那須どうぶつ王国 Official Blog

那須高原の大自然で、動物たちの驚きと感動のパフォーマンス!! その一部を紹介します~

王国日記 Vol 1

2006-09-15 | その他
パグのココナッツは、8歳になる初老の犬です。
幼い頃から、マイペースでおやつが大好きなココナッツは、みんなから「ナッツ」と呼ばれています。
日向ぼっこと昼寝で、専ら1日が過ぎてしまいます。日をいっぱいに浴びてホカホカになったナッツを数多くのお客さんがやさしく撫ぜてくれました。ナッツもまたそのお客さんのぬくもりを感じ、また深い眠りにつくのでした。
夕日が沈む頃、お客さんの賑やかな声に別れを告げ冷えきった風を感じ、おもむろに立ち上がったナッツは、小さな歩幅をゆっくりと進め、おうちへと帰って行きます。その帰り道ナッツは何度となく立ち止まります。しわしわの顔の中にある黒くて丸い目をクリクリさせて、遠くをみつめます。
どんな事を考えているのでしょうか・・・?今日見た夢の事。物思いにふけったあの時の事。それともただ単に帰路の途中の一休みなのでしょうか?それは、ナッツだけにしか分からないナッツのペースなのです。
8年間も王国で暮らしているナッツは、色々な仲間達と色々な事で、一喜一憂してきました。初めての雷に大好きな昼寝を邪魔されたあの日。極上ビーフジャーキーにフゴフゴと鼻を鳴らしたあの日。運動不足を心配したスタッフと一緒にダイエットに励んだあの日。犬社会にもある世代交代の波に押されて表舞台からは1歩退いた感じのナッツは、もうすぐ王国引退の時期を迎えています。新しい里親さんが見つかるまではずっと王国犬軍団の1員ですが、これからのナッツには、新しい世界が待っているかもしれません。そんな事を知ってか知らずか相変わらずマイペースにお昼寝するナッツ。
これからをどう生きるかではなく、今あるこの時間をどう過ごすかという大切な事を忙しさの中で忘れかけていた私達にナッツは、ナッツのカタチで教えてくれたような気がしました。
秋の風が漂う今日も、ナッツは自分のペースで風を感じ、時が過ぎるのをゆっくりと楽しんでいるかのようでした。

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