【エーチームグループオーディション】吉岡里帆が主演に抜擢された理由
ドラマ『ケンカツ』
プロデューサーが明かす
吉岡里帆(エーチーム所属)が
主演に抜擢された理由
健康で文化的な最低限度の生活
2014年から「ビッグコミックスピリッツ」にて連載中の漫画「健康で文化的な最低限度の生活」。生活保護を扱う生活課に新卒入庁した主人公、義経えみるが、受給者との関わりの中で成長していく物語です。
「生活保護」という言葉は、あまりポジティブな意味で使われることはないかもしれません。インターネットで検索しようとすれば、予測変換には必ず「不正受給」の文字。原作では、もちろんそういったナイーブなテーマにも真正面から向き合っていますが、それだけではない人間ドラマも描かれているのが大きな魅力。
そして、そんな原作が、今年の7月からドラマ化され放送中です。はたして、なぜこのタイミングで『健康で文化的な最低限度の生活』という作品をドラマにしようと思ったのか。ドラマの制作現場の裏話とともに、プロデューサーの米田 孝さんにお話を伺いました。
■吉岡里帆と義経えみるには“ひたむきさ”がある
――今回、この原作をドラマ化しようといった発案者はやはりプロデューサーである米田さんですか。
そうですね。もともと原作を知っていて、面白いなと思っていたんです。もちろん当時は生活保護に対する知識などは持ち合わせていなかったんですけど、他の作品に比べて一歩テーマに踏み込んでいるところも魅力的だったし、ドラマ化しやすいパッケージでもあるな、とは思っていて。以前から、頭の片隅に置いていました。
それと同時に、約2年前、僕がAP時代に『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』という作品で吉岡さんとご一緒させていただいていたんですけど、その当時からいつか吉岡さんと一緒に作品をやりたいと思っていたし、本人とも話していたんです。吉岡さんは、今のような人気絶頂の前夜、というタイミングでしたね。
そういう経緯があった中で、自分の中で義経えみると吉岡里帆という人物がすごく重なって見えるようになって、この作品でやってみたいなと思った、というのがきっかけのひとつです。
――具体的にはどういった部分が重なって見えたんですか。
言葉にしてしまうと安っぽくなっちゃうんですけど、強いて言うなら「ひたむきさ」ですかね。彼女のもつ「ひたむきさ」が、周りに感化されていったり、ポジティブなパワーを与えたりする。
えみるはもちろんそうですが、吉岡さん自身にも以前からそういう部分は感じていて。お芝居はもちろん、本業ではないバラエティ番組ひとつ出るにも、自分が何を求められているのかとか、周りの人とどうコミュニケーションをとるべきか、など驚くほど考えている人なんです。
彼女のそういう一生懸命な姿に僕自身も魅力を感じるし、義経えみるという役柄を通して、吉岡里帆ってこういう魅力があるんだというのを世間に知らしめたいといった気持ちもあります。
もちろん演技ですから、ぜんぜん違うタイプの役をやる面白さというのもあるとは思うんですけど、でも結局その人が役を作っていくわけじゃないですか。ちょっとした所作とか言葉の端々にその人のもっているものが出てくるし、そのまま投影されていくのもひとついい形かな、と思っています。
■みんな「嫌な人がひとりもいない現場」っていうんですよ
――吉岡さんはもちろん、ほかのキャストの方々もかなり豪華ですよね。ほかのキャスティングでも、やはり役柄との共通点などこだわりがありますか。
そうですね、たとえば半田さんを演じている井浦 新さん。新さんとは初めてご一緒するんですが、以前から業界周りの噂として、新さんがいかに素晴らしい人か、というのはよく聞いていたんです。穏やかでやわらかくて優しくて、まだ若手のスタッフなんかにも平等に接してくれる。それは画面を通して見ていても、佇まいとしてそう感じる部分があって。
実際に会ってみて、本当に原作の半田さんみたいな雰囲気。むしろ、新さんがドラマの半田さんを完全に自分のものにしていて、ちょっとした小遊びも入れてくれるんです。
半田さんってキャリアがあるので、ともすれば彼の言ったことがなんでも正解、まるでスーパーマンみたいなキャラになりがちだと思うんですが、それじゃあ面白くない。正解は確かにもっているんだけど、どこかつかみどころのないキャラ。5話で「そういえば半田さんって結婚してるのかな」っていうセリフがあるんですけど、その設定自体決めてないんですよ。僕たちも「半田さんって結婚してるのかな?」って思いながら見てる。
――なるほど、確かにミステリアスさがありますね。
あとは、田中 圭さんですね。なんだかこのドラマの放送直前に、タイミングよく新さんと圭さんが他局のドラマでフィーバーしてましたけど(笑)。
――あれは……偶然ですか?(笑)
キャスティングは完全なる偶然です。ただ、そういうのを差し引いても、田中さんはとにかく格好いいんですよね。なんだかここ最近、より一層格好よくなっている気がしませんか?
――それは確かに。
色気が出てきちゃって、京極さんの、優しいけど厳しいという空気感もしっかり醸し出してくれている。厳しいんだけど、女性をくすぐるようなところもちゃんと出していて、いやらしい男です(笑)。芝居はもちろん以前からめちゃくちゃうまい人ですから、京極という公務員のキャラクターをうまく出してくれていて、本当にとってもいいメンバーが揃ってくれたと思います。
――主要キャストはもちろん、受給者役もかなり力が入っている印象を受けました。最初に遠藤憲一さんがきて、その次に、吉村界人さん、と続く。
そうですね。もともと吉村界人さんはドラマ『僕たちがやりました』などを通じて面白い役者だと感じていたのですが、いかんせん吉岡さんと年齢が同じなので大丈夫かな?という一抹の不安はありました。ただ、彼は良くも悪くも芸能人感のない、等身大の人なんですよね。ロケで団地から出てくる姿とかが、もうハマりすぎていて全く問題なかった。
服も、彼、自分の普段着とかも袖を切ってきたりするんですよ。25歳のやつがやることちゃうで、って思うんですけど、衣装合わせのときに監督がもうこれでいいじゃん、みたいな。だから、欣也という役を等身大の彼が演じてくれた感じなんですよ。
――あの回は、界人さんと江口のりこさんの演じる親子がぴったりハマっていてとてもいいキャスティングだなと思っていました。
あの二人は、よかったですね。撮影中もずっと二人で話すくらい仲良くなっていて。界人がクランクアップのときに、欣也のことがすごい好きだった、とか、面白かった、って言ってくれたのが、嬉しかったですね。彼は映画を中心に活動するタイプの役者だと思っていただけに、よかったな、と。
■人権ばかりを主張する気はないんだけど、ギャップは埋めたい
――7月31日に放送された欣也くん(吉村界人)の回でいうと、「不正受給」がひとつのキーワードになっていました。生活保護をテーマに扱う時点で、どうしてもナイーブな問題をドラマの中で扱わなければならないと思うのですが、そういった点で注意していることやこだわっている点はありますか。
まず、原作ありきの話になりますが、とにかく言いたいのは、この作品は柏木先生の努力の賜物、ということです。彼女がどれだけの量の取材をして、どれだけの事実をつぶさに自分の目で見て、これを描いているか、という。だからこそ一辺倒の答えではない、絶妙なところを描くことができる。
ドラマ化が決まった際に、柏木先生からは、ドラマはまた別の作品だから自由にやってください、と言われていました。ただひとつ、原作の監修をしている方の話をしっかり参考にしてください、とも言われていて、脚本もすべて監修していただき、何度も認識のすり合わせを行っています。
もちろん、僕自身も知識を入れないといけないと思って、独学で本を買って勉強したり、監修者の方が働く現場に同行したり、セミナーに通ったりして、ケースワーカーという仕事に対しての理解を深める努力はしています。それでも全然足りてないとは思うんですけど、できることはすべてやるようにしていますね。
――実際にこのドラマの制作を通して、ケースワーカーや生活保護に対する印象は変わりましたか。
変わったというか、なかったものが形になった、という感じですね。それまでは、ケースワーカーってなんですか?と聞かれても、答えることができなかった。その上で感じたのは、世間でみんなが思っているようなイメージと、実際の現場や制度のあり方が、いかにかけ離れているか、ということです。社会派ドラマにしたいわけではないんだけど、現状を知ってしまったら、どうしてもギャップは埋めたくなりますよね。
――たとえばどういうところでギャップを感じたんですか。
これは監修の方が働いている現場でのことなので、他の現場とはまた違うかもしれないですが、ケースワーカーの方々が働いている職場がとても明るい雰囲気だったんですよ。みんなすごく大変な思いをしているはずなのに、とても生き生きとしている。これはドラマでも表現したいな、と思っていて。
――確かにドラマでえみるが働く現場は、みんな元気で明るい印象がありますね。
ただ、だからといって「生活保護は権利なんだ! 受け取っていいんだ!」といった人権ばかりを主張するようなドラマにはしたくないんです。世間と現実のギャップを埋めながらも、いろんな意見があるんだということを表現したい。白黒はっきりとした、勧善懲悪の世界の方が見やすいかもしれないけど、そこはあくまでグレーゾーンとして描ききりたい。
――ひとつの強いメッセージを押し出したいわけではない、と。
そうですね、それはたとえばキャラクターひとつとってもそうで、いろいろな人間模様があることに恐れずに立ち向かうえみるのような存在もいれば、そこまでやる必要ないんちゃいます?という石橋さんみたいな存在もいる。そのどちらも間違っていない、と思うし、そういう風に見せたい。
――なるほど。
石橋さんを嫌な人だとか冷たい人だという風には見せたくないんです。だからこそ内場(勝則)さんに演じてもらっているというのもあります。ああいった、ちょっと人間味の部分で人物に魅力を感じてもらっておかないと、ただ悪者をやっつけるような取られ方をしてしまう。それこそ見やすいから数字にはつながりやすいかもしれないですけどね、この作品はそういう作品ではないので、そこは大事にしたいなって思っています。
――原作もそういったグレーゾーンや答えの出ない問いを、真摯に描いた作品ですよね。
そうですね、それはこの作品を作る上でも自分の中の根っことしてあると思います。やっぱり、原作をドラマ化する上で大切なのはリスペクトだと思うので、映像化をする上で、どうしても変えたり加えたりしなければならないのですが、本質だけは見誤らないようにしたい。そもそも、これは生活保護がテーマではありますが、あくまでこの作品の舞台なだけであって、そこにあるのは、生きている人間のドラマです。生活保護をかかげて社会に一石を投じたいとかではなくて、そういうところを描きたいだけなんです。
■受給者がどう見るかという視点は絶対に欠かしてはいけない
――ドラマ化する上で「どうしても変えたり加えたりしないといけない」というお話がありましたが、それはどうして必要になってくるんですか。
やはり、ドラマの1時間というサイズ感に合わせて、伏線や展開などは新たにオリジナルで加えていかないといけない。それは原作ドラマ化の醍醐味でもあり難しいところでもありますよね。ファンや原作の先生の想いをふいにしては絶対にいけない。でも、すでに面白い作品がある上で、さらに何を加えようか、と考えるのは楽しいです。ここにこんな人物がいたら、面白い展開が起きそうだな、とか。
――オリジナルな部分でいうと、たとえば欣也くんの回では、妹さんにお小遣いをあげるシーンがありましたよね。原作にはない展開でしたが、欣也くんの兄としての姿も垣間見えてまた少し印象が変わりました。
あれはぴーんと閃きましたね、「妹に小遣いや!」って。ドラマとしてはやっぱり、キャラクターにどう感情移入してもらえるか、そのために要素として何を足していけるか、というのが大事なんです。あのシーンを前半に入れておくことで、欣也のキャラクターがさらに深く掘り下げられていく。
――確かに欣也というキャラクターにより複雑性が増す場面でした。
もうちょっと欣也を理解してほしい、とは思っていたんですよね。僕はもともと原作で欣也が叫ぶ「バカで貧乏な人間は夢見んなってことかよ」というセリフが、この作品の中でも特に大きな問いだな、と思っていて。すごく難しい問題なんだけど、欣也の立場に感情移入して考えてもらいたい。
だからこそ、ただの元ヤンの変な奴ではなくて、自分の夢をもって自分でお金を稼いで、妹にもそのお金をあげるような側面もあって、という面を描きたかった。もちろん、その上で「でもダメでしょ」と思う人がいたっていいんです。
――逆に、ドラマを制作する上で、これだけはやらないと決めていることなどはありますか。
それはやはり、原作が本質的に大事にしていることを見誤らないことですね。あとは、やはりナイーブなテーマを扱っているドラマではあるので、できる限り誰かを傷つけるようなことはないようにと思っています。限界はあると思うんですけど。
それは実際に働いているケースワーカーの方々に対してはもちろんですが、やっぱり受給者の方々が見てどう思うのか、というのは常に考えているつもりです。そのことを忘れたら絶対にダメだ、と思っているので。もちろん、それでも嫌な思いをさせている側面はあると思うんですけどね。やっぱりそこの意識をなくしたら、この作品やっちゃダメだな、って思います。
⇒健康で文化的な最低限度の生活(ケンカツ) | 関西テレビ放送 カンテレ
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