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ミセスローゼンの道後日記

白骨といふといへどもさくら色


日本の仏式のお葬式を初めて見たニック。最初は珍しく夢中でお経を聞いていたが、後半ウトウトしてしまい、和尚さまが鈸(シンバルのような物)を叩いた時、飛び起きたのがおかしかった。前列に座っていたので、みんなを楽しませたと思う。が、後でちゃんと、「お経はまるでバロック音楽の如き調性と共鳴音と飾り音を持つのですね。魅せられました。」と、和尚様に音楽家としての感想と賛辞を述べていた。


火葬を待つ間の食事という段取り、そしてお骨上げを見て、ニックは内心ぶっ飛んでいたらしい。ニックの知っている火葬は、灰の詰まった壺を渡されるだけ。火葬場で大きな脛骨や歯の形がありありと残っているお骨を囲み、お箸でつまんで拾っていくのがとても素朴、と感じたのだ。あるいは原初的と。子供達が恐れず、張り切って拾う姿にも感銘を受けたらしい。普段から死について語りたがる私の事を、ちょっとだけ理解してくれたようだ。





自分のサインを考えた。そしてわかった。字の綺麗な人はサインも綺麗。字の下手な人はサインも下手。碧梧桐のような字は到底書けるもんではない。こんなんでよければいつでもして差し上げまする。まずは句集をお求め下さい。


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「野路菊81句集より」

梅見坂知らない人に手をかりて 信野


春一番となりの干物とんでくる  同


しだれ梅初めて俳号きめた友   同



母の句集には母の出会った人々が大勢登場する。夫、子、孫、親、兄妹、友、ご近所さん、知らない人も。私が人間観察好きな所は母譲りかも。二句目は、松山の姉のマンションに引っ越した時の句かもしれない。虚子の句に「風吹けば来るや隣の鯉のぼり」がある。友達や妹も巻き込んで、短歌から俳句に転向した母。孫の正人君が活躍する姿もまだまだこれから沢山見せたかった。























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