西村監督は自身の胴上げを予想済み!?
V字回復を遂げたロッテに死角なし。
今年は開幕から雨の日が多い。
インターネットで東京都の過去の天気を調べたところ、5月は15日の時点で5日間が雨マークがついていた。4月は2日間しか雨マークが付いていなかったが、4月24~26日の東京地方は3日間全て雨模様だったと記憶しているから小雨、通り雨なども含めたら折りたたみ傘を必要としない日はない。一足早く梅雨時期が来てしまった、そんな感じだ。
そんな気まぐれ天気に振り回され、自身の開幕がすっかり後まわしになったベテランがふたりいる。千葉ロッテの渡辺俊介と小野晋吾だ。
千葉ロッテの開幕1週目の先発は成瀬善久、唐川侑己、藤岡貴裕、グライシンガー、ペンの5人の順で予定されていたが、渡辺も当初は先発6番手として1週間遅れの開幕を控えていた。
しかし、初登板の予定だった4月12日のゲーム(対オリックス戦)が前日の雨天中止にともない、ペンのスライド登板に変更になると、翌週の東北楽天戦も17日の第1戦が雨天中止になり、グライシンガーのスライド登板で渡辺の初登板はまたしても後回しになるかと囁かれた。
雨天で3度も中断した試合でも集中力を保ち続けた渡辺俊介。
しかし、ここはさすがの西村監督も渡辺の精神面を気遣った。
開幕からこの日まで15イニング連続無失点だったグライシンガーの登板をひとつ飛ばすことで渡辺の先発を用意。リーグ開幕から3週間にしてようやく渡辺は自身の開幕を迎えることが出来た。
この間の西村監督の対応も実に堂々としていた。
報道陣から連日のように渡辺、小野の初登板について質問が飛んでも「今はルーキーが頑張っていますが、小野、渡辺……彼らベテランに頼らなければならないときがきっときますから」と、しっかりフォローを入れて焦るそぶりを微塵も見せなかった。
その言葉通り、渡辺は一軍に昇格すると5月に入って2連勝。5月9日の北海道日本ハム戦(QVCマリン)では雨による3度の試合中断に悩まされながら、それこそ雨に鍛えられた精神力で集中を切らさず、雨天コールドになった5回まで1失点に抑える好投を見せた。
小野晋吾も西村監督の“未来日記”通りの堅実な投球を。
開幕から5試合をイースタンで先発した小野もそうだ。
小野は1カ月半遅れの“開幕”となったが5月13日の対福岡ソフトバンク戦(QVCマリン)では、ルーキー藤岡貴裕の2番手として今季初登板を果たすと、きっちり2回を無失点に抑え今季初勝利をもぎとった。
「この日が来るのを信じて準備してきた。やっと開幕出来た」
「新人がすごく頑張っているのでベテランもそれをフォローしたい」(ともに小野)
まるで“未来日記”を手に入れたかのように、西村監督の前述の言葉通りになった。西村監督には今季のゴールがすでに見えているのか?
一軍ヘッドコーチと二軍監督の交代で情報交換が緊密に。
慢性の腰痛で1年間をフルに戦うのが難しい一塁手・福浦和也についても大松尚逸との併用でけっして無理をさせない。4打点をあげて今季初のお立ち台に上がった4月18日の試合後も「ゆっくり焦らず休ませながら……。今はまだ無理をさせる時期じゃない」と西村監督はマイペースにコメントをしている。強い競走馬はゴールがどこかを知っているというが、今季の西村監督もゴールがどこにあるか見えている。そんな気さえしてくる。
昨年は最下位だったチームがなぜ短期間でここまで立て直すことが出来たのか。
一因として考えられるのは一、二軍の選手、スタッフの連携が昨年以上に取れていることだ。昨年一軍のヘッドコーチを務めていた青山道雄は今年から二軍監督に、昨年まで二軍監督を務めていた高橋慶彦は反対に一軍ヘッドコーチに就任したが、互いが互いの事情をよく知るだけに、今季は一、二軍の選手の入れ替え時期が絶妙になっている。
前述した渡辺、小野はもちろんのことキャンプ、オープン戦と二軍で過ごしてきた外野手の角中勝也が一軍昇格後、すぐに結果を出してスタメンに定着したのがもっともいい例だ。
専門コーチ陣も配置転換し、若手の指導に力を入れる。
青山、高橋の両氏の他にも打撃コーチ、投手コーチ、内野守備、外野守備走塁コーチなど各専門スタッフも一、二軍すべて入れ替えた。
ある若手選手はこう述べる。
「昨年までファームで見てもらっていたことが、今年一軍に上がったらそのまま引き継いでみてもらえる。モチベーションも当然上がりますね」
5月15日現在、千葉ロッテは一、二軍ともに首位を走っている。
交流戦の開幕に合わせたかのようにファームから内竜也が昇格。今後も荻野貴司、上野大樹、伊藤義弘といった二軍調整組が最良の状態で、疲れの見えた現在の一軍メンバーをカバーすることになるだろう。
「雨降って地固まる」の言葉があるが、今年の千葉ロッテは昨年吹き荒れた大嵐を乗り越えた。
(number)
V字回復を遂げたロッテに死角なし。
今年は開幕から雨の日が多い。
インターネットで東京都の過去の天気を調べたところ、5月は15日の時点で5日間が雨マークがついていた。4月は2日間しか雨マークが付いていなかったが、4月24~26日の東京地方は3日間全て雨模様だったと記憶しているから小雨、通り雨なども含めたら折りたたみ傘を必要としない日はない。一足早く梅雨時期が来てしまった、そんな感じだ。
そんな気まぐれ天気に振り回され、自身の開幕がすっかり後まわしになったベテランがふたりいる。千葉ロッテの渡辺俊介と小野晋吾だ。
千葉ロッテの開幕1週目の先発は成瀬善久、唐川侑己、藤岡貴裕、グライシンガー、ペンの5人の順で予定されていたが、渡辺も当初は先発6番手として1週間遅れの開幕を控えていた。
しかし、初登板の予定だった4月12日のゲーム(対オリックス戦)が前日の雨天中止にともない、ペンのスライド登板に変更になると、翌週の東北楽天戦も17日の第1戦が雨天中止になり、グライシンガーのスライド登板で渡辺の初登板はまたしても後回しになるかと囁かれた。
雨天で3度も中断した試合でも集中力を保ち続けた渡辺俊介。
しかし、ここはさすがの西村監督も渡辺の精神面を気遣った。
開幕からこの日まで15イニング連続無失点だったグライシンガーの登板をひとつ飛ばすことで渡辺の先発を用意。リーグ開幕から3週間にしてようやく渡辺は自身の開幕を迎えることが出来た。
この間の西村監督の対応も実に堂々としていた。
報道陣から連日のように渡辺、小野の初登板について質問が飛んでも「今はルーキーが頑張っていますが、小野、渡辺……彼らベテランに頼らなければならないときがきっときますから」と、しっかりフォローを入れて焦るそぶりを微塵も見せなかった。
その言葉通り、渡辺は一軍に昇格すると5月に入って2連勝。5月9日の北海道日本ハム戦(QVCマリン)では雨による3度の試合中断に悩まされながら、それこそ雨に鍛えられた精神力で集中を切らさず、雨天コールドになった5回まで1失点に抑える好投を見せた。
小野晋吾も西村監督の“未来日記”通りの堅実な投球を。
開幕から5試合をイースタンで先発した小野もそうだ。
小野は1カ月半遅れの“開幕”となったが5月13日の対福岡ソフトバンク戦(QVCマリン)では、ルーキー藤岡貴裕の2番手として今季初登板を果たすと、きっちり2回を無失点に抑え今季初勝利をもぎとった。
「この日が来るのを信じて準備してきた。やっと開幕出来た」
「新人がすごく頑張っているのでベテランもそれをフォローしたい」(ともに小野)
まるで“未来日記”を手に入れたかのように、西村監督の前述の言葉通りになった。西村監督には今季のゴールがすでに見えているのか?
一軍ヘッドコーチと二軍監督の交代で情報交換が緊密に。
慢性の腰痛で1年間をフルに戦うのが難しい一塁手・福浦和也についても大松尚逸との併用でけっして無理をさせない。4打点をあげて今季初のお立ち台に上がった4月18日の試合後も「ゆっくり焦らず休ませながら……。今はまだ無理をさせる時期じゃない」と西村監督はマイペースにコメントをしている。強い競走馬はゴールがどこかを知っているというが、今季の西村監督もゴールがどこにあるか見えている。そんな気さえしてくる。
昨年は最下位だったチームがなぜ短期間でここまで立て直すことが出来たのか。
一因として考えられるのは一、二軍の選手、スタッフの連携が昨年以上に取れていることだ。昨年一軍のヘッドコーチを務めていた青山道雄は今年から二軍監督に、昨年まで二軍監督を務めていた高橋慶彦は反対に一軍ヘッドコーチに就任したが、互いが互いの事情をよく知るだけに、今季は一、二軍の選手の入れ替え時期が絶妙になっている。
前述した渡辺、小野はもちろんのことキャンプ、オープン戦と二軍で過ごしてきた外野手の角中勝也が一軍昇格後、すぐに結果を出してスタメンに定着したのがもっともいい例だ。
専門コーチ陣も配置転換し、若手の指導に力を入れる。
青山、高橋の両氏の他にも打撃コーチ、投手コーチ、内野守備、外野守備走塁コーチなど各専門スタッフも一、二軍すべて入れ替えた。
ある若手選手はこう述べる。
「昨年までファームで見てもらっていたことが、今年一軍に上がったらそのまま引き継いでみてもらえる。モチベーションも当然上がりますね」
5月15日現在、千葉ロッテは一、二軍ともに首位を走っている。
交流戦の開幕に合わせたかのようにファームから内竜也が昇格。今後も荻野貴司、上野大樹、伊藤義弘といった二軍調整組が最良の状態で、疲れの見えた現在の一軍メンバーをカバーすることになるだろう。
「雨降って地固まる」の言葉があるが、今年の千葉ロッテは昨年吹き荒れた大嵐を乗り越えた。
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