極薄特濃日記

無駄の2乗、無駄の3乗、無駄の4乗、無駄の5乗、…懲りることないくりかえし。

呆ける

2008-01-17 11:59:00 | Chance Operation
昨日、一昨日、世間は連休だったようだ。成人式。おれは普段から働いていないから、世間が休みで街が混み合うときには、外にはでかけることなくじっと蟄居している。
一昨年までは十代の女の子との付き合いがけっこうあって、成人式となると何人かから振袖姿の写メールが届いたものだったが、昨今ではそんなこともない。
ずっと家にこもって何をやっていたかというと、Wiiスポーツをやったり、テレビを眺めたり、本(荻原魚雷編『吉行淳之介エッセイ・コレクション4 トーク』(ちくま文庫 2004年)、『en-taxi』)を読んだり、Pと遊んだりして、とりたてて何をするということもなく時間を過ごしていた。用事が立込んで忙しくしているより、気持ちのいいことを飽きるまでして、飽きたら放り出して、という感じで、何をするということでもなく過ごす方が、おれの生理には合っている。
本に没頭すると、いつまでもその世界に浸っていたくなるところを、ふと中断し、テレビを点ける。テレビ番組はほとんど退屈ではあるものの、ハイビジョンの放送は、そこに映っている事物、街や花や水溜りなんかを眺めているだけでも綺麗なので、番組の内容は別にしてその映像に見とれているうちに30分くらいは瞬く間に過ぎる。でも、そんなのは30分くらいで飽きるので、今度はWiiスポーツを起動して、しばらく「ボウリング」に没頭する。程のいい単純さにハマってずっと続けていたくなるところを、ふと中断し、少し小腹が減ったのでキットカットを食べながら、Pが起きてあくびをひとつ、それから背中をぐううんと伸ばす様を眺めて、その姿があまりに可愛く、思わず膝に抱きかかえて指先で喉元をこちょこちょすると、Pは気持良さそうに目を細めてゴロゴロゴロと喉を鳴らす。Pに膝を温められながら、ふと気づくと、さっき正午を回ったところだと思ったのに、もう空は暮れなずんできていることに気づく。暖房を切って、窓を開けると、爽やかな寒風がさあっと入ってきて全身を包み、それでもういちど目が覚めたような心地になる。

―2008/01/15 火

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