活字メディアが公衆publicを生んだと同じように、それぞれの新しいテクノロジーやわれわれの身体的な拡張は、新しい環境を作り出すことになる。情報の時代においては、環境になるのは情報そのものである。例えば、地球から打ち上げられた衛星とアンテナは、環境であった地球を探査針probeに変容させてしまった。これこそ、前世紀の芸術家たちが数限りない実験的なモデルでわれわれに説いてきた変容である。現代アートは、絵画であれ、詩であれ、あるいは音楽であれ、消費者向けの商品パッケージではなく、探査針として機能し始めた。象徴派詩人たちは文字どおり、古い商品パッケージとしての詩を破壊し、われわれの手に探査針として詩を提示してきた。商品パッケージが消費者世代に属するのに対して、探査針は実験者世代に属するのである(The Relation of Environment to Anti-Environment/1966)。
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プロフィール
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nakazawayutaka_1958 | |
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著書:『哲学者マクルーハン』(講談社選書メチエ)、『マクルーハン・プレイ』(実業之日本社)
訳書:『メディアの法則』(NTT出版)、『ポストメディア論』(共訳/NTT出版) |