いつかのキャバリーマン

だらだら生きていたぐーたら大学生がキャバ○ラ経営者にのし上がる。~人生は20代をどう生きるかで決まる!~

「キャバクラは日本の縮図」いつかのキャバリーマン Vol.13

2006年04月14日 | 日記
キャバクラのカウンター業務も2ヶ月ぐらいたって、
さらに、新しい仕事が与えられた。

それは、ホール係の仕事。
今まで、カウンターにいる僕に容赦なしにいろいろオーダーを
出していたあのホール係。今までは、オーダーを受ける側だったのが
今度はオーダーを出す側に立つ。

ビラ配りの仕事からカウンター業務に変わった時ほどのワクワク感は無かった。

ホール係の仕事をするまでの僕のホール業務のイメージは
カウンター業務でやってた雑用に近い仕事の延長だと思っていた。

しかし、実際にホールに立つと今までとは別世界であることが分かった。

いつもの開店作業が終わって、PM7:00からお店がOPENする
お客様が少ない時間帯は、お店周辺でビラ配り。
そして、PM8:00ぐらいになると店に戻ってきてホールに立つ。

そうすると、今までと全く違う世界が広がっていた。
外から店に帰ってくると、ワッっという熱気に圧倒された。

暗い照明の中で、騒然と鳴り響くユーロビート。
派手な衣装を身にまとったのコンパニオン。忙しく動き回るスタッフ。
そして、そのコンパニオンを目当てにくるお客様。


今まで、同じ店の中でも、狭い視野の中で仕事をしていて店内の
ごく一部しか見ることができなかったのだが、ホール係は店全体を
見渡すことができる。

店内の熱気もリアルに感じることができるのだ。
後々に分かったのだが、この熱気を創り出すことがお店の売上げを
あげる重要な要素となる。熱気といってもイメージしづらいだろう。
ちょっと無理があるが、甲子園球場や、国技館で白熱した試合が
行われている場に立ったときに感じる一体感のあるあの濃い空気。

人はこの熱気を求めているのだろう。そこに、測りしえない夢や希望
を感じているに違いない。

そして、お客様とコンパニオンの微妙な駆け引きが創り出す数々の
ドラマが生まれるのだ。
そこには、複雑な誠意と化かし合い、お金と利害が絡み合う関係が
目の前にあった。

ボックス席8席+カウンターのそれほど大きくないお店だったが、
それそのものが日本の縮図にさえ感じた。

そのとき、これは将来役立つ重要な勉強になる!と肌で感じた。

考えて見ると、ちょっとした仕事の役割や視野の違いによってここ
まで、考え方が変わるものなのかと不思議に思った。
今までは、与えられる仕事をひたすら耐えながら頑張るといったマインド
だったが、この日以来、仕事を自分が将来生きるための勉強だと思うようになった。

今目の前で起こっている様々な駆け引きは、他の世界にも人が主体である以上必ず
存在し、それらの複合が社会を作っている。
それを知ることは役に立つとなんとなく思った。


まったく同じ店の1日なのだが今までの自分の考え方の小ささを思い知った。


そして、それ以来頭の中に「日本の縮図」というのがこびりついて、
店で起こる出来事や人との接触を貪欲に分析するようになっていた。

「なぜ、あの人はこんな反応をしたのか???」

と。

つづく


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