いつかのキャバリーマン

だらだら生きていたぐーたら大学生がキャバ○ラ経営者にのし上がる。~人生は20代をどう生きるかで決まる!~

「殿様と接客」いつかのキャバリーマン Vol.14

2006年04月17日 | 日記
遅れながら、ビラ配り4ヶ月、カウンター業務2ヶ月を終え、ホール係になった。
普通なら1週間もすればホールに立つ。

気にならないといえば嘘になるが、目の前の仕事と身につけられる能力を考えると
下積みが長かったことは問題では無かった。むしろ、より本質を見抜くことの重要性
を理解できたのでよかったと思う。

ホールの仕事は、カウンターの仕事と決定的に違う点がある。
「接客」をするという点だ。

新規のお客様が来店されたときの料金説明や、お客様に呼ばれ要望をお聞きするときの
対応。そして、クレーム対応。などなど。
接客といってもメインは当然コンパニオンなのでどちらかというと、黒子役といったところだ。

この、黒子役が大変なのだ。
お客様は、コンパニオンとの会話を求めている、我々黒子とは本質的に話をしたくないのだ。
また、酒が入っていて面倒な話は聞きたくない。
さらに、キャバクラはお客様からすると夢の楽園で殿様扱いされる場所であって、
黒子など下々の者という意識が強い。

こんな中で、トラブルを未然に防ぐために店の決まりや料金をきっちり説明するのは至難の技
なのだ。実際この料金説明がしっかり出来ていないことによるトラブルは結構ある。

特に、当時キャバクラが新規に進出した地域においては、1時間あたりの料金は理解されない
ことが多かった。

大雑把に料金はこうだ。

基本料金 1人1時間
 PM8:00までに来店  4500円
 PM9:00までに来店  5000円
 PM10:00までに来店  5500円
 PM10:00以降の来店  6000円

延長料金 1人あたり
 30分 3000円
 60分 5000円

ドリンク1杯 1000円~
指名料金  2000円/コンパニオン

さらに、15%のサービス料金、消費税5%、

例えば、一人で8時までに来店して1時間、ドリンク1杯、1人指名した場合。

基本料金 4500円
ドリンク 1000円
指名料金 2000円
サービス料金 15%
消費税    5% 
-----------------
合計   9050円(10円未満切捨て)

となる。料金表などにも詳細は明記してあるが、どうしても4500円だけをみて勘違いする人が多い。
まぁ、それを狙っていない訳でもないが・・・・

こんな複雑な料金体系を酔っ払いでせっかちな大殿様に正確に説明する必要があるのだから
それは大変なことだ。慣れていないとまず、聞いてもくれない。聞いてくれないどころか、
誤って気を損ねられると殴られることも多々ある。

命がけとは言わないが、まさに体を張った仕事だ。
こんな、怪獣みたいなお客様に説明を聞いてもらうにはコツがある。

まず、感謝の気持ちと誠意を体全体で表現すること。これで相手に安心感を与える。
そして、表情良くハキハキと端的に説明する。これでせっかちにも対応可能だ。
そして、大義名分を伝える。簡単に言うと「お客様のためを思ってあえて説明する」
と伝えるのだ。人は大義名分に弱い。

さらに、クレームなどの場合は、相手が何を求めているのかを正確に察知する必要が
ある。人は本当に求めている答えを口にしないことが多く、高度な洞察力を要する。

また、接客においてクレームの処理などで、重要な技がある。

それは、人間誰しも持ちうる自尊心をくすぐることだ。
人間は自尊心を捨てることを最も嫌う。ましてや、相手は大殿様だ。
この技さえ理解して対応すると大抵のクレームにも耐えられる。 

例えば、「他のお客様にご迷惑がかかりますので・・・・」というトークはかなり効く。
なぜかというと、自分はえらい殿様なのだから、他の市民に迷惑をかけるなどの狼藉を
働くわけがないと自分で確信しているのだ。
ただし、このトークは当然お客様に安心を与え、信頼関係を作り、誠意を見せてから
言うセリフなのだ。誤っていきなり「他のお客様に迷惑がかかるのでやめてくれ」なんて
いったら、それこそ殴られる。

こういった、人とのコミュニケーションの技はその後非常に役に立った。
例えば、就職活動時の面接。ある時期から1回も面接に落ちることは無かった。
また、会社に入ってからの営業。営業ではほとんど人に負けたことがない。

まぁ、そんなことに役立つなんてこの頃知る由も無く、ひたすら誠意をもって
対応することを心がけた。


つづく。


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