ミセスローゼンの道後日記

秋の蚊に刺され済州島を去る


駆け足でリハーサルと本番をした済州島コンサートが好評のうちに無事終わる。ディレクターが弟子のサークだったから、ニックは言いたい放題。最初、ハ長調の方のハイドンコンチェルトを弾いてくれと依頼されたが、ニックは断り、その代わりニ長調の方を弾きたいと言った。ニ長調の方が断然難しく、元々はハイドンチェロコンチェルトと言えばこちらをさしていたそうで、ハ長調の方は後になって発見されたらしい。ハ長調は誰でもうまく弾ける。ニ長調も誰でも弾く事は弾くが、うまく弾くのは難しい。だから弾きたいんだ、と言う。本番を観客席で聞いて、ニックの言う通り、これぞハイドンの真骨頂だと改めて思った。偉大さが違う。ニックがそれを表現する為に、あらゆる努力をして身を捧げているのがわかる。三つのカデンツァはピアティゴルスキー先生のだ。サークも感激して、「あなたにはローゼン先生を長生きさせて、出来るだけ長く現役でこれを弾かせるようにお願いします。」と頼まれた。彼の音楽好きの家族にも再会して嬉しかった。

済州島では鮑のお粥の美味さにも驚いたが、蚊がわんさかいる事に、もっと驚いた。コンサートホールの客席は蚊だらけだった。みな慣れているのか、蚊のスプレーを全身にかけてるのか、モジモジしてる人は誰一人おらず、私だけ。でも手足から顔から蚊に刺されまくって、とてもジッとしていられんかった。ハイドンにノリノリみたいなふりして、体をリズムに合わせ動かしてたが、それでも血を吸われまくった。パチンと叩くわけにいかないので、刺されるたびに手で押さえ、なすり殺していたら、アンコール終わったら手のひらが血だらけであった。ニックが舞台で刺されなくてよかった。最後に飛行機の中まで蚊がいて、最後の最後に膝を刺されてムカついた。
明日から二日間は銀座ヤマハホールでワミレストリオだから安心、蚊もいない。嬉しい。
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