トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

縮み志向の時代

2020-11-29 22:00:10 | 世相(日本)
 私は未読だが、『縮み志向の日本人』という日本人論がかつてベストセラーとなった。著者・李御寧は韓国人なので、小中華思想に憑かれた国特有の侮日が散りばめられた日本人論だろうと思って読む気が起きなかったし、この先も読むことはないだろう。 しかし、暫く前から日本のあらゆる物品が“縮み志向”になっているのは否めない。身近な食品は真っ先に目につくが、それ以外にも縮み志向が見られること . . . 本文を読む

イタリアの悲劇

2020-11-25 22:10:24 | 読書/ノンフィクション
 タイトルでコロナ禍に見舞われているイタリアの惨状と思った方が多いだろう。しかしこれから書くのはコロナ以前のイタリアの社会問題であり、『逆襲される文明 日本人へⅣ』(塩野七生 著、文春新書1140)に載っているコラムのタイトルをそのまま借用した。本末には初出は文藝春秋2013年11月号~2017年9月号とあり、「イタリアの悲劇」は2番目にあるので、文藝春秋2013年12月号に掲載されたのだろう。  . . . 本文を読む

ペスト大流行 その二

2020-11-20 22:00:10 | 読書/欧米史
その一の続き 欧州の多くの人々が大疫病について、自分勝手な解釈を考え出した。ある地方ではユダヤ人たちが世界に毒をまいているのだと考え、数多くのユダヤ人がそのために殺害される。またある地方では、不潔な貧民たちが空気や食べ物、飲物を汚すのが原因だとして、貧民たちを街中から追放する。また他の地方では貴族が疫病の元凶だということになり、貴族たちは平安に街を歩くことが出来なくなった。 最後には街の人々は町や . . . 本文を読む

ペスト大流行 その一

2020-11-19 22:00:03 | 読書/欧米史
『ペスト大流行-ヨーロッパ中世の崩壊-』(村上陽一郎著、岩波新書 黄版225)を先日読了した。初版は1983(昭和58)年3月だが、コロナ禍もあって再び売れているそうだ。表紙裏では本書をこう紹介している。 ―十四世紀中葉、黒死病とよばれたペストの大流行によって、ヨーロッパでは三千万近くの人びとが死に、中世封建社会は根底からゆり動かされることになった。記録に残された古代いらいのペスト禍をたどり、ペ . . . 本文を読む

製薬ビジネスの裏側

2020-11-14 21:40:23 | 音楽、TV、観劇
 BS世界のドキュメンタリー「ビッグ・ファーマ 製薬ビジネスの裏側」を見た。「ビッグ・ファーマ」という言葉は番組で初めて知ったが、検索してヒットしたサイトにはこう説明されている。「ビッグ・ファーマとは,米国で大きなシェアをもつ世界的巨大製薬会社10社(米国のファイザー,メルク,ジョンソン・エンド・ジョンソン,ブリストル・マイヤーズ,ワイス,英国のグラクソ・スミスクライン,アストラ・ゼネカ,スイスの . . . 本文を読む

豊胸手術と縮胸手術 その二

2020-11-11 22:30:05 | 世相(日本)
その一の続き「痛いニュース」では岩渕潤子に多くの非難が浴びせられているが、同性でも以下のように感じた人が少なくないのではないか?6: ほっくー(愛知県) [GB] 2019/10/28(月) 13:41:07.89 ID:jSJIX/es0巨乳に恨みでもあるんか71: かえ☆たい(茸) [GB] 2019/10/28(月) 13:59:58.26 ID:jkG4nqwd0なんで漫画の奇形乳の引き合 . . . 本文を読む

豊胸手術と縮胸手術 その一

2020-11-10 21:40:11 | 世相(日本)
 貧乳を気にする日本女性は多い。だが芸能や風俗関係でもない限り、実際に豊胸手術を受ける女性は少数派と思える。豊胸手術といえば、単にシリコンやヒアルロン酸注射をして完了と思っている方が殆どだろうし、私もそうだった。 しかし実際には手術方の違いもあるが、大変な痛みを伴うことを最近になって初めて知った。拙ブログに「のらくろ」さんから、「御乳房様への狼藉」というタイトルで、以下のコメントと動画紹介があった . . . 本文を読む

爆薬王と呼ばれた化学者

2020-11-06 22:00:09 | 音楽、TV、観劇
 世界で最も権威ある賞として子供でも知っているノーベル賞。しかし、賞を創設する遺言を遺したノーベル自身の生涯は、大人でも案外知られていないかもしれない。NHK BSプレミアムで放送されている番組『フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿』では、「ノーベル賞 爆薬王の遺言」というタイトルでノーベルを取り上げていた。以下は番組サイトでの紹介。 ―科学史の闇に迫る知的エンターテインメント。爆薬に . . . 本文を読む

東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展

2020-11-02 21:40:05 | 展示会鑑賞
 東日本大震災復興祝念としての宮城県美術館特別展、「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」を見てきた。美術館HPでは特別展をこう紹介している。 ―清澄で叙情性を湛えた風景画の数々により、戦後の日本画の世界に大きな足跡を残した東山魁夷(1908-1999)。東山が生涯で最も長い年月をかけて取り組んだ仕事が、律宗の総本山、奈良・唐招提寺御影堂の障壁画と厨子絵です。 1964(昭和39)年、唐招提寺の長老 . . . 本文を読む