≪6/30≫
ロッテの田村龍弘は今季、高卒2年目・寺地隆成の台頭もあり、一軍出場はここまで9試合にとどまっている。6月の出場機会は2試合だったが、与えられた出場機会で、きっちりと役割を果たした。
13日のヤクルト戦、4-4の5回からマスクを被り、八木彬(1回・無失点)、横山陸人(3回・無失点)、鈴木昭汰(1回・無失点)の5イニングを無失点に抑える好リードを見せ、4-4の8回一死走者なしで内山壮真が放った一塁ベンチ横のキャッチャーフライをフェンスを怖れることなくスライディングキャッチ。同試合は4-4の9回に暴投でサヨナラ勝ち。その陰に5回からリリーフ陣を無失点に導いた田村の存在があったからこそ勝利に繋がった。
6月22日のDeNA戦は序盤から乱打戦となり、10-9となった6回裏からマスクを被り、横山(2回・無失点)、鈴木(1回・無失点)、中森俊介(1回・無失点)のリレーで、4回と5回に3点ずつ挙げていたDeNA打線を、6回以降無安打と完璧に封じ込んだ。
「今寺地がレギュラーとして試合出ている中で、去年は佐藤でしたけど、どうしても出場機会が減っている中で少ないチャンスは巡ってくる。僕としてはそこで活躍するとかじゃなくて、最低限求められているところがあると思います」。
「そこで期待に応えようとかじゃなくて、やるべきことをやることが求められていると思います。途中から行くからといって、特別違うことをするわけではなく、普通に普通のプレーを当たり前にやることが難しいんですけど、普通にやらないといけない立場になっていると思うので、シンプルにやっているだけですね」。
常に試合に出てもいい準備をしているからこそ、結果を残せている。ベンチではどう戦況を見つめているのだろうかーー。
「“自分だったらこれを要求するな”、“自分だったらこうするな”、そういうふうに寺地の配球を見ながら自分だったらこうする、“俺と同じようなことしているな”、“でも打たれたな”、“だったらこっちの方が良かったな”とか、自分の配球プラス寺地の配球を見ながら、寺地とあった時に打たれる時もあるし、寺地と違う配球をして抑えることもあるし、そういうふうにみて、今日の相手バッターの調子とか確認しながらやっていますね」。
出場機会が少なく、ファームの試合に出場することもある。
「ファームに行ってるのは、試合数とかが減っているという意味で試合感覚だとか、そういうところだと思います。ファームに行った時はサブローヘッドにただ単にやるのではなくて、打たれようが何しようがいいが丁寧にやれと言われていたので、丁寧にやることだけ考えてやっていますね」。
一軍の公式戦通算1000試合出場まで、残り19試合に迫っている。
「そこは怪我せずにやることをしっかりやっていれば、いつか出られる数字だと思うので、特別絶対今年中にというわけにはならないと思うので、出るところでしっかり出るというところですね」。
寺地の台頭だけでなく、藤原恭大、友杉篤輝、山本大斗、西川史礁、中森俊介、田中晴也、木村優人とチーム全体が若返っている。田村よりも年下の選手が多い中で、チームの中でどのように振る舞っているのだろうかーー。
「まだまだ負けていられないという気持ちはありますけど、現状自分の立場としては、寺地がずっと試合に出ているわけなので疲れが溜まる時期だと思うし、寺地の調子が落ちてくる時があると思います。その時にパッといけと言われた時に、当たり前のようにできるようにというところですかね。今は寺地が頑張っていますけど、寺地が疲れてきた時にカバーしてあげるのが大事だと思うので、去年もそうでしたけど、本当にそういうところかなと思いますね」。
パッと出場機会があった時に、結果を残すのは難しいはずだ。チームに求められたことを、さらっとやってのけるのが田村龍弘の凄さ。ペナントレースはまだ半分以上残されている。いつどこでチャンスが来てもいいように、“準備”はできている。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪7/1≫
ロッテの東妻勇輔は6月19日に一軍登録されてから、ここまで2試合に登板している。
開幕を二軍で迎え、「やることは変わらないので、自分のやれること、やれる場所というのも一軍に上がってからじゃないとわからないですし、どこを任されてもできるようにオールマイティーに準備していました」といつ一軍から声がかかってもいいように準備し、ファームで15試合・16回2/3を投げ、0勝1敗、防御率0.54の成績を残した。5月13日のくふうハヤテ戦から7試合連続無失点に抑え、満を持して昇格を果たした。
今季初登板となった6月21日のDeNA戦、0-5の8回に登板し、先頭の筒香嘉智に「去年も打たれていたので、悪いイメージがあったので甘いところに入らないで行こうと思ったら余計に外に逃げていっちゃいました」と四球を与えてしまう。「外にツーシームで。狙ってはいたんですけど、思い通り行きすぎた感じだったので、たまたまかなと思います」と、続く戸柱恭孝をツーシームで遊併。
梶原昂希は2ボール2ストライクから投じた7球目の128キロスライダーで空振り三振に仕留めた。5月29日の取材で「左に対しても今年は何球かインコースにスライダーがうまいこと使えているので、それが三振増えている理由かなと思います」と話していた中で、一軍のマウンドで左打者からスライダーで空振り三振を奪った。
「ファームでやってきたことが一軍一発目で出せたので、自信とまではいかないですけど、使える球になったのかなというところはありますね」と振り返った。
今年の東妻の投球を見ていると、スライダーで空振りを奪う場面が多いが、それと同じようにフォークを例年に比べて多く投げている印象を受ける。
そのことについて東妻は「ちょっとツーシームをフォークっぽく投げている時もありますし、場面と投げ方によって変化が変わっているので、これといってフォークを増やした感じはないんですけど、ツーシームがその落ち方をしている時があるのかなと思います」と明かした。
振り返れば、シーズン自己最多の37試合に登板し、防御率2.88の成績を残した21年は、6月18日に初昇格を果たした。今季も初昇格は6月19日。ここから一軍に定着していきたいところ。
「やることとしては任されたところをゼロに抑えることが第一だと思うので、形も必要にはなってくると思うんですけど、最終的にゼロに重点を置いてしっかりやっていきたいと思います」と東妻。
一軍定着するために、「持ち味はゴロを打たせるピッチングと右打者のスライダーだと思うので、そこのポイントをしっかり押せるようなピッチングができれば。ゼロに抑えるのがいちばんの目標だと思うので、そこを重点的にやっていければなと思います」とストロングポイントを前面に出して、一軍のブルペン陣に割って入っていく。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪7/1≫
ロッテ・山本大斗が今季の交流戦全18試合に4番で先発出場し、打率・254、10打点をマークし、5本塁打は阪神・佐藤輝明の6本に次ぐ、DeNA・筒香嘉智と並ぶ2位と期待の大砲候補が目覚ましい成長をみせている。
初めて4番で先発した6月4日の巨人戦(ZOZOマリン)で1950年の戸倉勝城、2001年のメイ、05年のサブロー、22年の中村奨吾に次ぐ球団5人目となる4番デビュー戦初打席本塁打で飾ると、同15日のヤクルト戦(ZOZOマリン)ではプロ初の1試合複数本塁打をマーク。ZOZOマリンで1試合複数本塁打を放った選手の年齢で、山本の22歳10カ月は、07年5月2日の今江敏晃の23歳8カ月(対日本ハム)を抜く球団最年少記録を塗り替えた。
全188打席のうち初球からスイングしたのは、51・6%に当たる97度と初球から積極的に攻めていくスタイルが持ち味。全スイングにおける空振率は28・0%(403度中113度)と、パで180打席以上の選手の中では6番目に高く、確実性には課題が残るが、初球の打率が・304、1本塁打など、ファーストストライクを打ったときの打率は・417、4本塁打と一振りで仕留められるスラッガーとしての資質が見てとれる。
4月16日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でプロ初本塁打を放ってから、チーム最多の8本塁打を記録。ロッテの日本選手でシーズン2桁本塁打なら、23年の山口航輝(14本)と中村奨吾(11本)以来となるが、プロ初本塁打を放ったシーズンに2桁本塁打をマークしたのは、86年の古川慎一(16本)が最後。千葉に本拠地を移転した92年以降では初となる記録が迫っている。(記録担当・小川真幸)
(サンスポ)
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