入院は四人部屋で、テレビは一人一台ずつ。だが全く付けない。スマホでTver見て、Kindleで春樹とホラー漫画を読んでいる。昼ごはんの後まったりとしていると、「組長のプロフェッショナルの再放送やってます。」とかたつむり句会の海さんが教えてくれた。早速テレビをつけて見た。
NHK俳句大会の番組が引き続きあった。やっぱテレビはええ。NHKはええね。病室のベッドで母と一緒に見て居るような錯覚が起きていた。ありありさんと、いといと君親子の場面まで見て、麗らかな気持ちになった。
「句集野路菊より」
桐の花母の最後の優しき目 信野
前向きに生きんと思う桐の花 同
水玉の姑のおさがりアッパッパ 同
私たちの子供時代の村は、(今でもそうかもしれないが)朝一に、おばはんならアッパッパ、おっさんならパンイチでお墓や真珠筏をうろうろするのが普通であった。家藤という旧姓からして、大昔は家の前に藤の木があったのだろうが、私の記憶に残っているのは枇杷の木とさくらんぼの木。桐の花は海岸線にかぶさるような段々畑の山の上に咲いていたのか。