昔乙女たちの裁縫教室

TANAKA師匠の教室に通う昔乙女の 教室レポートと裁縫日記

4月18日 銅媒染でコーヒー染め

2024-04-18 | 草木染
作品に付けるタグの数が心細くなってきたので
昨日は朝からタグ作りをしました。

どこかのブログで読みました。
コーヒーを銅媒染すると緑色になると!
試してみたいではありませんか!
というわけで、銅媒染でコーヒー染めのタグ作りです。

綿テープを、水と中性洗剤を少し入れた小鍋でぐつぐつ煮て、
まず精錬(汚れや薬品落とし)作業です。
普段は省略することの多い精錬ですが、
タグということで、リキが入ります。

ずっとかき混ぜたほうがムラ染にならなくて良いようですが、
少し煮たら後は放置・・・
タグテープにムラは考慮しなくていいでしょう。

濁った生成りの綿テープが、明るいクリーム色になりました。

濃染処理(タンパク質をしみこませる下処理)のあと
コーヒーと銅媒染液を2回往復させました。
これも各液に浸している間は、タイマーをセットしておき
ときどきかき回すだけで放置しました。


キシメンを煮てるみたいですが、綿テープです






最後に水洗いして、洗たく糊の代わりに
木工ボンドを水で薄めた液に浸したのち、外に干しました。
良いお天気だったのですぐに乾きます。

やや乾いたところで取り込んでアイロンを当てて、
草木染によるタグテープ作りの準備完了!



銅媒染のコーヒ染めです。
ちなみに、コーヒー染液は、安物の豆をミルで細かく挽き、
フィルター紙で濾しました。もちろん飲用可です。
前回は何回分をカスを貯めて染めましたが、
安いコーヒー豆なら安価なコストで手軽です。

あとは、家庭用ミシンの刺繍機能を利用して文字や記号を縫い、
一枚づつにカットしてブランドタグの出来上がりです・・・

が、テープの色、瞬間目に入った
物干しにぶら下がった洗濯中の爺のズボンの色と同じ・・・

銅媒染で緑色になるはずだったのに。
これは、黄土色という色ではありませんか・・・
タグにするのは・・・

草木染は、その時その時の状況により、緑色になるときもあるし、爺のズボン色になるときもある、
たしかそういうことなのですよね。これがそのわかりやすい実例なのですね。
了解です。
草木染の面白いところです。(ちっとも面白くない・・・)

ということで、午後の文字刺繍は延期しました。
テープの染め直しをしたほうがよさそうですが、当分先です。

以上、こんなケースもあるという、昨日の草木染の顛末でした。
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3月23日 茜染めに挑戦

2024-03-23 | 草木染
茜という植物は、「インド茜」だけでなく「西洋茜」もあり、
一般的ではないものの「日本茜」というのも存在するようです。
いずれも染料には、チップにした「根」が使われるのだと知りました。
(漠然と、花の色から採るのだと思っていました。)
もちろん、現物を見るのは初めてです。

好天を待ちきれず、届いたインド茜の封を切ってさっそく布染めの開始です。
赤紫蘇や朝顔の花をすりつぶし、色水を作ってあそんだ
子供のころの楽しい時間を思い出します。

外は寒いので、台所で作業ができるようにと、
古着やさんの一角で見つけたIHのステンレス鍋を買ってきました。
千円ほどで手に入れることができました。
チップを煮出すのに寸胴では大げさすぎるのです。

染料液は一回だけでなく、同じチップで何回でも煮出すことができ、
その上、回数を経るごとに黄色味が減っていき
いわゆる「朱」から「紅」になっていくのだそうです。
色の変化にもワクワクしますが、
一回煮出すのに一時間かかるため、
問題は染液を作るために要する多くの時間です。
爺が家にいるとよく台所を使うので、
長時間不在が見込まれる日に限るのです。

草木染の何が楽しいかっていえば、即答で「染液作り」と答えます。
葉っぱや茎、木の実や皮や、それから木の根っこが
布や糸を染めてくれる・・・そのことが夢中にさせます。

染液の出来上がりを待つ時間、刺し子をしていたら
台所から、なんだか甘いおしろいのようないい匂いが・・・
ネットで知らべてみましたが、
茜が白粉の匂いとはいう説明は見つかりませんでした。
やわらかくてぼんやりとした匂いだったので、
気のせいだったのかもしれません。

さて、一日がかりで染め上がった 茜色とは



薄い着物裏地(写真右側)は濃い朱に、
長襦袢をほどいた縮緬(左側)は紅に近い色、
同じ染液でいっしょに作業をしたのに、
微妙に異なった色に仕上がりました。

一度にたくさんの布を染めたために攪拌が十分でなく、
また縮緬は厚みがあるためかムラ染になってしまいました。
たくさんの反省点あります。
注意点を整理して、また近いうちに染めてみようと思います。
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3月21日 インド茜

2024-03-21 | 草木染
注文していたインド茜がとどきました。



暖かくなったら草木染の再開をと予定していたのに
インド茜が届いた昨日は、雹がベランダを叩く大きな音がする彼岸の中日でした。
めちゃくちゃ寒暖の差がある今年の気候です。

セイタカアワダチソウの黄、ヤシャブシの灰色もきれいだけど
布や糸を赤い色に染めてみたい・・・
山野を歩いて手に入れることができない色なので染色屋さんに注文しました。

布のほうは、反物のはぎれはもちろん、
喪服の裏地など、白い絹を集めてあります。
これまで、裏地などの白い布は、布ぞうりの鼻緒に使う以外
(筒状にして、ほぐしたロープを包むのに使います)
使い道はほとんどありませんでした。
鼻緒に用いる分には、絹だろうと化繊だろうと区分する必要はありませんが
染めるとなると話は別です。
染色を始めたら、昔乙女の「絹」の選別眼も試されます。

草木染、最初のころは綿麻を下処理して染めていたのですが、
ウールと絹はその手間がいらないとわかってきました。
いきなり染色液に浸して染めることができます。

化繊の布は草木染では染まりませんから
選別しておいた「絹」が果たして本物の絹なのかわかります。
らくちんな上に、絹は染め上がりの色も美しい。

昔、インドで朱いストールを買ってきました。
目の粗い大判のそれは、絹ではなく綿か麻だったと思うのですが
ずいぶん長いこと衿に巻いて楽しませてくれました。
その再現の夢が待っています。

ストールの赤い色を思い出しながら
茜のチップが詰まった袋をながめているところです。
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11月22日 絹とウールのヤシャブシ染め

2023-11-22 | 草木染
良いお天気が続きます
干し柿日和・・・

少し前に、グレイに染まったヤシャブシ染めに感動して
シルクとウールを染めてみたいと思っていました。

その日は意外に早くやってきました。
先日の日曜日に、古布展の会場予定のかんべの里を訪ねたところ
折よくフリーマーケットが開かれていて、「これでしょ!」と言わんばかりに
真っ白の小さなマフラーが並んでいました。
店じまい中のオーナーが、100円でいいよって。
カシミアだと思うのですが、化繊でもダメ元です。

家に帰るとすぐに染料の準備です。
ヤシャブシ染めは、濃染という生地への下処理が不要なためとても簡単です。
染料を作り、さっそく白いマフラーを投げ込みました。
ついでに、白っぽい絹のハギレも入れておきました。
最初は辛子色、それから鉄媒染でグレイに。



うほっ! 薄いグレイのマフラーに変身です。

びっくりしたのは、着物のハギレ。




なんという艶やかなシルクでしょう。
地模様が濃淡に浮かび上がり、
着物に仕立てたくなる美しさです。

ヤシャブシをもう一度煮出して追加の染料を作りました。
襦袢の残り布なのか、衣装ケースの間に隠れていた
絹の白生地を引っ張り出し、その中に浸します。
濃い目の鉄媒染で染めた綸子の織物は、
先に染めたハギレような模様の美しさはありませんが
絹の艶やかさは同じです。ため息が出ます。
衿巻きを縫ってみました。



綿麻しか染めたことがなかったので、
使い道のない絹のハギレを詰め込んだ衣装ケースに思いが行きます。
袷をほどいた後の白い裏地も、これからは捨てずに染めることにします。

ちいさなマツカサのような形をした山野のどこにでもある木の実ですが
こんなに感動的な色を秘めてるなんて・・・

すっかり草木染の虜になってしまいました。
採取したヤシャブシは、不織布(農業用の例のやつです)で袋を縫い
その中に入れてベランダに吊るしてあります。
来年の秋まで、大切に使おうと思います。
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11月6日 ヤシャブシ染め(グレイ)

2023-11-06 | 草木染
真っ白な晒一反をグレイに染めました。



西風の強い曇り空の一日、
脱水した後物干しに吊るし終わったところです。
風が強いので、干している傍らから乾燥します。
ブログの投稿が終わったら、アイロンをかけて作業終了です。

先月採取してきた夜叉附子(ヤシャブシ)の実を乾燥させて染めたものです。



山野を歩くと、どこにでも転がっています。
昔既婚女性が塗ったというお歯黒の染料なのだそうです。
柿と同じようにタンニンが強いので、
染まりやすいようにたんぱくを入れる下処理は不要です。
鉄媒染一回では薄いような気がして、2回繰り返しました。

染めた晒は、古布展用に作るワンピースの裏布に使おうと思っています。
普段は紺の新モス(よく男性用長着などに使われています)を使っているのですが、
ちょっとこだわってみたいと思ったわけです。

晒なので木綿ですが、シルクやウールを染めれば
さぞかし艶のある灰色が出るかもしれません。
アルミ媒染では黄土色になるとの情報です。

上品なグレイなので、近いうちにストールを染めてみたいと思っています。
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11月3日 柿渋染め

2023-11-03 | 草木染
好天の文化の日でした。
それにしても、気温が高いです。
この時期になると映像が紹介される大山の紅葉、
気温のせいなのか、今年はあまりきれいじゃありません。

お天気がいいので
早起きして柿渋染め(塗り)をしてみました。
昔雑貨屋さんで買った丸い帆布の入れ物
元は生成りだったのに、柿渋を5度重ね塗りしたところ、
見事なチョコレート色になりました。



底は2度ほど塗りましたが、内側は生成りのままです。


それにしても、こうも高い気温が続くと
干し柿作りのことが気になってきます。
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