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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム記事【12/27】

2023年12月28日 07時05分30秒 | マリーンズ2023
≪12/27≫


開幕一軍掴む

 「今年は絶対にシーズン怪我なく戦い抜くことを最低限の目標としてやりたいなと思います」。

 開幕前に強い決意を持って挑んだロッテ・中森俊介の3年目は、13試合・20回1/3を投げ、3勝2敗、防御率3.54だった。

 昨年はファームで開幕先発ローテーションに入り、初登板からの3試合で16イニングを投げ、防御率0.56と抜群の安定感を誇ったが、4月9日の楽天二軍戦を最後に約5カ月近く登板なし。シーズン最終盤に復帰し、ファームで防御率0.90をマークしたものの、登板試合数はわずか6試合の登板に終わり、一軍登板もなく2年目のシーズンを終えた。

 「去年怪我で投げられなかったので、まずは体のフィジカルの部分でもう一度作り直すというところと、あまり去年はウエイトトレーニングとか重量を扱うことが去年のオフシーズンはできていなかったので、そこもプラスして今年は取り組んできました」。

 故障で離脱していた時期も長かったことを反省し、自分の体を見つめ直した。春季キャンプが始まってからは、石垣島春季キャンプ中に行われた2月11日の楽天モンキーズとの国際交流試合に登板し、1回を無失点に抑えると、2月14日以降の沖縄遠征にも帯同。昨季は先発で投げることが多かったが、練習試合、オープン戦ではリリーフで投げた。

 「調整の仕方だったり、先発だったら投げて大体中6日で調整のルーティンがあったと思うんですけど、今年中継ぎを初めてやるので、全然違うなと思いました」と、先発とリリーフの違いを感じた。

 練習試合から全て1イニングを投げ、オープン戦では8回、9回といった試合終盤で投げた。「チームの勝ちに繋げられるピッチングができれば、そのポジションで投げたいと思いますし、まずは一軍の試合で投げたいなと思います」と、シーズンに入ってから勝ちパターンで投げたいという思いを持ち、開幕がスタートした。

 初の開幕一軍を掴んだ中森は、3月31日のソフトバンクとの開幕戦、0-3の6回一死走者なしの場面でプロ初登板。「まずは一軍の舞台で投げることが出来てほっとしています。まだまだシーズンは長いのでしっかり与えられたポジションで結果を出していければと思います」。最初の打者・中村晃をフォークで二ゴロに打ち取ると、続くアストゥディーヨを148キロのストレートで一邪飛。0回2/3を無失点に抑える最高のプロ初登板となった。

 4月5日の日本ハム戦では、0-0の7回に登板。マルティネスに犠飛を打たれ失点するも、その裏に味方が2点を奪い逆転しプロ初勝利を手にした。4月11日の西武戦、1回2失点、4月16日のオリックス戦は1回を無失点に抑えたが、翌4月17日に一軍登録抹消となった。

テイクバックを小さなフォームに修正

 ファームに降格してからは、5月28日の日本ハム二軍戦を境に、「テイクバックを小さくしようと思って練習していたんですけど、そこは自分の球質にも結構変化があったので、それだったら今までの感じのスライドする気味の方がいいと感じたので、元に戻しました」と、テイクバックを小さくしたフォームに修正。

 6月7日の楽天二軍戦から先発に配置転換となった。8月はファームで2試合14イニング投げたが、失点は0。7月22日の楽天二軍戦から3試合連続無失点と結果を残し、8月22日に先発要員として、再昇格を果たした。

 「中継ぎをしている時は先発の方が投げて繋いできた試合の流れ、そういうのにうまく入るのが難しかったというのはあります。先発をやっていても自分で試合の流れを作れるポジションではあるんですけど、良い流れを作れる一方で、悪い流れを作る可能性もある。どちらも難しいと言えるんですけど、どちらもやっていていい経験はできているなと思います」。

 8月23日のソフトバンク戦に先発し、4回と5回に失点し5回・74球を投げ、4失点だったが、初回から3回までテンポよく29球で無失点投球。0-0の初回先頭の三森大貴を2ストライクから空振り三振に仕留めた129キロチェンジアップ、2-3の5回一死二、三塁で柳田悠岐に投じた初球の123キロチェンジアップは完全にタイミングを外して空振りを奪うなど非常に良かった。

 開幕一軍を目指しリリーフで投げていた頃は、決め球としてフォークが多く、チェンジアップをほとんど投げていなかった。3月に取材したときには「今はチェンジアップが投げられなくなりました」と話していた。

 どういったきっかけで、チェンジアップを再び投げられるようになったのかーー。

 「去年はチェンジアップを結構投げていて、そんなに空振りを取れる球が自分の中でなかったので、オフシーズンというか春先からフォークを練習していました。そこからチェンジアップを完全に消すようになって投球のスタイル、幅が縮こまったのを感じていました。完全に消すのではなくて、どの球種もうまく併用しながらやって無理に縮こまらないように、今まで通りでという意味でチェンジアップを投げ始めました」。

 登板翌日に再び一軍登録抹消となったが、一軍に帯同。小野晋吾投手コーチは中森について「一軍で中継ぎを経験して、先発として準備していくということでファームにいった。準備ができたというところで一軍の先発になっているので、そういう準備はしっかりしてきて、前回はそこそこの内容だった」と評価し、「1週間、10日でどう自分で考えて、準備してきているのかというのを次の登板で見れるのかなと。そういう楽しみはありますね。結果とかじゃなく、自分のやってきたことをぶつけてくれればいいと思うので、それが良い結果につながれば」と期待した中で、中森は9月3日の楽天戦に2度目の先発。

 序盤は早いカウントでカーブを効果的に使い、この日も3回まで39球、1安打、2四死球、無失点。4回に島内宏明に一発を浴び、5回・84球、1安打、5四死球、1失点で敗戦投手になった。

シーズン最終盤にリリーフで存在感

 翌9月4日に一軍登録を抹消し、ファームで再びリリーフで調整。9月19日に再昇格した。

 「気持ちの持ちようとしては中継ぎだからとか変に力むことなく、いつも通り練習でやったことしか出ないので、そこまで気持ちの中で浮き沈みすることなくできているのかなと思います」。再昇格後、初めての登板となった9月20日のオリックス戦、続く9月23日の西武戦も1回を無失点に抑えた。

 リリーフではストレート、スライダー、チェンジアップが中心で、先発の時に投げていたカーブをあまり投げていない。

 「カーブを投げる一つの理由として緩急、奥行きを使いたいというのがあります。ショートイニングで投げる以上、まっすぐが生きてこないと厳しいので、そこをしっかり通していきたいです。ただ、カーブを完全に消したわけではないです。マークしていないところで投げたりとか、そこはたまたまこの2試合(9月24日試合前時点)投げていないだけです」。リリーフで昇格した2試合ではカーブを投げなかったが、24日のソフトバンク戦では6-7の8回一死三塁で、近藤健介に1ストライクからの2球目にカーブを投じファウルにした。

 左バッターに投げることの多かったチェンジアップも、「(投げ始めた)理由は特にないですが、最近投げ始めました」と、右打者にも投げている。9月23日の西武戦では1-2の8回一死走者なしで岸潤一郎に対し、1ストライクからの2球目に129キロのチェンジアップで見逃しストライクを奪った。

 一軍に戻ってくるたびにパフォーマンスが上がっており、ファームで自身の課題と向き合っていたように見える。

 「そうですね、真っ直ぐの球威はもう少し欲しいなと感じますし、そこはやっていかないといけないです。自分の中ではまだまだかなと思っているんですけど、結果的に自信を持ってマウンドに立てているので、そこは継続してやっていきたいと思います」。

 中森はその後の登板でもスコアボードに0を並べ続けた。9月30日の西武戦では4-4の10回に登板し、西川愛也を2ボール2ストライクから5球目のチェンジアップで中飛、続く古賀悠斗を初球の149キロストレートで中飛、最後は岸潤一郎を3ボール2ストライクから外角の147キロストレートで見逃し三振に仕留めた。リズムよく三者凡退に抑え、その裏、石川慎吾の適時二塁打でサヨナラ勝ち。チームの勝利を手繰り寄せる好リリーフだった。

 10月4日のオリックス戦では、1-1の6回に先発・美馬学がゴンザレスに2ランを浴び、なお一死一塁の場面で登板。「ランナーがいましたけど、ランナーを返したら点差が広がっちゃいますし、一気にムードがあっちに行っちゃうので、しっかり2人で切れたというのは良かったと思います」と、西野真弘をチェンジアップで空振り三振、若月健矢をスライダーで二ゴロに打ち取った。直後の7回に角中勝也、藤岡裕大の適時打で3点を奪い逆転に成功し、3勝目を挙げた。中森は9月19日の再昇格後、6試合連続無失点でシーズンを終えた。

 再昇格後の投球を見ていると、右バッターへの外角のストレート、スライダー、チェンジアップの抜けが良かった。中森本人は「スライダーの感覚は良いと思います。チェンジアップはまだ全然自分の思い描いている軌道ではないんですけど、そのスライダーが結構曲がってくれてきている分、真っ直ぐも生きてきているのかなと思います」と自己分析。

 再昇格後の投球内容が良い理由についても「間の使い方だったり、あとはスライダーの感覚が良くなってきたので、そこかなと思います」と説明した。

CSでも3試合に登板し無失点

 クライマックスシリーズでも、中森は躍動した。CS初登板となった10月15日のソフトバンク戦(CSファーストステージ第2戦)は1-3の7回二死二塁の場面で登板し、最初の打者の野村大樹に対して3ボール0ストライクとなるも、4球目の外角146キロストレートで空振り、5球目のインコース126キロスライダーで見逃し、3ボール2ストライクとすると、最後は「チェンジアップの抜けは投球練習の抜けというのは感覚が良かったので、勝負球に選びました」と外角に129キロのチェンジアップで空振り三振。

 「ランナー二塁で、一塁が空いている場面だったので、際どいところ、真っ直ぐに強いバッターというのが頭に入っていたので、そこを踏まえてカウントを立て直すことができました」と野村を三振に仕留めた場面を冷静に振り返ったように、「程よく良い緊張感の中で投げられたと思います」とCSという大舞台に臆することなく普段通りに腕を振った。

 10月20日のオリックスとのCSファイナルステージ第3戦では、0-0の2回からマウンドに上がり、「気持ちだけでは負けないように自分も気持ちを全面に出して、投げることが出来たと思います」と緩急を活かした投球で3回を無失点。

 0-0の2回先頭のゴンザレスから126キロチェンジアップでタイミングをうまく外して空振り三振に仕留めれば、0-0の2回一死一、三塁で中川圭を3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた132キロチェンジアップも良い抜けをしていた。

 ストレートも、0-0の2回二死満塁で森友哉に1ボール1ストライクから152キロのストレートで二ゴロに打ち取りピンチを脱すれば、3イニング目となった0-0の4回一死走者なしで宜保翔を3ボール2ストライクからインコースにズバッと見逃し三振に仕留めた。

 中森はCS3試合・5回1/3を投げて、1安打、5奪三振、2四球、無失点、2ホールドと、シーズンと合わせると9月20日のオリックス戦から9試合連続無失点でシーズンを終えた。

ウインターリーグでも好投

 シーズンの最終盤にリズムの良い投球で存在感を示した中森だが、昨年の秋はZOZOマリンスタジアムの秋季練習、フェニックスリーグで投げ、一軍を目指す立場の選手だった。昨年の秋、一軍の舞台で投げていると想像できていたのだろうかーー。

 「今年に関しても全然投げられているという実感はないですし、イニング数も試合数も投げられていない。まだまだ見習いというかそういう立場。たくさん投げてチームに貢献してからだと思うので、まだまだ自分的には思っていないですね。去年と変わっていないです」。全く今の自身に満足しておらず、もっともっと向上していこうという姿勢が頼もしい。

 シーズンが終わった後も、「来年、もっとチームに貢献できるように充実した時間にしたいと思います。ですので、この期間に長いイニングを投げさせてもらって投げる体力をつけることができればと思っています。現地にはアメリカからメジャーを経験したことのあるような選手も来ると聞いているので、一緒にプレーをすることで色々なことを吸収して成長できればと思っています」とオーストラリアのウインターリーグに参戦。中森は6試合・34回を投げ、2勝2敗、39奪三振、6四死球、防御率2.38の成績を残した。

 振り返れば、18年にオーストラリアのウインターリーグに参加した種市篤暉は翌19年に8勝をマークした。中森も来季、1年間一軍で戦い抜き、大ブレイクの1年にしたい。

取材・文=岩下雄太 

(ベースボールキング)

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ポランコが26発で本塁打王…安田、山口、藤原らが出場を重ねた

 ロッテは今季、70勝68敗5分で2位に躍進した。打線ではブランドン・レアード内野手、レオネス・マーティン外野手が球団を離れ、その穴を埋める形でグレゴリー・ポランコ外野手を獲得。昨季137試合に出場した高部瑛斗外野手も怪我で離脱したが、岡大海外野手、藤原恭大外野手、角中勝也外野手らが出場試合数を伸ばし、打線を支えた。結果的にはチーム打率.239(リーグ4位)、100本塁打(同4位タイ)。四球数は昨季の433から453に、長打率も.342から.354と微増、昨季の95併殺から79併殺に減少と改善がみられた。一方でリーグワースト2位の83失策を記録。ポジションを固定できなかったことも影響し、ミスが目立った。

 今季のロッテで最も存在感を放ったのがポランコ。昨季は巨人で24本塁打を記録した助っ人が、26本塁打をマークした。5月末時点で打率.181、6本塁打20打点と苦しんでいたが、6月に月間打率.348を記録。8月に月間打率.294、8本塁打をマークし、2年連続20本塁打に到達した。9月以降に6本塁打を記録し、球団では1986年の落合博満氏以来となる本塁打王を獲得。自身初のベストナイン(指名打者)も受賞するなど、打率.242、26本塁打75打点と、新天地で期待に応えた。

 安田尚憲内野手、山口航輝外野手、藤原という期待の若手たちが、キャリアハイの出場試合数を記録した。安田は5月末時点で打率.282、5本塁打17打点。6月は月間打率1割台と数字を落とし、8月、9月は打率1割台、1本塁打と大不振に。最終的にはキャリアハイの122試合に出場、打率.238、9本塁打、43打点の成績でシーズンを終えた。昨季16本塁打を記録した山口は今季、自己最多の115試合出場で打率.235、14本塁打、57打点だった。4月末に左大腿二頭筋損傷で離脱。5月末に復帰すると、以降は出場を重ね、自身初の規定打席に到達した。藤原も自己最多の103試合に出場。打率.238、3本塁打、21打点、5盗塁だった。

 若手が出場を重ねる中、2人のベテラン外野手がチームを支えた。10年目の岡は109試合で打率.282、キャリアハイの7本塁打をマーク。自己最多の372打席に立った。出塁率.371、チーム2位の50得点と躍動。オフには国内FA権を行使せず3年契約での残留を決めている。17年目の角中は86試合で打率.296。8月は15試合で打率.419の大暴れ。9月以降も状態を維持してキャリアハイの9本塁打を放つなど、存在感を示した。14年目、38歳の荻野貴司外野手は怪我の影響で50試合出場に留まるも、8月以降は39試合に出場。打率.240、1盗塁に終わったが、年齢を感じさせないプレーを披露した。

巨人から途中加入の石川慎吾が存在感を示した

 今季途中にトレードで巨人から移籍してきた石川慎吾外野手はすぐに1軍昇格を果たすと、7月は12試合で打率.516。8月は打率.207と苦しんだが、9月以降は3割台の打率をマークした。左投手に対しては打率.373、対右投手も打率.313を記録するなど存在感を示した。ドラフト2位ルーキーの友杉篤輝内野手は7月には10試合で打率.417をマークするなど、藤岡裕大内野手と併用で遊撃手として出場を重ねた。8月以降は成績を落としたが、30歳は最終的には64試合で打率.254と一定の成績を残した。

 藤岡は出場数は93試合にとどまったが、キャリアハイの打率.277をマークした。リーグ7位タイの54四球を選び、出塁率.389。チームトップの88試合で遊撃のポジションを守った。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦では、10回裏に同点3ランを放ち、ファイナルステージ進出へ導いた。来季から背番号「7」を背負う。中村奨吾内野手がチーム最多の137試合出場も、規定最下位の打率.220だった。

 今季、最も多く捕手のポジションを守ったのは、4年目の佐藤都志也捕手だった。103試合中92試合で捕手のポジションを守り、盗塁阻止率はリーグ4位の.319をマークした。田村龍弘捕手は78試合、うち76試合で捕手のポジションに就いた。昨季は2試合出場だったが、今季は1軍に帯同。打率.166と打撃では苦しんだが、盗塁阻止率は佐藤都に次ぐ.300だったと、11年目のベテランがチームを支えた。

 今季は若手や新戦力の活躍が目立った。和田康士朗外野手も自己最多の113打席で、打率.265をマーク、現役ドラフトでは西武から愛斗外野手を獲得するなど、来季は外野争いの激化が予想される。内野では茶谷健太内野手が79試合で打率.284、池田来翔内野手は怪我で離脱したが、5月は打率.373をマークした。ドラフト1位の上田希由翔内野手も加わり、内野争いもおもしろくなりそうだ。

(「パ・リーグ インサイト」東海林諒平)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)



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