MZの手下の日記

なんということもなく、このたび、日記を開設しました。昔の文章のいくつかも、すこし手を入れて移しています。

甘鯛と蛤、鰻

2022-05-01 09:04:51 | お気に入りの店
コロナ過のなか、東信に行くことがなかなかできなかったのだが、この連休期間中は軽井沢に行くことにした。行くというよりは、ひょっとすると、帰るの方が自分の気持ちとしては近いのかもしれない。そこで佐久市長土呂の「お料理いけだ」を訪ねた。

佐久の今年の冬は寒かったそうだが、春の訪れは早く、例年ならこのGW期間中が見ごろの桜ももうすでに散ってしまったらしい。もっとも、この数日はその反動か、かなり冷え込んでいる。晴れてはいるが、少し風の強い夜である。



前菜は、端午の節句の時期で、兜の器が楽しい。粽の笹の葉を剝くときに、少しワクワクするのは、どうしてだろう、などと思う。


椀物は春らしく、蛤のお吸い物をいただいた。筍とわかめも季節を感じる。そのつぎには、金目鯛と鮪、白身のお造りで、たいへん美味しい。生ビールの後は、せっかく佐久に来たので、地元の「茜さす」を一合いただいた。



焼き物は、甘鯛の兜焼きで、身はふっくらとしており。皮はパリパリしてたいへん美味しい。蛤のお椀もうまかったが、今日のお気に入りの一つである。五品目は、魚そうめんで、雲丹が乗っている。緑の方はヨモギが練りこんであるそうである。



揚げ物は、旬のアスパラガスで、地元のアスパラガスを揚げて、からすみとともに食べた。塩でもいいが、日本料理のお店なので、からすみにしてみたそうである。これもお気に入りだった。

最後のお料理は、鰻と卵で、これもまた、たいへんうまかった。最近、昼にも鰻を出すようにしたそうで、関東風に蒸すのと、関西風に焼くのと選べるそうである。



最後に、土鍋で炊いた筍ご飯で食事をして、デザートに道明寺風の柏餅を食べ、ご機嫌でお店を後にしたのである。筍はきょうとのものらしい。

連休中だからか、予約は混んでいて、カウンター席だった。主はカウンターですみませんと言うが、カウンターから手際よく料理が仕上がっていくのを見るのもいいものである。


いが栗の前菜と松茸の土瓶蒸し

2021-09-26 20:00:00 | お気に入りの店
佐久平の「お料理いけだ」へ再訪した。佐久平の国道141号沿いにあるこの店は、最近、なかなかお気に入りの日本料理の店である。もう少し訪れたいところではあるが、コロナの蔓延による自粛によって、東信に帰れなくなり、しばらくぶりの訪問である。浅間山を愛する主の料理は、たいへん美味しくて、軽井沢へ戻ると、必ず足を延ばして訪れている。 



前菜は、いが栗の前菜で、焼き栗の周りをじゃが芋で包み、揚げそうめんで、いが栗を模している。見た目も凝っているが、栗とじゃが芋と、揚げたそうめんが、なかなか美味しい。秋が、もう来たのだなぁと感じる。そろそろ、走りの松茸がでているらしく、松茸と鱧の土瓶蒸しをいただいた。今年の初物である。夏に行けなかったので、今年は鱧を食べられないかと思ったが、何とか食べることができた。




そう言えば、亡くなった米朝師のまくらで「骨へんに豊と書いてはもと呼んだひとがいる」というのがあったが、よく骨切りされているので骨が触ることもない。お造りは鯛と本まぐろと穴子、焼き物はかますの塩焼きである。鮪も鯛もよいが、穴子がよい。かますの焼き物が、とても 味いのだが、付け合わせのさつま芋も美味しい。こういうところにも季節を感じる。生ビールの後、佐久の地酒「佐久の花」を一合いただいた。





いくらの飯蒸し、うざくと続いた。家人はいくらが大好物なので、飯蒸しを見るとうれしそうな顔をした。秋を感じさせる季節になったとはいえ、まだまだ、残暑が厳しいので、さっぱりと、鰻をうざくで食べるのもいいものだと思う。炊き合わせの後、最後に土鍋で炊いたきのこの炊き込みご飯と、赤だしで食事になった。







前にも書いたことがあるが、私はここの出汁の味がたいへん好きで、炊き合わせなどは本当に好みだと思う。デザートにナガノパープルの大福を食べて、また、もう少し秋が深まったら来たいものだと思ったのである。 






お料理いけだ

2020-06-21 20:15:03 | お気に入りの店
佐久平にある「お料理いけだ」は、最近のお気に入りだ。佐久という土地にありながら、全国から取り寄せた食材を活かした、なかなか凝ったものを出す。コロナウィルスの自粛が解けた6月のある日、佐久まで足を延ばして、訪ねてみた。八寸は海老の揚げ物、卵の黄身の味噌漬け、子持ち昆布などで、見た目も涼しげである。


その次は、鱧椀で梅が入っている。この店の出汁の味が好きで、満足だと思う。前に主の池田氏に佐久で鱧とは珍しいと言ったら、いまどきいいものはどこでも手に入りますからと言われたことを思い出した。


刺身は、関アジと本マグロと金目鯛の炙り。金目鯛の炙りは好きな食材なのだろうか、よく出てくる気がする。海から遠く離れた佐久でも、大将の言う通り、良い魚を入れればうまいと思う。


焼き物に時不知のハラスで、そんな時期かと思う。北の海を回遊していた鮭は脂がのっていて美味しい。


5品目の料理は、蓼科牛の山椒焼きで、ジューシーな赤身の肉と、ピリリとした山椒のたれが美味しい。



雲丹とじゅんさいの後、料理の最後はひろうすが出た。ひろうすの上には鱈子が載っている。

漬物と赤だしで土鍋で炊いた炊き込みご飯を頂いた後、食後には、自家製(だと思う)のあんみつを食べた。炊き込みご飯はたっぷりとあり、美味しくてお変りもしたのだが、余ってしまった。そしてそのご飯は翌朝の朝ごはんとして持って帰ったのである。

お料理いけだの大将は、地元の出身で、休みの日には、八ヶ岳などに登っているそうである。都会で店を持つことも考えたが、地元に戻ってきたとのことである、家族でやっているアットホームな店である。そして、佐久の人にとって浅間は心に山という大将と、少し浅間山に縁がある家人とは、何やら浅間山について話して盛り上がるのである。



湯島聖堂前の「テロワール・カワバタ」

2019-09-29 22:22:42 | お気に入りの店
湯島の聖堂の向かいにある「テロワール・カワバタ」は、いま、最もお気に入りのビストロだ。店の奥からは、階下を流れる神田川が見渡せる立地で、小さな店だが、たいへん素敵なフレンチを食べさせる。

ボキューズドール2003の日本代表を務めた川端清生シェフのお店でだが、カジュアルで、肩ひじを張らない雰囲気で、美味しい料理とワインが楽しめる。その「カワバタ」が御茶ノ水にお店を開いて、5周年を迎えるとのことなので、5周年記念メニューを食べに訪ねた。



シャンパーニュを食前酒にしながら、しばらく待つと、本日のスペシャリテのオマール海老を見せに来た。少しテンションが高くなる。「茄子のアミューズブーシュ」は、旬の秋茄子が本当に美味しい。


前菜の一皿目は、「富士の湧き水育ち 甲斐サーモンのスモーク」で、スモークはこの店の神田川に面したベランダで、燻されている。この自家製スモークサーモンは、名物のひとつで、はじめはそのままで食べ、つぎは、自家製のピクルスと食べ、最後にバケットにのせて、バターを塗って食べるのだそうだ。甲斐サーモンは、いつものサーモンよりもしっかりとしているように思う。



前菜の二皿目は、「久しぶりに作ったスペシャリテフォワグラのテリーヌ」で、フレンチの定番の料理である。三種類のソースが添えてあるが、右下の貴腐葡萄のジュレが美味しい。



魚料理は、「活オマール海老のアメリケーヌソース」で、先ほど見せられた、本日入荷したというオマール海老である。エビの殻でだしを取られたソースが美味しい。海老の腹には、米とオマール海老の味噌をからめた詰め物がされており、濃厚で大変満足した。



肉料理は「フランス産リ・ド・ヴォーと茸のパイケース詰め マデールソース」を選んだ。仔牛のリ・ド・ヴォーが柔らかく、ジューシーで、甘いマデールソースとよくマッチしている。きのこには松茸も使われていた。

ケースに使われたパイも添えられており、これがサクサクで柔らかい仔牛を食べながら、かじると楽しい。濃厚なソースも美味しく、パンにつけて食べてしまった。



チーズの盛り合わせを、しっかりした赤ワインで楽しんだ後、口直しに「無花果のコンポート」を、デザートに「津軽リンゴのババロアと洋ナシのソルベ」を食べ、大変満足したのである。そして、また来たいなと心から思ったのである。



軽井沢駅前の鉄板洋食

2019-09-16 10:30:42 | お気に入りの店
軽井沢駅前の鉄板洋食NISHIHATAは、お気に入りの洋食屋さんだ。鉄板を囲んだ10席のみの小さなお店だが、たいへん手の込んだ洋食を食べることができる。オーナーシェフは、神戸で修業を始め、東京で腕を磨いた人で、最後は軽井沢の星野エリアのホテルのシェフを務めたらしい。何といっても、お勧めは看板メニューの歯ごたえビーフハンバーグなのだが、他の洋食も美味しい。


写真のビフカツは、シェフ自慢の一品である。シェフは関西の出身なので、洋食のカツと言えば、ビフカツということらしい。NISHIHATAのカツは、揚げるカツではなく、衣をつけて、鉄板で焼くように作る。とても衣が軽く、肉はジューシーで、たいへん美味しい。


隠れたお勧めのひとつは、コンビネーションサラダだ。佐久・軽井沢でとれた」新鮮な野菜を使ったサラダで、自家製のポテトサラダ、そしてドレッシングも美味しい。サラダなんかは、野菜を切るだけで、どこでも同じと思いがちだが、だからこそ、素材を選ぶところから料理人の目の違いが出るのだと思う。


セットにすると、ライスと日替わりスープ、デザートが付く。日替わりのスープは、季節の野菜のポタージュが多く、写真はズッキーニのスープである。季節によって、アスパラガス、きくいも、たまねぎ、蕪、バターナッツカボチャなど、いろいろなスープが楽しめる。セットにはデザートとして、鉄板で焼いた焼きりんごが付いてくる。鉄板でゆっくりと焼いた焼きりんごはとても美味しい。リンゴで作ったシードルを少しかけて食べるのがおすすめである。


夕食のみの営業で、木、金、土、日の週4日の営業である。夏休み期間中や、五月の連休などには、繁忙期の特別メニューになり、予約はできない。もちろん夏は焼きりんごはなく、桃などが出てくる。

他にも、鴨の鉄板焼き、ボールキャベツ、オムライス、ステーキなど、どれを食べてもびっくりするほど美味しい。また機会があれば、他の料理も紹介しようと思う。