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アテローム(粉瘤) Q8 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)について

2018年06月15日 | 健康医学

日本皮膚科学会HP 皮膚科Q&A アテローム(粉瘤) Q8  について

2017年5月の時点では下記の内容でした。

以下の理由でかなり無責任なQ&Aです。

「放っておくと、」..
 当院のアンケート集計では
 ・3割強の人が経過観察等の説明を受けていますが、放っておいて、大きくなることはあっても、消えて無くなることはありません。

「炎症を起こしたり」..
 当院のアンケート集計では
 ・粉瘤で受診した患者さんの64%に炎症や化膿したことがあり、
      その49%は2回以上
           34%は3回以上の炎症の繰り返しています
 つまり、一度炎症を起こすと、5割の確率で2度目の炎症を起し、その7割の人は3回以上の炎症を繰り返してるということです。

したがって、「粉瘤」と言われたら、炎症や感染を起こしていない早い時期の手術をお勧めします。                  

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「ある程度以上の大きさ」..どの位の大きさかさっぱりわかりませんね
   経験的に画像診断で腫瘍径3mm程度(触診だと5mm位)までは待ってもいいと思われます。その理由として、それより小さくてもキズ跡の大きさはあまり変わりません。

 しかし、自然に治ることはないので、待っている間に炎症を起こすこともありますので、待たずに手術することをお勧めします。当院では1、2mm程度の粉瘤でも手術しています。

しかも、小さいうちに手術した方が、大きくなって手術するよりも、キズ跡は小さく、術後の痛みも少なく、又、手術代金も安くてすみます。  

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・「良性腫瘍ですので」..何を根拠に粉瘤と診断するのでしょうか。

 当院でのアンケート集計では93%の患者さんは画像検査をされないで説明を受けています。..見て、触っただけで粉瘤とわかるのでしょうか。

先日、岡山県内の病院皮膚科で粉瘤と診断されて、当院を受診された患者さんがいました。エコー検査で粉瘤でないことはわかりましたが、診断がつかないので、摘出したところ「悪性リンパ腫」という病理診断でした。経過観察されていたら....ぞっ-としますね。 

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もっとひどいのは「切除するか、しないかは御本人の自由意志」..これ以上書くと悪口にしかとられませんので止めておきます。下図を参考にして下さい。

   2017年から何の根拠もないのに治療法が変わりましたね。

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粉瘤 統計 2016,7年の2年間 要旨

2018年06月14日 | 健康医学

 2018.4.28-29 仙台で第34回 臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会が開催されたので

「2016 、7年に当院を受診した粉瘤(炎症性粉瘤含む)患者について」を発表しました。

発表の要旨は
  2016、7年の2年間の当院受診の粉瘤の患者さんのアンケートを集計したところ
 ・総数 382名、 男性 183名(48%) 、女性 199名(52%) で女性が男性よりやや多い
 ・年齢は..20~40歳代が多い 
 ・2個以上の粉瘤を持っている人..29%
  ・気がついてから3年以上経っている人:38%、10年以上:15%
  ・炎症や化膿したことがある人..64% 、うち34%は3回以上
  ・病院や医師に受診or相談したことのある人..約50%、うち6割が皮膚科
    ・画像検査を受けた人..7%
   ・粉瘤と診断されたのは..32%
   ・約3割強が経過観察(様子を見ましょう)等の説明を受けている     
 ・当院を受診した理由として
   ・病名を知りたい..23%   
   ・癌が心配..7%
   ・手術でもいいから治したい..58%
   ・キズ跡は少しでも綺麗な方がいい ..35%                                                   
  ・他医の説明と患者さんの聞きたいこととに、違いがある可能性が示唆されました

粉瘤は少しずつ大きくなります。自然には治ることはありません。経過が長くなると、炎症や化膿を繰り返すことがありますので、気がついたら早いうちの手術をお勧めします。

☆当院の治療の流れ
  アンケート兼問診票で患者の希望を把握し、超音波検査(エコー検査)を施行して、説明をしています。
  粉瘤と診断すれば上記の理由で、早めの摘出を勧めています。
   手術時は摘出したものを見せて説明、希望があれば病理検査を提出します。
  炎症を起こしている場合は落ち着いてからの摘出を勧めています。

☆アンケートで患者さんの傾向や希望がわかり、
      適確な説明と治療ができるので、今後も継続していきたいと考えています.

もう少し詳しく知りたい方は「粉瘤(炎症性粉瘤含む)患者の 統計 一般向け(やや詳しい編)」をご覧下さい。

 


粉瘤(炎症性粉瘤含む)患者の 統計 一般向け(やや詳しい編)

2018年06月14日 | 健康医学

 2018.4.28-29 第34回 日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術集会で

「2016 、7年に当院を受診した粉瘤(炎症性粉瘤含む)患者について」を発表しました。

概略を知りたい方は「粉瘤 統計 2016,7年の2年間 要旨」をご覧下さい。

2016,7年の2年間の当院受診の粉瘤の患者さんは総数 382名で、
・男性 183名(48%) 、女性 199名(52%) で女性が男性よりやや多い


・年齢構成(%)は(図参照)..20~40歳代が多い

 
   
・個数は1つが71%、2つ以上が29%..複数できる人も意外に多い。
  ..5個以上できる人は体質と思っていいでしょう。


・できやすい部位は顔、背中、お尻、首..の順(表参照)
  

・初めて気がついてから、当院を受診までの期間は
    1年以内が42%
  3年以上10年未満が23%
 10年以上が15%
      ..当院受診までの期間の長い人が多い様に思われます。

・炎症の既往(赤くなったり、痛くなったこと)のある人は64%
      その49%は2回以上の炎症の既往があり、
           34%は3回以上繰り返している
  つまり一度炎症を起こすと、5割の確率で2度目の炎症を起こす。そして、その7割の人は3回以上の炎症を繰り返し起こしているということです。

・医師受診、相談歴は約5割(49.5%)で、うち6割が皮膚科
 その説明は(表参照)
  ・粉瘤と診断されたのは..32%、
      良性のしこりとか脂肪腫..37%
  ・小さいから気にしなくていい..21%
  ・良性だから様子を見ましょう..11%
     ..約3割が経過観察等の説明を受けていました
  ・手術しましょうはと言われた人は..たった8%
  ・画像検査を受けた人は14名(7%) で、93%の人が検査もされずに説明を受けていることがわかりました。..これではまともな診断や説明はできないと思われます。手術するにしても、粉瘤の状態がわからずに手術することになります。


・粉瘤を放置しても自然治癒は得られません。
・経過が長くなれば炎症や感染を繰り返し起こすので、粉瘤と診断すれば積極的に手術を勧め
  ています。

・当院を受診した理由は(表参照)

当院の治療の流れ
  アンケート兼問診票で患者の希望を把握し、超音波検査(エコー検査)を施行して、説明をしています。
  粉瘤と診断すれば上記の理由で、早めの摘出を勧めています。
  希望あれば組織検査施行
  炎症を起こしている場合は落ち着いてからの摘出を勧めています。
アンケートで
・癌が心配..摘出、組織検査施行
・病名を知りたい(確定診断) .. エコー検査後の説明で、ほぼ全員が納得してくれています
・手術せずに治したい..
    皇太子様も手術で治している。治すには手術しかありませんと説明..100%納得
・手術でもいいから治したい(完全に)..一般的な手術法を説明(図a,b法)


・くり抜き法、へそ抜き法で治したい..キズ痕は小さく なりますが、決してきれいになるとは限りません。再発の可能性ありますと説明しています。

・綺麗なキズ跡の方がいい
・小さいキズ跡の方がいい 
  ..c、d法を説明。この方法は超音波検査(エコー)をして粉瘤の状態を確認する必要あります。
 画像検査なしで手術の説明を受けられた方はこの方法はあまり期待しない方がいいでしょう。
 炎症を繰り返している場合はまわりの線維が硬くなっているので、難しくなります。


・アンケートで患者の傾向や希望がわかり的確な説明ができるので、今後も継続していきたいと考えています。


粉瘤の くり抜き法、へそ抜き法 について

2018年06月13日 | 健康医学

 

くり抜き法、へそ抜き法..下図のようにキズ跡は小さくなりますが、決して綺麗になるとは言えません。再発もすることがあります。




「皮膚疾患最新の治療2017-2018 南江堂2017.1.30」でも
         へそ抜き法はキズは小さいが、取り残しや炎症を起こしやすく熟練が必要、、、 とのこと

症例によってはうまく取れることもあるようです。とりあえずの処置としてはいいでしょうが、完全に摘出することはあまり期待しないほうがいいでしょう。
外来で簡単にできると言っている施設もあるようですが、??ですね。
超音波検査検査で粉瘤の壁がはっきりしている場合と軽く炎症を起こして周囲の組織と剥がれかかっている場合にはうまく取れることもあるでしょう。当院では希望される方にしか施行していません。     2018.6.12

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へそ抜き法について

参考にしてください