなり珍しいU字型の土楼になっている。

中を覗いてみます。


土楼が途中できれいに切れている。
これでは外敵から守るという土楼の意味を為していない。。


おっちゃんがふつうにバイクでぽっかり空いた場所から中に入って行ってるし。
まあ今は武装した盗賊がこの辺りを闊歩していた時代ではなくなったけども。


朝陽楼を出て、村の道をさらに進んでいきます。


道端の小川にはアヒルの群れが。

 

■宮殿風の土楼、奎聚楼

次にやってきたのは「奎聚楼」という方楼。


中国の全国重点文物保護単位に指定されているという土楼で、宮殿風の構造になっているのが特徴です。


重点文物保護単位ということで、観光客がけっこういました。
入り口にお土産屋が並んでいたけど、おばちゃんはドンドン太鼓を回すだけで商売やる気なし。。

 

■3つの方楼 光裕楼、慶福楼、福裕楼

少し来た道を戻り、川沿いに四角い方楼が3つ建ち並ぶ場所を訪れました。

まず訪れたのが「光裕楼」。


ちょうど団体観光客が押し寄せてきたため、そそくさと退散しました。
観光客がワイワイやっているそばで、慣れっこの犬はぐっすりお休み中。



光裕楼のすぐ隣に建つ方楼「慶福楼」へ向かいます。


何か異臭が漂ってきたので前を見るとトイレが。。


土楼の中にはトイレは無く、このように外に設置されているところが多いようです。


慶福楼は1780年に建てられた古い土楼。


烏龍茶の茶葉でお遊び中。


慶福楼の前で熱心に宿題をする女の子。



3つ並んだ方楼の最後の一つは、振成楼の次に永定土楼民俗文化村で有名な「福裕楼」。
福裕楼は、振成楼を建てた林氏三兄弟が振成楼を建てる前に建てた永定県一巨大な方楼です。


振成楼の3倍のお金がかかって造られたそうです。



祖廟には先祖の肖像画も飾られていました。


有名な福裕楼には観光客も多く、福裕楼の中にはその観光客用のお茶(烏龍茶)の試飲&販売店が。

団体観光客はここに連れてこられてお茶を買わされるんだろうなあ。


福裕楼には食堂もあって、宿泊もできるようです。

料理は通路にある簡易厨房で。。


福裕楼の子ども。

 

■永定で一番小さな土楼、如昇楼

福裕楼から川を挟んで向かい側に、周りの民家に混じって、やけに小ぢんまりした土楼を発見。


さっそく橋を渡ってこの小さな土楼に行ってみました。


この土楼は「如昇楼」と言われる円楼で、永定県では一番小さな土楼です。


中に入ってみると、やはり小ぢんまりしていて、これまで訪れた土楼と比べてもすべてがコンパクト。


見上げると、まーるい縁取りで空が見えました。


お昼前ということで、ちょうどお昼ご飯の時間で住人の皆さんが各部屋から出てきました。


直径わずか17mのコンパクトな土楼は、ちょっと長居がしたくなるナゼだが親近感の湧く土楼でした。

 

■土楼村巡りを終えて次の目的地へ

ちょうどお昼になり、土楼村の主な土楼は見尽くしたかんじだったので、ここで一度土楼村入り口へ戻ることにしました。
少し雨がぱらつくこともありましたが、なんとか午前中は天気が崩れずにすんだ。
午後は天気が回復することを祈りつつ、土楼村入り口へ戻りました。


振成楼の前をまた通る。
朝来た時よりもかなり観光客が増えている。


永定土楼民俗文化村入り口近くから見える大きな土楼、「環興楼」。



数時間しかいなかった永定土楼民俗文化村ですが、様々な土楼を短時間で歩いて見て回ることができ、
なかなか便利な場所でした。

ただ、土楼観光の代表的な場所なだけあってやや観光地化されすぎている感があり、
山あいにたたずむ土楼の村本来の姿とは少し違ってしまっている気がします。

世界遺産に登録された今、残念ながら今後も観光地開発がことは間違いないでしょう。

 

食堂や民宿が多く並んでいる永定土楼民俗文化村入り口前。
ここの食堂で昼ごはんを食べて、次はこの日の一番の目的地、初渓村へ向かうことにしました。


が、、初渓村へたどり着くまで、ここから長く辛い道のりが待っていたのでした…。


(つづく)




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