２０１７年初富士。富士吉田にて。
年末は、河野公平と内山高志の応援に行ったが、どちらも負けてしまった。座席にエルメスのスカーフを置き忘れた。美しい物を持つと失くした時の落胆がひどいから嫌なんだ。熱烈に応援すれば負けた時の落胆がひどいから嫌なんだ。内山負けてスカーフ失くした、と歯ぎしりしながら悪夢を見た翌朝、太田区総合体育館に電話すると、ピンクのスカーフが忘れ物係に届いている、着払いで送ってくれる、と言う。手慣れた声で。おそらく私だけではないのだろう内山負けて呆然と忘れ物した客は。
元日の朝は、かぼちゃんを迎えに行き、ペットホテルのファミリーとお年始の挨拶をしている内に頭に付けていたサングラスが道端の溝の隙間に落っこちてしまった。ニックがシャーモニーの白い谷から生還した記念に買ってくれたサングラス。諦めきれない。溝の底に見えているのに、隙間に私の手が入らない。お手伝いをしている少年達が飛んで来て、懐中電灯で照らしたり、細い手を突っ込んでくれたり、火挟を持ってきたり、とうとうお祖父様までバールを手に出て来て下さり、みんなで工夫して、遂に拾い上げて下さった。諦めないでくれてありがとう！
今年も失敗続き、だがよい出会いに恵まれ、助けられる。そういう年になりそうだ。
