未知との遭遇・見えないイメージの探索

主人公ロイは、日常生活に見え隠れする奇妙なイメージを追い求め、ついに未知のターゲットに遭遇する

ねじまき鳥

2009-11-04 18:37:30 | Weblog
「ねじまき鳥・・・」読了
前回リストした本は、
最後を除いてすべて、ファンタジーでした。

いままで、ベストセラーは新刊で読んだことがなかったし、
1Q84もそのうち図書館で、
と思っていたら、
「ねじまき鳥・・・」がノーベル賞候補!?
などと書かれた新聞の文化欄の記事があったので
(すでに今年のノーベル賞は逃したようですが・・・)
中古を探していると
一冊105円(3巻合計315円)で出回ってました。
一冊一ヶ月以上のペースで
ゆっくりこの本で年を越すかと思ってたら、
のっけから、不思議の国のアリスの世界に入り、
倍以上のペースになってしまった
シュールリアリズムの絵画を絵巻物にしたような展開で、
(なんだか平面的な記述で、空間的な奥行きがない、
でも、時間を感じさせる)
2巻目を読了しても、これがノーベル賞候補?
などと首をかしげながら読み進む。

時は1984年、主人公の周辺の現在進行形の描写は平面的だが、
満州やシベリアでの終戦前後の残酷なシーンでは
逆に空間的にも奥行きがあり実体感のある世界になっている。

しかし3巻を読了しても、
過去と未来、人と人との因果関係がはっきりせず、
不思議の国に残されたままで終わってしまう。
多分それが、
村上氏の小説のリピート率が高い理由なのでしょうか