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ミセスローゼンの上人坂日記

沈みゆく小舟のやうに雪の原


昨夜の悪夢。
温泉に入って、マッサージチェアにかかったら、機械が壊れてて下半身の締めつけが止まらず、大蛇に巻きつかれたようにぎゅうううっと、痛い痛い。たまらず叫んだが、声が出ない。だが隣で誰かが代わりに叫んでる声だけ聞こえる。ええっと目覚めると、隣でニックが叫んでた。ニックも、昔住んでた家に戻った悪夢を見てたそうだ。
起こそうとして、起き上がると、下半身が痛い、痛くて起きられない。腿がぱんぱんに腫れてる、ふくらはぎがつってる、腰の両脇がうずいてる。筋肉痛のひどいやつだ。こんなのはガイド時代にも、経験したこともない。歩き遍路の方々は、毎日こんな朝を迎えておられるのかもなあ。
一昨日、かぼちゃんを救いたくて、腰まである雪を一歩一歩踏み越えて、山道を歩き回っていた時、歩いても歩いても小舟のようにという歌、ブルーライトヨコハマの一節が頭から離れず、無意識に口ずさみながら前進を試みてたら、進行方向から、立派な角を振り立てた牡鹿がやってきた。凄いスピードで走ってるつもりだろうが、雪の壁で進まない。ズズッズズッと、じりじり、と進んでくる。私も雪に腰まで埋まってる、咄嗟に逃げられない。じたばたすれば逆に目立つ。できるだけ深く道の隅に沈み込み、手足を縮めて死んだふりをした。鹿は私を食べないだろうが、この天変地異に鹿も気が動転してるだろう。一応カメラ構えて、待つこと10分。遅い。
やっと鹿が私の前に来た。牡鹿は私に見向きもしないで、雪を私の頭の上にどさどさっと落として、雪を泳いで去って行った。カメラも何も雪だらけ。しばらくして道の雪が浅くなると、鹿は曲がってどっかへ走り去った。鹿も居場所がねえだよ。あの必死の鹿の顔が忘れられん。鹿さえもこれほど進めぬ雪なのかと絶望した瞬間であった。
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