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手話(サイン・ランゲージ)

2013年03月28日 | 研究
手話(サイン・ランゲージ)は、日本語や英語と同じように文法をもつ自然言語の一つである。それは、子どもが手話を母語として獲得できることからも明らかである。手話を母語とする人を、ネイティブ・サイナー(native signer)と呼ぶ。(中略)ネイティブ・サイナーの流れるような無駄のない手の動きを観ていると、芸術か魔法のようにみえる。ネイティブ・サイナーは、考えごとをしたり夢をみたりするときにも、頭の中で手話をつかっているという。声が届かないところにいる人とも、手話でなら会話ができるし、雑踏のなかでも、雑音にじゃまされずにすむ。         『言語の脳科学』(酒井邦嘉)

われわれは、通常、言語とは話しことばと文字(書きことば)と考えるが、未だ文字をもたない民族もいることから、文字は話しことばの後に生まれた二次的なもので「言語」に必須なものではない。では、話しことば(音声言語)こそが、唯一の一次的な言語であるかと言えば、上記のように、ろうあ者が使う手話も自然言語であるなら、言語の定義はそれほど簡単ではない。マクルーハンは、言語を電子メディアにまで拡大して論じて文字識者を混乱させたが、言語とは何かという問いは未だ広大な未探査分野である。言語とメディアをめぐっての議論は尽きることはないだろう
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