≪3/17≫
「いいところも悪いところも出ているので、いいところはこのまま継続してやっていて、悪いところは直して入れるようにしていければいいかなと思います」。
ロッテ・横山陸人は練習試合、オープン戦のここまでの投球についてこのように振り返る。
横山は昨季プロ初勝利、初ホールド、初セーブをマークするなど、6月以降は貴重な右の中継ぎとして自己最多の38試合に登板した。
昨季一軍を経験して「シーズン後半というところで体力、自分の投球フォームが崩れてきたのを実感した。シーズン後半まで投球フォームが安定して投げられる再現性というところは、すごい大事だなと改めて感じました」と、分析した。
23年に向けての自主トレでは、変化球の強化と1年間投げ抜く体力の強化を行ってきたが、今オフは「今年も同じように昨シーズン後半の方で調子を落としてしまったので、調子を落ちないようにするために、細かいことですけど、小さい筋肉のことを考えながら、トレーニングはしてきました」とのこと。
昨年夏場以降、ストレートの「シュート成分が大きいのでそこは、気にしながらピッチングしています」と話していたが、今年2月の春季キャンプでは「去年の夏は大きすぎたというところが自分の中であったので、そこは今年数値とか見てもよくなっていますし、ホップ成分もよくなっているので順調にきているのかなと思います」と手応えを掴んでいた。
「開幕一軍を目指していますので、ずば抜けた投球、相手を圧倒できるような投球ができてくれば、開幕一軍に繋がると思いますし、そういうところを目指していきたいと思います」と意気込み、練習試合に突入。
2月13日の楽天との練習試合で今季初の対外試合登板を果たすと、ここまで練習試合、オープン戦は9試合・10イニングを投げて、イニング数を大きく上回る13奪三振、2与四球、防御率は2.70。3月6日のDeNAとのオープン戦では、自己最速タイの156キロを計測するなど、1イニングをストレートで三者連続三振に仕留めた。
横山は「横浜スタジアムの時は良かったんですけど、その次のマリンで投げた時は感じもあまりよくなかった。そういう誤差というか、調子の波があるのはよくないと思うので、そういうところはしっかり詰めていけるようにやっていければいいのかなと思います」と課題を口にする。
良い時と悪い時は自身の中でしっかり理解して調整できているのだろうかーー。
「そうですね、はい。良いところも悪いところもあって、ちょっとの違いなんですけど、振り返ってここを使えていなかったと感じるところだったりとか、変に意識しすぎるところもある。そういうところは考え方だったりを考え直して、やっていければいいかなと思います」。
では、いい状態を継続するために必要なことはどう考えているのだろうかーー。
「自分の体自体、始まったばかりでフレッシュ。投球の考え方、意識する場所を自分の映像と、実際に投げていた時と振り返りながら、考え方とかを振り返ってやっていけばいいのかなと思います」。
変化球では「スライダーは今年に入ってすごい手応えもあって、横浜スタジアムの時もそうですし、糸満で投げているときも右バッターに対しても、左バッターにカウントを取る球に対しても、自分の中ですごくよく投げられている。そういうところではいいのかなと思います」と納得のいくボールが投げられている。
開幕に向けて横山は「横浜スタジアムでの投球が良かったので、そういう投球が常にできるように。多少調子の波があっても、小さくしていけるのが一番良い。そういうところはしっかり開幕まで、もう短いですけどもっと突き詰めてやっていければいいかなと思います」と決意を述べた。
取材・文=岩下雄太
昨年夏場以降、ストレートの「シュート成分が大きいのでそこは、気にしながらピッチングしています」と話していたが、今年2月の春季キャンプでは「去年の夏は大きすぎたというところが自分の中であったので、そこは今年数値とか見てもよくなっていますし、ホップ成分もよくなっているので順調にきているのかなと思います」と手応えを掴んでいた。
「開幕一軍を目指していますので、ずば抜けた投球、相手を圧倒できるような投球ができてくれば、開幕一軍に繋がると思いますし、そういうところを目指していきたいと思います」と意気込み、練習試合に突入。
2月13日の楽天との練習試合で今季初の対外試合登板を果たすと、ここまで練習試合、オープン戦は9試合・10イニングを投げて、イニング数を大きく上回る13奪三振、2与四球、防御率は2.70。3月6日のDeNAとのオープン戦では、自己最速タイの156キロを計測するなど、1イニングをストレートで三者連続三振に仕留めた。
横山は「横浜スタジアムの時は良かったんですけど、その次のマリンで投げた時は感じもあまりよくなかった。そういう誤差というか、調子の波があるのはよくないと思うので、そういうところはしっかり詰めていけるようにやっていければいいのかなと思います」と課題を口にする。
良い時と悪い時は自身の中でしっかり理解して調整できているのだろうかーー。
「そうですね、はい。良いところも悪いところもあって、ちょっとの違いなんですけど、振り返ってここを使えていなかったと感じるところだったりとか、変に意識しすぎるところもある。そういうところは考え方だったりを考え直して、やっていければいいかなと思います」。
では、いい状態を継続するために必要なことはどう考えているのだろうかーー。
「自分の体自体、始まったばかりでフレッシュ。投球の考え方、意識する場所を自分の映像と、実際に投げていた時と振り返りながら、考え方とかを振り返ってやっていけばいいのかなと思います」。
変化球では「スライダーは今年に入ってすごい手応えもあって、横浜スタジアムの時もそうですし、糸満で投げているときも右バッターに対しても、左バッターにカウントを取る球に対しても、自分の中ですごくよく投げられている。そういうところではいいのかなと思います」と納得のいくボールが投げられている。
開幕に向けて横山は「横浜スタジアムでの投球が良かったので、そういう投球が常にできるように。多少調子の波があっても、小さくしていけるのが一番良い。そういうところはしっかり開幕まで、もう短いですけどもっと突き詰めてやっていければいいかなと思います」と決意を述べた。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪3/18≫
充実した表情で種市篤暉投手はマリーンズに再合流した。3月6日、7日と京セラドーム大阪で開催された侍ジャパンシリーズ2024欧州代表戦に出場。8回から登板した7日のゲームでは侍ジャパン史上初の完全試合リレーの最後を締めた。
「落ち着いて投げることは出来たかなとは思いますけど、凄い緊張感はありました」と振り返る。
大学生の快投がいい流れを…
先発のマウンドに上がったのは関大の金丸夢斗投手。2回を打者6人、4奪三振のパーフェクトに抑えると2番手で登板をした愛工大の中村優斗投手も1イニングを三者凡退。アマチュアから選出された2人が強烈な流れを作り出すと後続も続いた。
最初はロッカーで、5回からはブルペンで試合経過を見守った種市も空気が変わっていくのを感じ取っていた。
「本当にあの2人のピッチングは凄かった。プロがそのあと、しっかりと繋げないとまずいぞという雰囲気。だいぶ刺激を感じていました」
4回以降はドラゴンズの松山晋也、イーグルスの渡辺翔太、ライオンズの隅田知一郎が1人の走者も許さずに完全試合を継続。8回にバトンは種市につながれた。
思わずヒヤリ、のあの場面
ブルペンで準備をしながら、マウンドに上がる際の考え方をしっかりとまとめた。導き出したのが「慎重になりすぎて四球を出してしまうのが一番、悔いが残る。だから、思い切りゾーン内にぶち込む」というものだった。先頭からサードゴロ、ファーストゴロで2アウトをとると、代打・パオリーニの打球は、種市がグラブで弾くも遊撃手のライオンズ・源田壮亮が難なく処理し三者凡退にとった。
「ボールをストライクゾーンに押し込むイメージで投げることが出来た。細かいコントロールを気にせず、押し込む。この感覚はシーズンにも生かせるなという発見になりました」。シーズンにもつながるピッチングになった。
ヒヤリとした場面が訪れたのは最終回だ。そのまま続投した9回、先頭打者が放った鋭い打球は右翼線に伸びた。「ああ、これは終わったなあと思った」と種市。
「打球が見えなかった。マウンドからはフェアゾーンかなとも思った。スタンドがざわついていた」
「種市の10ミリですよ」
一瞬、頭が真っ白になった。「お願いだから、きれてくれ」と祈った。アマチュア投手2選手から始まった完全リレー。侍ジャパン史上初の偉業まであと3人に迫っていた夢が自分の手で潰えてしまう。そう一瞬、頭を過った。直後、審判によるファウルのジェスチャーが見えた。思わず、肩から崩れ落ちるようなしぐさと安堵の表情を見せた。
後日、「あれは種市の10ミリですよ」と笑った。22年サッカーW杯で「三笘の1ミリ」と話題となったワードとかけたほど、際どい当たりだった。ほぼボール1個分の差で地獄から天国になった。
「本当に普段からゴミを拾うなどの心がけをしておいてよかったと思いました」
今だから笑って言える話。一瞬だが、スローモーションのように時間が流れた感覚だったという。
グラブの刺繍に込めた思い
ホッとしたところで気持ちを入れ替え、そこからはギアを上げた。フォークを連発し三者凡退。鋭く落ちる伝家の宝刀に打者のバットは空を切り、偉業は達成された。
「本当に色々な人に喜んでもらいましたし反響もあった。ああいう形で最後を締めて、みんなと握手できたのは本当に良かった。自分の中でも昨年と今年、この2回の代表の試合で投げることができて、プレッシャーと少しは向き合えるようになったかなと思います」
代表戦で完全試合リレーの最後の2イニングを締める重圧は計り知れない。それを支えてくれたのが相棒のグラブだ。地元青森県のシルエットが刺しゅうされている。
「今年からです。代表用のグラブとシーズン中に使うものと、両方に刺しゅうを入れました。いつもウェブの部分に特に何も入れていないんですが、今年は何か入れようと。そこで青森県の形を入れたらどうかなと思いました」
3番手で登板した松山も同じ青森出身。練習でキャッチボールのパートナーを務めた同郷の後輩から刺激を受け、応援してくれている青森県民の想いも後押しをしてくれた。
「松山はめちゃくちゃ凄い投手。ストレートも凄かったですし変化球も凄かった。刺激になった。2人で好投して青森のニュースになったと聞いて嬉しかった」と話す。
WBC前には「予備登録メンバー」も
マリーンズに戻ってから何度も口にしたのは「勉強になった。本当に参加してよかった」という言葉だった。思えば昨年3月、WBC直前の侍ジャパン強化試合には予備登録メンバーとして参加し京セラドームで行われた試合で登板もした。
代表メンバーと一緒の時間を過ごした種市はメモ魔だった。ダルビッシュ有、大谷翔平……。色々な選手から話を聞いて回り、自分の糧にした。それは今回も同じ。事前にどの投手がどの球種を投げるのかを自らチェックしてから合流。積極的に話しかけた。
「フォーム、変化球、ウェートの仕方、食事、一日の過ごし方、体脂肪率の話。みんなに聞き回りました。それぞれが色々な考えをもっていて、なるほどなあと思いました。練習中に聞けなかった人には、ベンチで聞いたくらいです。去年も色々と聞いたことを取り入れて良くなった部分があったので、今年も頂いたヒントを自分のものにしたい」
オリックス・山下からの刺激
特に今年から新たにカーブに力を入れていることもあり、代表入りしている投手陣のカーブの投げ方、握り方、腕の振り方を確認した。大学生2人にも聞いた。一番、話をしたのはバファローズの山下舜平大。食事会場ではいつも一緒に過ごし、様々な会話を重ねた。
「めちゃくちゃ真面目。愛嬌もある。去年もオールスターで少し話をする機会があったけど、今回はじっくりと話をすることが出来た。日ごろから色々と考えながら野球をやっているという印象を受けた」と年下ながら強い刺激を受けた。
代表で過ごした濃密な4日間で聞いたこと、学んだこと、そして自分自身がマウンドで気が付いたことはすべてメモに書き留めた。その場で書いたものもあれば、宿舎に戻って自室で思い出して書いたものも。それは種市にとってかけがえのない財産になった。
種市は2月の石垣島キャンプで吉井理人監督から「2戦目、頼むな」と声をかけられている。昨年と同じく、かしこまった形ではなく練習中に気さくな会話の中で伝えられた。本拠地のZOZOマリンスタジアムでの開幕カード2戦目が今シーズンのスタートになる。
マリーンズ優勝のために
「去年10勝して、今年は全てで昨年を超えたいと思う。規定投球回数も去年は到達していない。ただ、到達するだけではなく、大幅にイニング数が増えるぐらい投げてチームに貢献したい。防御率も奪三振数も全て。そうすればマリーンズの優勝が近づいてくる」
そして力強く言い放った。
「一発目からエンジン全開でいきますよ」
侍ジャパンでのマウンドと同じく青森県のシルエットが刺しゅうされたグラブと共にマウンドに上がる。マリーンズを優勝に導いて日本シリーズで躍動し、11月には再びプレミア12で侍ジャパンのユニホームに袖を通す。そんな熱いシナリオを描きながら、種市は新しいシーズンに向かう。
梶原紀章 (千葉ロッテ広報)
(Number)
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≪3/18≫
「僕も若手ではないのでやれることをしっかりやってチームのためにどういう場面で意識しながら投げていけたらなと思います」。
ロッテの東妻勇輔は春季キャンプ中、このように話していたが、2月の練習試合から9試合・10イニングを投げ、5被安打、5奪三振、4与四球、無失点と開幕一軍に向けアピールを続けている。
昨季36試合に登板し、自己最多の11ホールドをマークしたが、秋季練習から“クイックで投げた時の平均球速を上げること”、“フォークの安定感を増すこと”、“左打者の内に食い込むボールを作ること”、この3つを課題に掲げて取り組んできた。
12月、1月の自主トレ期間では「できたことと、できなかったこともあったんですけど、一番重点に置いたところに成果は出たので、後は実戦でどれだけ投げられるかどうか、そこだけですね」と、春季キャンプに向け万全の準備。
その中でも自主トレ期間中、重点に置いてきたのは「内に食い込むボール、カットボール。それをずっと練習していたので、ある程度形になったのは自信になった」と手応え。
春季キャンプでも2月9日のライブBPでは、「右、左打者にもカットの使い方、メインは左にしたいんですけど、抜けていくボールじゃなくて、しっかり指のかかった引っかけのボールだった。ミスする方向としてもそっちの方がいいのかなと。外抜けしちゃうとそれが痛打されるので、内に食い込むボールもそっちの方がいいのかなと。ミスの仕方もそっちの方が、あとは修正度をどうやってできるかだと思います」と課題点がありながらも、収穫もあった。
フォークについても同日のライブBPでは「今日は良かったですね。高さを間違えていなかったので、全部ゴロになりましたし、空振りは取れていないですけど、球種を交えて行ったら空振りも取れると思うので、いい高さには投げられたかなと思います」と好感触を得た。
2月9日時点ではライブBP全体を通して、「今日もBPですけど、全部ゴロアウト、ヒットでもゴロヒット、フライがあまりなかったので、下に潜られていないというところで自分の良さが出ていると思う。もっと精度良くキレ良く投げられれば、空振りも出てくると思うので、それは良かったかなと思います」と納得のいく投球ができた。
そして、練習試合、オープン戦ではここまで無失点投球を継続している。実戦が始まってから「しっかり左の内にはカットをしっかり投げきれていて、デッドボールを当ててしまう場面もありますけど、それはそれで真ん中に入って打たれるよりかは、引っ掛けている方がいいミスだと思うので、取り組んでいることはいい方向に向かっています」と、昨秋から課題を持ってやってきたことがここまで出せている。
特に2月20日の楽天との練習試合、3-2の4回二死一塁で堀内謙伍を1ボール1ストライクから3球目のインコース136キロカットボールで一塁ゴロに打ち取った投球は、秋から取り組んできた成果が出せたようにも見える。
「良いんですけど、まだボールが弱いので、もっと詰まって欲しいというか、真っ直ぐだと思って打ちにきて詰まって欲しい。変化球という感じで打たれるので、まだ改善の余地はあるのかなと思っています。いい感じではきているんですけど、めちゃくちゃいいなというボールが1球もない。そこはまだどう取り組もうか、改善しようか模索中です」。
実戦でしっかり試すことを試して、シーズン開幕を迎えたいのだろうかーー。
「結局、シーズン入って使えるボールにならないと意味がない。今のうちにどんどん投げていって、反応を見ながら使えるかというのを見ながら、やっていこうかなと思っています」。
開幕まで2週間を切った。「自分のスタイルはほぼこの形でしか行けないと思うので、その形で結果を出せるようにするのと、持ち味をしっかり出しながらやっていければいいのかなと思います」。プロ6年目で初の開幕一軍に向けて、手が届きそうなところまで来ている。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)