企業法談話室τ開店休業中

お客さん看板ですよ!!

最近のブックリストから

2006-06-25 23:00:23 | 出版文化

最近の読書リスト
行政民間化の公共性分析、日本評論社、
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4535514941/503-2301016-3276766?v=glance&n=465392
立憲的市民的自治構想とNPMとの差異というか折り合いについてのビジョンも示してほしいものです。一定の影響力を行使できる人々でしたら...。胴元を反映しているのは、勤務者とサービスとの折り合いをどこでつけるかという視点は、一貫していると思いますが...。
9時から17時までしか開館しない部局図書館か、9時から23時まで無人貸し出しシステムで貸出し・閲覧できる部局図書館とどちらがいいのかそれにどれくらい金をつぎ込むのか。
公共性の類型化に取り組んでいる姿勢は、なかなか買える部分であり、市場的公共性ということもよいでしょう。
PFIについては、リスクを管理するという実践的なスタンスでの提言になりきれていないところに弱点があります。
介護については、市町村の第1号保険者としての側面が存在していること、労働法、社会保障法、社会福祉法の研究者が入り乱れて論じていて、それぞれに白地が存在していることを認識しつつ、埋めないところに、今日的な弱点があり、施設の設置認可など行政計画としての側面があり、保険外サービスについては市場原理が機能する余地があることという側面を共同研究するなどの工夫が必要だと考えられ、後述のように、行政法や経済法の研究者を参画させる(引きづりこむ)必要があるのではないかと思います。それと学術として、イギリス・フランス・ドイツの介護制度の発端の歴史的淵源をもう少し丁寧になぞられるべきではないかと思います。
追記 法律時報9月号での福祉に関する小論説は破綻していると思います。介護・生活保護・障害者福祉・一人親支援の分類なしに、支出に対応する保険料などの徴収根拠に関する認識との関係を飛ばして、行政法がこれを包括的に語る脆弱な危険性を明らかにしたと思います。「契約への移行」と書いている割には、独立した会計制度なのか一般会計で運営しているのか、公会計制度を、特定研究団体の諸子がいかにNPMとの関係で理解できているかという文脈で再分析に軌道修正することをお勧めします。
<終戦の勅語なみに反省したほうがいいのでは。>
介護についての続き

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9979526696
みたいなところと西谷教授http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9871255144

の少しずれたところを文献で探せばそこそこ掘り出せるのではないかと思いますが。
なお、地方公共団体の契約検討・招請告示・契約・議会議決までの討議過程を透明性のあるものにするというのは理想論として脇において、その全段階に対して行政法という分析用具で分析してみます。というケースブックが必要なのでは。意思決定論に制約・ルールがあってそのルールが守れているかどうかという分析のやり方とは違いますが。
http://www.soumu.go.jp/iken/kenkyu/chihou_01.html
地方公共団体における民間委託の推進等に関する研究会(PDF)
1「地方公共団体の民間委託の推進等に関する研究会における中間論点整理」と読み比べてみるととても面白いのでしょう。契約のあり方と書いてありますがリスクとの対処の仕方という標題が正しいのでしょう。
IT化と現業部門の業務委託、福祉サービスの公募を丸ごと1つに包括して議論するのには無理があります。基金の設立では、会計上のコントロールの利かせ方をどのようなモデルにしていくのか検討していく余地はあります。
追記 プール管理の不備による小学生の死亡事故発生があり、その後の動向も含めて、行政法上の論点を提供するものであります。指定管理者制度により、収納管理も含めて任されている中で、施設管理のあり方に対する契約担当部課のかかわり方が細かく問われることとなりました。死亡者が出てしまう契約そのものはSLA(サービスレベルアグリーメント)という点では問題外です。
宮本常一著作集、新農村への提言Ⅰ、未来社
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4624924460/503-2301016-3276766?v=glance&n=465392
自作農改革についてのHPブログでの浅薄な議論を打ち砕くだけの価値がある。「日銀総裁に報告」って、渋沢敬三氏に報告するということなのだが...。
国際機構論(第2版)、東京大学出版会
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4130323369/503-2301016-3276766?v=glance&n=465392
国際機関での理念なき勝利のまえの主導権争いを「革命」・「反革命」で表現することにあまり意味がないと若干感じました。どうしてこんな表現になったのかしら
やわらかく書いてあることに意義は見出していますが。
「過去の責任と現在の法」、岩波書店
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4000224476/503-2301016-3276766?v=glance&n=465392
監修者が、あとがきで「作者を見つけたこと」に満足していて、訳についての注がないので、コレを糸口に学問的な拡がりを求めようとするのは若干辛そうな構成が残念である。改版するときに訳注と解説の一層の充実が望まれる。特に同時代のハーバーマスやルーマンのような法哲学者や社会学者との距離感・位相を解説しておくほうが、学術的価値も高まるのではないでしょうか。「講座 基本法学」「ローマ法」と実績を重ねて頂いている出版社の実績に少し遠いと思いますが。

「税制改正50年」、大蔵財務協会
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4754712250/503-2301016-3276766?v=glance&n=465392
上記の中で金を払って買う価値があると思った本です。消費税導入時の政策担当者の意地と政権担当者の意図がよくわかります。