なた豆入門(今年はアニメ『ジャックとナタマメ』に協力!予定?)

入門者の入門者による入門者のためのページ
 なた豆資料館 なたまめ ナタマメ なた豆 ナタ豆 刀豆

「魔豆」(缶入りメッセージ豆)の業界自主基準について

2005-08-14 19:20:40 | Weblog
我が家のプランター栽培で育った白なた豆の花も咲き始めました。
シロップを求めて小さな虫たちも集まってきます。
その隣には赤なた豆の巨大なサヤがぶらさがっています。

今日は少し中国の「魔豆」(モードウ:MoDou)(メッセージ豆)誕生物語と日本に輸入されてからアイデア商品としてヒットするまでを触れてみます。

中国の魔豆(メッセージ豆)は赤なた豆を主に使っています。
赤なた豆は毒性があるといわれています。
昔から「四季豆」とか「扁豆」と呼ばれて中国各地で食材として使われていた模様です。「刀豆(なたまめ)」という呼び名は中国南方を中心に使われています。

残念ながら毒性があるので、毎年のように加熱が不十分なために中国各地でこの赤なた豆の食中毒が発生しています。

一方、発芽状態が独特な「刀豆(なたまめ)」を使った新しいビジネスが中国で話題にもなりました。
中国の缶入り鑑賞(ギフト)植物ビジネスは2~3年前に市場における過剰供給から製品がだぶついてしまったらしい。
「易拉缶(YiLaGuan)(イーラーグアン)」という中国名のいわゆるキャップ付アルミ缶に鑑賞用植物を入れたビジネスが曲がり角に来ていたときにあるヒトがひらめいて作ったのが「魔豆」(マジックビーンズ)です。

この魔豆(モードウ:MoDou)という製品に使われる豆は、赤なた豆にレーザーでメッセージを刻字したものです。
愛情魔豆シリーズから何々魔豆シリーズと次々にいろんなメッセージが豆の外皮に焼き付けられ、缶に培養土とともに入れられます。

なぜ、毒性のある刀豆を使ったのか?
答えは単純です。外皮に刻字したメッセージが土の上にむっくりと顔を出す。
こういう発芽習性を持つ豆は、刀豆以外に意外に少ないのです。
(発芽状態はアニメでご紹介しています→http://iyoway.jp
(詳しい違いは→http://iyoway.jp/nata_gal001.htm

なた豆の発芽


どうしてもメッセージが刻まれた豆身は、土の下に埋まったままでは駄目なのでした。これと強すぎず、弱すぎず適度な調整でレーザーを照射するというのが中国の特許にもなったらしい。

原価はわずかでも、儲けは大きい。ビッグビジネスチャンスに中国の業界は活気付きました。青年層を中心にブームになり、中国中央テレビ局などでもニュービジネスの成功物語、あるいはアイデアヒット商品誕生物語として広く報道され、ますますプレゼント商品として歓迎されたとのことです。

中国では刀豆類が、食材や漢方以外にすごい付加価値を生むというので、脚光を浴び、違った取引ルートが形成されました。そして巨大市場である日本にも輸出され、現在にいたっています。

日本でもヒットをして、今でも関心を持つ方々が少なくありません。しかし、日本には中国直輸入だけでなく韓国からも輸入され、中には毒性の強いハマナタマメという豆まで使用された製品が市場に出回っています。
多種多様な「魔豆」がすでに大量に普及しています。

そこで私どもが望むことは、日本の個別の玩具メーカーごとではなく、玩具業界団体や輸入関連業界が統一的に自主基準をまとめていただきたいということです。

例えば、100円ライター業界が最近10年以上経過したライターは大きな炎がたちのぼって火傷事故を起こす危険性があるので、そうした注意表示と製造(使用)期限を明示するような自主基準を設けたとニュースでききました。
我が家は喫煙者がいないので見たことありませんが。。

同じように「魔豆」(缶入りメッセージ豆玩具)も業界が自主基準を設け、統一的に毒性・非食用などの表示義務や宣伝義務を決められるのがよかろうかと存じます。

魔豆の毒性についてのアンケート結果を見て驚くことのひとつは、必ずしも「想定範囲内」でユーザーが行動しないことです。
毒性を知った後でも、他人にプレゼントしたり、空き地に黙って植えたり、少数とはいえ、試しに食べてみたいといった反応があります。
もっと驚くことに一部の人の心の中に、毒性のある豆を「悪用」してみたいといった反応があることです。

中国でブームとなった「魔豆」も今年に入ってすでに供給過剰の兆しが見えてきたそうです。次は「魔蛋」(MoDan)(モーダン)という卵の中に「刀豆」を入れた製品がネクストヒット?商品かと期待されているそうですが、果たしてどこまでブームが続くことやら?

入れ物も多種多様になっています。しかし、使われる豆は発芽特性から「刀豆」が使われ続けることでしょう。

日本の玩具・輸入業界団体が自主的にきちんとした基準を設け、実行されることを願ってやみません。

最新の画像もっと見る