脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)は老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい) とも言われています。
良性の腫瘍です。一般には「年寄りいぼ」とも言われ、名前のとおり年を取るとでできます。皮膚の老化現象のひとつですが、若い人にもできることがあります。
症状
顔、頭や全身どこにでもできます。いぼのようにざらざらしたできものです。初めは1,2ミリ位ですが、放っておくと少しずつ大きくなります。
色は、皮膚色~淡褐色~黒色まで色々です。歳を取るにつれて、数が増えてきます。かゆみを伴うこともあります。
顔には数多くできることがあります。老人性のシミと一緒にできることが多いようです。
年々大きくなりますから、小さいうちに取ってしまえば、問題ありませんので、早めの処置をお勧めします。
出来やすい人は、これを機会に年1度はチェックすることをお勧めします。
治療法は
数ミリまでのものは、電気焼灼で簡単に治療できます。冷凍療法、レーザー治療もあります。それより大きくなると、手術が必要になります。
気をつけなければならないことは?
脂漏性角化症と思っていても、皮膚ガンであることがあります。
特に前癌状態である、老人性角化症とは区別しづらいこともあります。
その場合には病理検査をお勧めします。皮膚の一部を切除するか、全部取って組織検査に出します。
電気焼灼、冷凍療法やレーザー照射で治療する場合は組織検査は出来ませんので、癌が心配の場合は組織の検査をしてもらいましょう。
少し疑わしい場合はこちらから「念のため組織検査しておきましょう。」とお勧めします。
脂漏性角化症の組織像は多種多様です。図は皮膚科学(金芳堂)を改変しました。
2011.11に脂漏性角化症(老人性疣贅)からの癌になったという報告があります。(下方に掲示しました)
長寿社会になっていますので、小さいうちに早めに処置されることをお勧めします。
特に幼少から青春時代に太陽のもとで、紫外線をよく浴びた人は光老化が早くから始まりますので、ケアを怠らないようにしましょう。
症例はホームページ(http://nagase-keiseikai.com )でも少しづつアップしてくつもりです。