ミセスローゼンの道後日記

一本のワインを選ぶ冬紅葉

ベンガル人の作家ジュンパ・ラヒリの短編集。
すべての短篇に共通の静かさがある。生き生きと激しい語り口でも、底に流れる静けさを感じる。芭蕉の句にも通じる静かさ。侘しさ寂しさを受け入れた静かさだと思う。すごくインスパイアされた。

うちの娘たちが、バッハの無伴奏チェロ組曲第二番プレリュードを習っている時に、先生がこう言った。

想像してごらん。静かな海岸の黒い岩の上に、一人の老人が腰かけている。老人は孤独や死を受け入れている。ごまかしたり、無視したり、戦ったり、あきらめたり、そういう段階を乗り越えて、受け入れた静けさだ。静けさの中にそれらすべてがある。だがとても静かなんだ。
それから先生は二番プレリュードを弾いてくれた。この豊かな静けさを感じるのは観客であり、チェリストの仕事はまた別なんだよ、とも教えてくれた。

ニックのバッハ録音は、五番、四番、と進んできて、次は二番だそうだ。
うちは若い頃は、一番、三番、五番、六番が好きだったが、今は二番、四番に超癒やされてる。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事