司会は東京會舘では珍しい?中井美穂さん。
瀬奈さんの登場は客席後方から、先日まで公演していた『シスターアクト』より、Take Me To Heavenの曲にのせて登場~♪
瀬奈さんは襟だけ白い黒のミニ丈ワンピース…と思いきや「実はスカートではなくパンツなんです!」と、ワンピースをぺろっとめくって下の黒いショートパンツを見せてくれるというサービスショットが(笑)
プラス黒タイツに黒エナメルのハイヒールのシンプルシックな装い。
少しのびたショートヘアにパーマがかかり、深い赤色の口紅が目を引きます。
まずは「今日は朝何時に起きて朝ごはんに何を食べてきましたか?」という軽い質問から。何気なく日常を聞けるこの質問、いいですね(^^)
それに対して瀬奈さん「今日は朝8時に起きて、なんやかんやして、ここの会場についてから、メイクさんの作ってくれたかぼちゃスープを頂きました。」
中井さん「今日は朝ごはんは作らなかったんですか?」
瀬奈さん「…実は昨日本番だったので…。しかも昨日は9月20日で“國夫(くにお)の日”ということで(笑)村井國夫さんの誕生日だったんで、公演の後にパーティーがあり、そこではっちゃける予定にしてたのでホテルをとりまして…(笑)はっちゃけたので今日は少々声が枯れております(笑)」…(笑)
シスターアクトについてのお話、アフロのお話(笑)中井さんは今日の司会のために瀬奈さんのスカイステージ出演DVD-BOXを昨日見返したとか(笑)
その中で“俺様”発言ばかりを集めた映像がある、という話に。でも瀬奈さんは「でも自分で自分のことを俺様と言ったことはない。GRAPHの同期紹介のページ担当の時に自分のことを俺様と書いたら、それが皆さんの中に定着してしまったみたい。でも本来の自分とはかけ離れたイメージ。」とのこと。
中井さん「でも瀬奈さんの場合は無理に“俺様”と見せている感じがしない…むしろ自然とそう見えましたが、切り替えとかはどのように?」
瀬奈さん「男役の時は家にいても男役でした。だから退団して、本当の自分は何が好きだったのか分からなくて、戸惑った。」
結婚の報告を一番にファンへ出来なかったことについて、すごく申し訳なかったと瀬奈さんは打ち合わせの時から気にされていた、と中井さん。
「新聞に報道されることは事前に知っていたから、皆さんが新聞を読むであろう時間帯にブログにアップする予定だったが、今は朝のワイドショーで新聞記事をピックアップするコーナーがあり、そこで予想外に早朝にテレビ報道されてしまってファンの方をがっかりさせてしまった…。でも皆さん心が広いので、許して下さってるんじゃないかと思います(苦笑)」
ネット社会なご時世ですしね…。情報解禁と同時にファンへ1番に…というのは実際不可能だと思います。
でも、瀬奈さん自身は↑の心算で、ファンにもとても誠意を持って接しようとしてくれていたという真意が聞けて良かったです。
結婚してどうですか?
「宝塚の時はそれこそ10代の頃からずっと一人暮らしだったから、家に「ただいま」って帰ったら「おかえり」って言ってくれる人がいる、「おかえり」って迎える人がいる、帰る場所がある、家族が出来たっていうことは、すごく大きな力になる。退団してから色んな女優さんとご一緒させて頂いたけれど、ご結婚されている女性の地に足ついた堂々と戦っている感じは何だろう?とずっと思っていたけど、外で戦える、守り守られる場所がある人だからなんだと分かった。独身の方はそれはそれでストイックに素敵な輝きを持っていらっしゃるけれども、それとはまたちょっと違う感じ。」とのこと。
ここでゲストのかなみちゃん登場へ。
直前に「こういう場で、彩乃かなみさんがどういう立場で登場するのか、相手役の彩乃さんなのか、下級生の彩乃さんなのか、普段の彩乃さんなのか…すごく楽しみ(笑)」と瀬奈さん。
かなみちゃんはAmazing Graceにのせて、舞台袖から登場♪
入場時のBGMはそれぞれ自分で、今の心境とかイメージで選んだとか。
かなみちゃんの入場曲について瀬奈さんいわく、「決して崩すまいとする娘役としてのポリシー的なものを感じた(笑)」そうです。
かなみちゃんは黒のテーパードパンツに、瀬奈さんと対照的な襟元だけ黒く縁取られた白のトップスに大きめジュエルネックレス、黒のやや厚底ハイヒール。
服装はお互いに相談されたそうで、お2人ともモノトーンでキマってました。
宝塚100周年のOGイベントで久々の共演をされたお2人。
「普段は本当にしょっちゅう会っているので別に自分達の中では新鮮さはなかったけど、舞台上でお互いに顔を合わせた時の新鮮さったらなかった。
みほこが出てきた瞬間から顔が娘役になっていて、自分もなんか男役みたいな顔つきに自然となった。客席からもみほこが登場したら「ひゅ~♪」みたいな歓声が上がって、それで自分たちもノセて頂いた。一緒にいるのがすごくしっくりきた。自分で言うのも何だけど、最高のコンビだったなと思う(笑)」という瀬奈さんに客席からは拍手が(^^)
主にお2人の宝塚時代のお話。
<かなみちゃんの第一印象の話>
瀬奈さん→「なんて暗い子だろうと思った(笑)初めて認識したのが、新人公演の『SPEAK EASY』で、みほこは研1で渚あきさんの役で、下級生で声を掛けられなかったんだろうけど、教室で一人で稽古していて…その姿がちょっと異様で(笑)、「一人で稽古すると一人芝居になっちゃうから、声かけて。一緒にやろう」て(笑)その新人公演の配役発表の時も、同期と一緒に「あ、私ルーシーの役だった」と、何の感動もなく当然の様に言うから、ちょっと待て!研1で渚さんの役だぞ!!と思って。その他にも、研1の時は同期が何かすると成績の良い人が連帯責任で怒られるんだけどみほこがその代表で、更にみほこ自身も天然なところがあって「なんでそんなことしちゃったの!?」という失敗も多くて上級生から怒られることが多くて、存在を消す…私を見ないで!みたいになってたんだよね。」
かなみちゃん→「…そういう風に見えたのかもしれないですけど、渚さんの役を当てられた事の重大さはもちろん分かってたんですけど、研1の立場でもあるし「渚さんの役だー!!」と大騒ぎする人間でも私はないし、同期に対しても甘えるタイプでもなかった。ただ聞かれたら応えなきゃいけないから、普通に応えるしかなかっただけで…それがすごく生意気な人間に映ったんだと思います。」
<バウ公演『トム・ジョーンズの冒険』の時の話>
瀬奈さん→「この公演でコンビ的な役だから仲良くしとかなきゃと思ったのか、一つ前の公演くらいからみほこが私の後をついて回るようになった。」
にこにこ笑顔でついて来るかなみちゃんに、瀬奈さんは「なんだ、実はいい子なのかも、と思った。単純なので(笑)」とのこと。
<瀬奈さんバウ主演『マノン』の時の話>
かなみちゃんが下級生時代からずっと抜擢続きで、色んな方から色んなことを言われて、自分は舞台に立っていていいのか、とすごく悩んでいた時期で、実は瀬奈さんは花組のプロデューサーから、かなみちゃんのことを精神的な意味でもサポートしてあげてほしい、と頼まれていた。
この公演では共演者である上級生の矢吹翔さんも何も言ってないのにその空気を察してくれて、かなみちゃんを盛り立てていた。
ちなみにこの稽古中に、瀬奈さんはかなみちゃんのことを相手役として最高だと思ったそうで、初日前夜に一緒に食事に行き、自分は頑張ってトップになろう、そしてかなみちゃんを相手役にしたい、と内心で思っていたそうです!!
かなみちゃん→「瀬奈さんはそういう稽古場の雰囲気を私が「もうやめて下さい」とならない様に、周囲の方も巻き込んで笑える感じの、ごく自然な雰囲気を作って下さった。カンパニー全体がすごくいい雰囲気でした。」
マノンの公演中、出演者数名で食事に行っていた時、たまたまかなみちゃんが一人になった時に組み替えの電話を受けた。
そこへ瀬奈さん達他のメンバーが「みほこちゃん誰と電話してんだよ~」とからかい口調で戻ってきたものの、かなみちゃんの放心状態の顔を見てただ事ではないと感じた。
組み替えの噂を聞いていた瀬奈さんはすぐにピンときて、かなみちゃんが「なんで私なの~!!」と号泣。
瀬奈さんがトイレへ連れていってなだめていたら、上品なおばさまに「お辛いことがあったのね…」と同情されたそう(笑)
<瀬奈さんエリザベート役の時の話>
かなみちゃんに娘役メイクの仕方を教えてもらった。
あの時、かなみちゃんだけが瀬奈さんがエリザベート役をやるにあたり「大丈夫ですよ!」と言ってくれて、初日当日の舞台稽古を見た後も「すごい良かった!絶対大丈夫!!」と言ってくれて、瀬奈さんが大号泣した。
泣いてる間もずっとかなみちゃんが側で「大丈夫、大丈夫」と言ってくれていた。
瀬奈さん→「傍から見たら、“彩乃さん、瀬奈さん泣かしてるんじゃ…?”と思われそうなくらい(笑)当時はちょっと精神的に変でしたね。」
かなみちゃん→「瀬奈さんのストイックな稽古場での姿もずっと知っていたし、大丈夫としか思わなかったです。確かに当時の瀬奈さんの男役・次期トップという立場から、娘役というゼロからのスタートで大変だったと思うけれども、小池先生の役者の方を見る目も確かだし、絶対今までにないエリザベートになる!と思ったんですよね。自分自身が大変だった時に支えて助けてもらった過去があるから、瀬奈さんが大変な時に今度は自分が!という意識が本能的に働いた感じです。」
<かなみちゃんの退団発表の話>
『マジシャンの憂鬱』の公演中、舞台袖の早変わり室にいる時、かなみちゃんは「次の公演の時、私ここにいない気がする、と思った」そう。
それは辞めたい、とか、辞めなきゃ、という意識からではなく、もっと自然と自分の中からそういう思いが浮かんできた。
自分の本音では、自分の魅力を自分以上に引き出して美しく飾り立てて見せてくれるこんな世界にいられるならずっとやっていたいという思いと、でも、こんな自分が10代の女の子の役をやっていいんだろうか、とか、瀬奈さんに対しても、もっと別の相手役のほうが、もっとダンスを存分に発揮するショーが出来るんじゃないか、とか色々な思いがずっとぐるぐるしていて、退団発表してからもずっとずっと本当に辞めるのか辞めるのをやめようか(笑)迷っていた。そしてそんなことを失礼ながらずっと瀬奈さんに相談していた。
瀬奈さん→「一緒に辞めてとは言えないし、コンビといえどもそこは個人の意思を尊重して。でも、みほこの実力を私のために宝塚に留めてしまってはいけないなと思った。たぶんみほこ的にも宝塚の娘役という枠での表現はし尽くしたんだろうなと思って。みほこの相談にのって「よく考えなよ」とか言いながら自分も内心「私も辞めるべきかどうしようか」と迷っていた(笑)」
<雪の日のお話>
今年の冬、かなみちゃんにちょっと落ち込む出来事があり、瀬奈さんからしたら「くだらね」と思うことだったそう(笑)ですが、かなみちゃんは本当に落ち込んでいて、瀬奈さんが自宅に招いてくれた。瀬奈さんの甥っ子のどんじゃらゲームを借りて、車でかなみちゃんを迎えに行き、瀬奈さんの旦那さんも交えてどんじゃらをしてかなみちゃんを盛り上げてあげたそう。かなみちゃんは泣き笑いでどんじゃらをしていたとか。
実は瀬奈さんが主演になる時、相手役さんをどうしますか?と劇団に聞かれて、彩乃さんを指名したら、叶えてもらえたそう。
「私の場合は、ですよ。他の主演の方皆さんがそうなのかは分からないけど」とのこと。
彩乃さんのどういう所が瀬奈さんの心をそこまで揺り動かしたのでしょう?
「なんだろう…、この、中井さんも先ほどおっしゃってましたが、人を笑顔にさせる雰囲気とか、明るさみたいなもの。」
かなみちゃんにとって瀬奈さんは
「色んなことを一番に相談している方だし、隠し事していても見抜かれる。お姉さんのような、下級生なのに失礼ですが親友のような方です。」とのこと。
最後に「今後もまた皆さんに呼んで頂けたら、また2人でのトークショーが2回3回と出来たらと思います。」とご挨拶され、お2人にとって思い出深い曲「ランベス・ウォーク」を歌いながら客席を通って退場されました。
こうしてトークショーの内容を文章にしてしまうと、結構深いシリアスなお話ばかりだったかのように見えますが、瀬奈さんが話題を笑える方向へ持っていって下さって、そこへかなみちゃんの人を笑顔にさせる力も加わって、意外に(?)終始笑いの絶えないお話になっていました。
かなみちゃんの場合は天然のものと思われますが(…失礼!)瀬奈さんはおそらく話が重くなり過ぎないように、意識的にそうされていたように思います。
トーク内でお話された過去の出来事についてもそうですが、こういった気配りをさらりと出来る瀬奈さんの人間性が本当に素晴らしいですね。
ところで。
このトークショーの前までは、お2人の仲の良さは重々承知ではいたものの、現役トップコンビだった時は、かなみちゃんの瀬奈さんへの信頼感や愛情は常々表れていたけど、瀬奈さんはかなみちゃんに対して割とクール&ドライな接し方だった気がしていて。
…まぁ男役・娘役だったから、そういういわば"亭主関白”な雰囲気の方が、逆のイメージよりはコンビとしての印象も良かったと思いますが…(瀬奈さんが実際そこまで計算して故意にそう見えるようにしていたのかどうかは分かりませんが)。
瀬奈さんのエッセイ『日々、ことだま』でも、かなみちゃんについて書かれたページがあって、そのとても愛情深い内容の文章と、ファンの前で見せる対かなみちゃんへの態度との温度差に、いまいち真の2人の関係がよく分からなかったんですが…(単に私の見る目が浅いだけかもですが)
今回のトークショーを聞いて、改めて、かなみちゃんが瀬奈さんを慕っているということ、そして瀬奈さんも心底かなみちゃんを大切にかわいがっているということが伺えました(^^)
かわいがっている、といってもそれは決して、かわいいかわいいと“甘やかしている”ということではなく、もっととても対等なもので。
相手が辛い時にそっと寄り添ってあげる、とか、相手の全てを受け入れる、とか、いい意味で相手に頼る、とか。
お互いに、お互いが、そう出来る関係…、親友よりも更に深い仲(アヤシい意味ではなくて…)なのだと感じました。
その仲を敢えて言葉で表現するならば、よく瀬奈さん自身が言う「戦友」ってことになるんじゃないかと今書いてて思いました。…深いっっ!!
私的には、親友というか、姉妹?でも姉妹というよりかは兄妹…優しく懐の深いお兄ちゃんな瀬奈さんと、奔放で甘えたな妹のかなみちゃんという印象を受けました。
そして私の中で、かなみちゃんの印象が現役のときと少し変わりました(笑)
ちなみに私はかなみちゃんの娘役が大好きですし、今も気になるOGの方の一人です。
現役の時は、そのプロフェッショナルな歌声と実力派で隙のない舞台姿とか、舞台上で瀬奈さんをフォローする姿を見かける機会が割と多かったので、それこそ完璧な娘役さん・かなみちゃんほど出来る娘役はいない!というイメージが強くて。
舞台以外での知的なコメントや気の遣い方、髪型・私服・稽古着のセンス等に至るまで、その女子力の高さは同性としてお手本にしたいほど、いわゆる“出来る女”だと思っていたのですが、今回のトークショーで、実はもっとほわ~んとした、天然で天真爛漫な面が意外とある方なのだということを実感しました(笑)
見た目的にもハキハキというよりかは、ほわほわ、という方なので、またCS放送などの発言でも時に予想外な言動をされたりしていて、天然さも持ち合わせている方だとは知っていたんですが、予想以上にその面が強い方なのかも、と(笑)
なので「宝塚を辞めるか辞めるのやめようか悩んでいた」というお話も、えぇ~!そんな優柔不断な面もあるの?と結構衝撃でした(笑)
てっきり一刀両断タイプ…とまではいかずとも、一度決めたらブレない方だと思っていたので。
そして、そんなかなみちゃんを瀬奈さんが受け入れている・仲良しだというのも、なんだかちょっと意外でした。
…ものすごい失礼なこと書いてますけど、すみません;;
お2人の間でこれまでの色々な出来事があって今現在の関係に至っていることはもちろん分かっていますが、タイプ的には瀬奈さんとかなみちゃんは実は対照的なような…?
人は自分にないものを他人に求めると言いますが、そういうことでしょうか。
それとも瀬奈さん自身にも意外とそういった面があるのかな…?
まだまだお2人の仲は奥が深そうです。
お2人のトークショー2回目3回目があることを期待してます。
瀬奈さんの登場は客席後方から、先日まで公演していた『シスターアクト』より、Take Me To Heavenの曲にのせて登場~♪
瀬奈さんは襟だけ白い黒のミニ丈ワンピース…と思いきや「実はスカートではなくパンツなんです!」と、ワンピースをぺろっとめくって下の黒いショートパンツを見せてくれるというサービスショットが(笑)
プラス黒タイツに黒エナメルのハイヒールのシンプルシックな装い。
少しのびたショートヘアにパーマがかかり、深い赤色の口紅が目を引きます。
まずは「今日は朝何時に起きて朝ごはんに何を食べてきましたか?」という軽い質問から。何気なく日常を聞けるこの質問、いいですね(^^)
それに対して瀬奈さん「今日は朝8時に起きて、なんやかんやして、ここの会場についてから、メイクさんの作ってくれたかぼちゃスープを頂きました。」
中井さん「今日は朝ごはんは作らなかったんですか?」
瀬奈さん「…実は昨日本番だったので…。しかも昨日は9月20日で“國夫(くにお)の日”ということで(笑)村井國夫さんの誕生日だったんで、公演の後にパーティーがあり、そこではっちゃける予定にしてたのでホテルをとりまして…(笑)はっちゃけたので今日は少々声が枯れております(笑)」…(笑)
シスターアクトについてのお話、アフロのお話(笑)中井さんは今日の司会のために瀬奈さんのスカイステージ出演DVD-BOXを昨日見返したとか(笑)
その中で“俺様”発言ばかりを集めた映像がある、という話に。でも瀬奈さんは「でも自分で自分のことを俺様と言ったことはない。GRAPHの同期紹介のページ担当の時に自分のことを俺様と書いたら、それが皆さんの中に定着してしまったみたい。でも本来の自分とはかけ離れたイメージ。」とのこと。
中井さん「でも瀬奈さんの場合は無理に“俺様”と見せている感じがしない…むしろ自然とそう見えましたが、切り替えとかはどのように?」
瀬奈さん「男役の時は家にいても男役でした。だから退団して、本当の自分は何が好きだったのか分からなくて、戸惑った。」
結婚の報告を一番にファンへ出来なかったことについて、すごく申し訳なかったと瀬奈さんは打ち合わせの時から気にされていた、と中井さん。
「新聞に報道されることは事前に知っていたから、皆さんが新聞を読むであろう時間帯にブログにアップする予定だったが、今は朝のワイドショーで新聞記事をピックアップするコーナーがあり、そこで予想外に早朝にテレビ報道されてしまってファンの方をがっかりさせてしまった…。でも皆さん心が広いので、許して下さってるんじゃないかと思います(苦笑)」
ネット社会なご時世ですしね…。情報解禁と同時にファンへ1番に…というのは実際不可能だと思います。
でも、瀬奈さん自身は↑の心算で、ファンにもとても誠意を持って接しようとしてくれていたという真意が聞けて良かったです。
結婚してどうですか?
「宝塚の時はそれこそ10代の頃からずっと一人暮らしだったから、家に「ただいま」って帰ったら「おかえり」って言ってくれる人がいる、「おかえり」って迎える人がいる、帰る場所がある、家族が出来たっていうことは、すごく大きな力になる。退団してから色んな女優さんとご一緒させて頂いたけれど、ご結婚されている女性の地に足ついた堂々と戦っている感じは何だろう?とずっと思っていたけど、外で戦える、守り守られる場所がある人だからなんだと分かった。独身の方はそれはそれでストイックに素敵な輝きを持っていらっしゃるけれども、それとはまたちょっと違う感じ。」とのこと。
ここでゲストのかなみちゃん登場へ。
直前に「こういう場で、彩乃かなみさんがどういう立場で登場するのか、相手役の彩乃さんなのか、下級生の彩乃さんなのか、普段の彩乃さんなのか…すごく楽しみ(笑)」と瀬奈さん。
かなみちゃんはAmazing Graceにのせて、舞台袖から登場♪
入場時のBGMはそれぞれ自分で、今の心境とかイメージで選んだとか。
かなみちゃんの入場曲について瀬奈さんいわく、「決して崩すまいとする娘役としてのポリシー的なものを感じた(笑)」そうです。
かなみちゃんは黒のテーパードパンツに、瀬奈さんと対照的な襟元だけ黒く縁取られた白のトップスに大きめジュエルネックレス、黒のやや厚底ハイヒール。
服装はお互いに相談されたそうで、お2人ともモノトーンでキマってました。
宝塚100周年のOGイベントで久々の共演をされたお2人。
「普段は本当にしょっちゅう会っているので別に自分達の中では新鮮さはなかったけど、舞台上でお互いに顔を合わせた時の新鮮さったらなかった。
みほこが出てきた瞬間から顔が娘役になっていて、自分もなんか男役みたいな顔つきに自然となった。客席からもみほこが登場したら「ひゅ~♪」みたいな歓声が上がって、それで自分たちもノセて頂いた。一緒にいるのがすごくしっくりきた。自分で言うのも何だけど、最高のコンビだったなと思う(笑)」という瀬奈さんに客席からは拍手が(^^)
主にお2人の宝塚時代のお話。
<かなみちゃんの第一印象の話>
瀬奈さん→「なんて暗い子だろうと思った(笑)初めて認識したのが、新人公演の『SPEAK EASY』で、みほこは研1で渚あきさんの役で、下級生で声を掛けられなかったんだろうけど、教室で一人で稽古していて…その姿がちょっと異様で(笑)、「一人で稽古すると一人芝居になっちゃうから、声かけて。一緒にやろう」て(笑)その新人公演の配役発表の時も、同期と一緒に「あ、私ルーシーの役だった」と、何の感動もなく当然の様に言うから、ちょっと待て!研1で渚さんの役だぞ!!と思って。その他にも、研1の時は同期が何かすると成績の良い人が連帯責任で怒られるんだけどみほこがその代表で、更にみほこ自身も天然なところがあって「なんでそんなことしちゃったの!?」という失敗も多くて上級生から怒られることが多くて、存在を消す…私を見ないで!みたいになってたんだよね。」
かなみちゃん→「…そういう風に見えたのかもしれないですけど、渚さんの役を当てられた事の重大さはもちろん分かってたんですけど、研1の立場でもあるし「渚さんの役だー!!」と大騒ぎする人間でも私はないし、同期に対しても甘えるタイプでもなかった。ただ聞かれたら応えなきゃいけないから、普通に応えるしかなかっただけで…それがすごく生意気な人間に映ったんだと思います。」
<バウ公演『トム・ジョーンズの冒険』の時の話>
瀬奈さん→「この公演でコンビ的な役だから仲良くしとかなきゃと思ったのか、一つ前の公演くらいからみほこが私の後をついて回るようになった。」
にこにこ笑顔でついて来るかなみちゃんに、瀬奈さんは「なんだ、実はいい子なのかも、と思った。単純なので(笑)」とのこと。
<瀬奈さんバウ主演『マノン』の時の話>
かなみちゃんが下級生時代からずっと抜擢続きで、色んな方から色んなことを言われて、自分は舞台に立っていていいのか、とすごく悩んでいた時期で、実は瀬奈さんは花組のプロデューサーから、かなみちゃんのことを精神的な意味でもサポートしてあげてほしい、と頼まれていた。
この公演では共演者である上級生の矢吹翔さんも何も言ってないのにその空気を察してくれて、かなみちゃんを盛り立てていた。
ちなみにこの稽古中に、瀬奈さんはかなみちゃんのことを相手役として最高だと思ったそうで、初日前夜に一緒に食事に行き、自分は頑張ってトップになろう、そしてかなみちゃんを相手役にしたい、と内心で思っていたそうです!!
かなみちゃん→「瀬奈さんはそういう稽古場の雰囲気を私が「もうやめて下さい」とならない様に、周囲の方も巻き込んで笑える感じの、ごく自然な雰囲気を作って下さった。カンパニー全体がすごくいい雰囲気でした。」
マノンの公演中、出演者数名で食事に行っていた時、たまたまかなみちゃんが一人になった時に組み替えの電話を受けた。
そこへ瀬奈さん達他のメンバーが「みほこちゃん誰と電話してんだよ~」とからかい口調で戻ってきたものの、かなみちゃんの放心状態の顔を見てただ事ではないと感じた。
組み替えの噂を聞いていた瀬奈さんはすぐにピンときて、かなみちゃんが「なんで私なの~!!」と号泣。
瀬奈さんがトイレへ連れていってなだめていたら、上品なおばさまに「お辛いことがあったのね…」と同情されたそう(笑)
<瀬奈さんエリザベート役の時の話>
かなみちゃんに娘役メイクの仕方を教えてもらった。
あの時、かなみちゃんだけが瀬奈さんがエリザベート役をやるにあたり「大丈夫ですよ!」と言ってくれて、初日当日の舞台稽古を見た後も「すごい良かった!絶対大丈夫!!」と言ってくれて、瀬奈さんが大号泣した。
泣いてる間もずっとかなみちゃんが側で「大丈夫、大丈夫」と言ってくれていた。
瀬奈さん→「傍から見たら、“彩乃さん、瀬奈さん泣かしてるんじゃ…?”と思われそうなくらい(笑)当時はちょっと精神的に変でしたね。」
かなみちゃん→「瀬奈さんのストイックな稽古場での姿もずっと知っていたし、大丈夫としか思わなかったです。確かに当時の瀬奈さんの男役・次期トップという立場から、娘役というゼロからのスタートで大変だったと思うけれども、小池先生の役者の方を見る目も確かだし、絶対今までにないエリザベートになる!と思ったんですよね。自分自身が大変だった時に支えて助けてもらった過去があるから、瀬奈さんが大変な時に今度は自分が!という意識が本能的に働いた感じです。」
<かなみちゃんの退団発表の話>
『マジシャンの憂鬱』の公演中、舞台袖の早変わり室にいる時、かなみちゃんは「次の公演の時、私ここにいない気がする、と思った」そう。
それは辞めたい、とか、辞めなきゃ、という意識からではなく、もっと自然と自分の中からそういう思いが浮かんできた。
自分の本音では、自分の魅力を自分以上に引き出して美しく飾り立てて見せてくれるこんな世界にいられるならずっとやっていたいという思いと、でも、こんな自分が10代の女の子の役をやっていいんだろうか、とか、瀬奈さんに対しても、もっと別の相手役のほうが、もっとダンスを存分に発揮するショーが出来るんじゃないか、とか色々な思いがずっとぐるぐるしていて、退団発表してからもずっとずっと本当に辞めるのか辞めるのをやめようか(笑)迷っていた。そしてそんなことを失礼ながらずっと瀬奈さんに相談していた。
瀬奈さん→「一緒に辞めてとは言えないし、コンビといえどもそこは個人の意思を尊重して。でも、みほこの実力を私のために宝塚に留めてしまってはいけないなと思った。たぶんみほこ的にも宝塚の娘役という枠での表現はし尽くしたんだろうなと思って。みほこの相談にのって「よく考えなよ」とか言いながら自分も内心「私も辞めるべきかどうしようか」と迷っていた(笑)」
<雪の日のお話>
今年の冬、かなみちゃんにちょっと落ち込む出来事があり、瀬奈さんからしたら「くだらね」と思うことだったそう(笑)ですが、かなみちゃんは本当に落ち込んでいて、瀬奈さんが自宅に招いてくれた。瀬奈さんの甥っ子のどんじゃらゲームを借りて、車でかなみちゃんを迎えに行き、瀬奈さんの旦那さんも交えてどんじゃらをしてかなみちゃんを盛り上げてあげたそう。かなみちゃんは泣き笑いでどんじゃらをしていたとか。
実は瀬奈さんが主演になる時、相手役さんをどうしますか?と劇団に聞かれて、彩乃さんを指名したら、叶えてもらえたそう。
「私の場合は、ですよ。他の主演の方皆さんがそうなのかは分からないけど」とのこと。
彩乃さんのどういう所が瀬奈さんの心をそこまで揺り動かしたのでしょう?
「なんだろう…、この、中井さんも先ほどおっしゃってましたが、人を笑顔にさせる雰囲気とか、明るさみたいなもの。」
かなみちゃんにとって瀬奈さんは
「色んなことを一番に相談している方だし、隠し事していても見抜かれる。お姉さんのような、下級生なのに失礼ですが親友のような方です。」とのこと。
最後に「今後もまた皆さんに呼んで頂けたら、また2人でのトークショーが2回3回と出来たらと思います。」とご挨拶され、お2人にとって思い出深い曲「ランベス・ウォーク」を歌いながら客席を通って退場されました。
こうしてトークショーの内容を文章にしてしまうと、結構深いシリアスなお話ばかりだったかのように見えますが、瀬奈さんが話題を笑える方向へ持っていって下さって、そこへかなみちゃんの人を笑顔にさせる力も加わって、意外に(?)終始笑いの絶えないお話になっていました。
かなみちゃんの場合は天然のものと思われますが(…失礼!)瀬奈さんはおそらく話が重くなり過ぎないように、意識的にそうされていたように思います。
トーク内でお話された過去の出来事についてもそうですが、こういった気配りをさらりと出来る瀬奈さんの人間性が本当に素晴らしいですね。
ところで。
このトークショーの前までは、お2人の仲の良さは重々承知ではいたものの、現役トップコンビだった時は、かなみちゃんの瀬奈さんへの信頼感や愛情は常々表れていたけど、瀬奈さんはかなみちゃんに対して割とクール&ドライな接し方だった気がしていて。
…まぁ男役・娘役だったから、そういういわば"亭主関白”な雰囲気の方が、逆のイメージよりはコンビとしての印象も良かったと思いますが…(瀬奈さんが実際そこまで計算して故意にそう見えるようにしていたのかどうかは分かりませんが)。
瀬奈さんのエッセイ『日々、ことだま』でも、かなみちゃんについて書かれたページがあって、そのとても愛情深い内容の文章と、ファンの前で見せる対かなみちゃんへの態度との温度差に、いまいち真の2人の関係がよく分からなかったんですが…(単に私の見る目が浅いだけかもですが)
今回のトークショーを聞いて、改めて、かなみちゃんが瀬奈さんを慕っているということ、そして瀬奈さんも心底かなみちゃんを大切にかわいがっているということが伺えました(^^)
かわいがっている、といってもそれは決して、かわいいかわいいと“甘やかしている”ということではなく、もっととても対等なもので。
相手が辛い時にそっと寄り添ってあげる、とか、相手の全てを受け入れる、とか、いい意味で相手に頼る、とか。
お互いに、お互いが、そう出来る関係…、親友よりも更に深い仲(アヤシい意味ではなくて…)なのだと感じました。
その仲を敢えて言葉で表現するならば、よく瀬奈さん自身が言う「戦友」ってことになるんじゃないかと今書いてて思いました。…深いっっ!!
私的には、親友というか、姉妹?でも姉妹というよりかは兄妹…優しく懐の深いお兄ちゃんな瀬奈さんと、奔放で甘えたな妹のかなみちゃんという印象を受けました。
そして私の中で、かなみちゃんの印象が現役のときと少し変わりました(笑)
ちなみに私はかなみちゃんの娘役が大好きですし、今も気になるOGの方の一人です。
現役の時は、そのプロフェッショナルな歌声と実力派で隙のない舞台姿とか、舞台上で瀬奈さんをフォローする姿を見かける機会が割と多かったので、それこそ完璧な娘役さん・かなみちゃんほど出来る娘役はいない!というイメージが強くて。
舞台以外での知的なコメントや気の遣い方、髪型・私服・稽古着のセンス等に至るまで、その女子力の高さは同性としてお手本にしたいほど、いわゆる“出来る女”だと思っていたのですが、今回のトークショーで、実はもっとほわ~んとした、天然で天真爛漫な面が意外とある方なのだということを実感しました(笑)
見た目的にもハキハキというよりかは、ほわほわ、という方なので、またCS放送などの発言でも時に予想外な言動をされたりしていて、天然さも持ち合わせている方だとは知っていたんですが、予想以上にその面が強い方なのかも、と(笑)
なので「宝塚を辞めるか辞めるのやめようか悩んでいた」というお話も、えぇ~!そんな優柔不断な面もあるの?と結構衝撃でした(笑)
てっきり一刀両断タイプ…とまではいかずとも、一度決めたらブレない方だと思っていたので。
そして、そんなかなみちゃんを瀬奈さんが受け入れている・仲良しだというのも、なんだかちょっと意外でした。
…ものすごい失礼なこと書いてますけど、すみません;;
お2人の間でこれまでの色々な出来事があって今現在の関係に至っていることはもちろん分かっていますが、タイプ的には瀬奈さんとかなみちゃんは実は対照的なような…?
人は自分にないものを他人に求めると言いますが、そういうことでしょうか。
それとも瀬奈さん自身にも意外とそういった面があるのかな…?
まだまだお2人の仲は奥が深そうです。
お2人のトークショー2回目3回目があることを期待してます。
知りたかった内容でしたので、記事にしてくださって、とっても嬉しいです。
当時から仲が良かったお二人ですが、今でも仲良しのままでいらっしゃって、ほっこりしますね。
あらためて、ありがとうございました。
単なる自分の観劇記録的に始めたマイペースブログですが、お役に立てたのなら嬉しいです。
瀬奈さんと彩乃さん、お2人ともとても自然体で素敵でした。