
ママのぐるうぷほうむで、ママが写真の整理を楽しんでる中に、昔の写真があった。マンハッタンの一番街、国連の近く、ホライゾンというアパートに、七五三の着物を持って日本からママが遊びに来た。子供達に人気のあるマニーというドアマンと一緒に写っている。ママは若い。私はダサい。子供達は丸い。この後何が起こるか、テロや離婚や、ママの病気や、まだ何んも知らない能天気な私の顔を見てると、人生何が起こるかわからんで、ぼやぼやしいなや、と言ってやりたく思う。だがタイムスリップして、今の私がこのロビーの柱の陰に隠れていたとして、この幸せそうな母親の私に会って、実際何が言いたいか、何が言えるか、マジわからない。幸せになる保証などない。過去のどの時点に戻ったとしても、その時代の私にアドバイスすることはやはり怖くて出来ん。ましてや人の人生をどうこうすることは不可能。なあんだ、タイムスリップできても仕方ないやん。一つだけわかることは、未来の私に会った私は、その事をきっと小説に書いただろう。今頃印税で食べてたかも知らん。雨の日はそんなことばかり考えてしまう。
