猫のあしあと

*舞台・ミュージカル・ちょこっと宝塚、な気まぐれ日記*

モーツァルト!

2014年11月14日 16時32分14秒 | 春野さん
観てきました。

春野さんの久々のミュージカル出演♪
私にとっては初「モーツァルト!」なので、どんな舞台なのか、そして春野さんの役どころはどのようなものなのか、ドキドキしながらの幕開け。


春野さんのヴァルトシュテッテン男爵夫人、とてもステキでした♪
春野さんの上品で優雅な雰囲気と物腰が貴族役にぴったりです(*^^*)
ドレスもポスター写真時着用のワイン色のものと、「星から降る金」を歌う時のオフホワイト生地にウエスト部分にすみれ色の刺繍?が入ってるものと、2幕始めの白地に金の刺繍が全体に散りばめられているものの3着、どれもお似合いでした♪
個人的に好きなのは白地に金のドレスです(^_^)
この時の髪型が白いマリー・アントワネットばりの盛りヘアで、春野さんのこういうヘアスタイルは初めて見ましたが意外に(失礼…)お似合いでした。
ドレスもいわゆる輪っかのドレスなので、正に王妃様…と勝手に想像してました(笑)


ただ、モーツァルトという作品自体に関しては、正直そこまで魅力が分からなかったです…(-_-;)
帝劇でも何度も再演されてますが、う~ん…。…ぶっちゃけ、それほどの作品ですかね…?
観客も、吉野圭吾さんの歌の場面とかで当然の様に手拍子入れたりしててリピーター率が高そうな感じでしたが…、そんな何度も観るほど面白いかなぁ…?なんて(^_^;)
とりあえずモーツァルトという人物が、音楽の才能をさておくと、ただの世間知らずでナルシストで意思薄弱な男ということくらいしか印象に残らないというヒドイ感想になってしまうのですが…(苦笑)
脚本次第ではもう少しイイ男に描けそうですが、でもこれは脚本とか演出云々以前に、モーツァルトという人物自体にそれほど人間的な魅力がないということかなぁとも思います。
私はモーツァルトという人については天才的な音楽家だったということくらいしか知らないですし、どこまで史実に忠実に基づいて作られているか分かりませんが、もしくはその時代・人物的に、モーツァルトという人のキャラクターがよく分かる詳細な資料が残っていなくて、そのわずかな情報に基づいて作ったらこういう作品になった、とかなんですかね??
はたまた、音楽以外ではまるでダメ男な面に人間的魅力を感じて下さいな、として、敢えてそういう面を押し出した作りにしているのか…。
とりあえず、主役のモーツァルトが私には全く魅力的な人間に見えず、感情移入出来ないのがちょっと致命傷でした。
かたや、じゃあ他の登場人物はどうかというと…。
あいにく、全体的にどのキャラクターも、それほど詳細な人物として描かれていないのです。
お目当ての春野さんの男爵夫人も“モーツァルトのパトロン”という、あらすじで紹介されていた以上のことは舞台本編でも全く触れられていません(^^;)
一体いつから、何故モーツァルトにそれほど目をかけることになったのか?
男爵夫人としてどれほどの地位があり、どういう人物なのか?
モーツァルトとの関係は音楽家とパトロンというだけのものだったのか?等々…
どれも詳細には描かれていません。
モーツァルトの関係のあたり、ちょっとは男女間の絡みもあるのでは?とやや期待したんですが…(笑)
男女間というよりは、息子と母の関係に近かったですかね。…というか、男爵夫人は常に、登場してはモーツァルトにアドバイスして去っていくという、天の声のような位置づけで、実はあまり台詞を交わしていない気もします(^^;)

でも男爵夫人に限らず、やはりどの役もそれほど詳細に描かれておらず…。
モーツァルトに厳しく接する父親レオポルト(市村正親さん)、弟を心配する姉ナンネール(花總まりさん)、彼を愛していながら寄り添いきれない妻のコンスタンツェ(平野綾さん)、モーツァルトの才能は認めながらも敵役ポジションのコロレド大司教(山口祐一郎さん)、モーツァルトの友人かただの利用者か?劇作家のシカネーダー(吉野圭吾さん)
と、錚々たるキャストが出演している割にどれも役不足では?と思わせるほど、上記したモーツァルトとの位置づけ程度にしかどのキャラも描かれていないのです。
あとは、常に舞台上にモーツァルトと一緒にいる、モーツァルトの才能の化身?の様なアマデという子役の存在意義とか、モーツァルト(とコンスタンツェも?)だけジーンズにTシャツ+宮廷服のように現代風を交えたような格好をしている意味は?とか、幕開け、2幕始め、終盤に出てくるドクトルメスマン?は、何故モーツァルトの墓を掘り返しているのか??とか、色々気になるところはあるけれども、観終わっても謎は謎のままで…ちょっと釈然としないです。

楽曲も、星から降る金、愛していれば分かり合える、ダンスはやめられない、くらいしか1度観ただけだと印象に残らないですし…。
同じクリエイター陣の作品なら『エリザベート』の方が私は断然面白く感じます。
『エリザベート』は観ればエリザベートという人物やその生涯が分かるので、『モーツァルト!』も観れば分かるかと思いきや…そうでもなかったです(笑)
どちらかというと『モーツァルト!』は純粋なミュージカルというよりは、ショー作品的に見た方がいいのかな。
観客も、作品というよりは役者個人(井上くんとか)を見に来ている感じ…なのかも(^^;)
特にご贔屓の役者さん出てなかったら、ちょっとキツい作品じゃないかな~と…。

春野さんファンとしては、久々のミュージカルご出演というので期待していただけに、また春野さんの男爵夫人という役柄もとってもお似合いなだけに、作品的にこういう結果なのはちょっと残念です…。まぁ単に私がこの作品と相性悪いだけかもですが(苦笑)

そういえば、春野さんがいわゆる脇役者としてミュージカルに出たのは今回が初めてでしたね。
宝塚時代も3番手2番手の経験少ないまま主演になった方なので、主役以外の役って本当に十何年ぶり?とかになっちゃうんでしょうか。
でも春野さん自身はそれほど強烈な個性の持ち主ではないですし、悪目立ちすることなくきちんと他人を立てることの出来る人だと思います。
ご自身も主役とか脇役とかにそこまでこだわりはなさそう?ですし(^^)
ファンとしても、べつに主演とかそういうことは構わないんですが、もっとドラマティックというか役を演じている春野さんが観たかったなぁ…。

ともあれ、『モーツァルト!』という大作と言われるミュージカル作品でヴァルトシュテッテン男爵夫人として『星から降る金』を歌った、ということは舞台人春野さんにとってのステータスとなるには違いないですね。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿